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何れだけ食べたのだろうか。

まるで瞑想している時のように体の中の何かが満たされるような感じがして途中から無我夢中で食べていた。

普段摂れていなかった動物性たんぱく質や必須栄養素、それらが私の体に満たされているようにさえ思える。

そうか。

私のこれは食い溜めじゃなくて、今までの不足していた栄養素を補填しているのかも知れない。

そうだよね。

本来ならこつけて(仙台弁です)しまっていたはずの体が、あんな食事でここまで成長出来たのも不思議だったんだ。

「つまり、成長に必要だった栄養素の負債を今解消していると言う事?」

神様ありがとうございます。

さっきは異世界聖女のヒロインを羨ましく思ってすみません。

私、栄養素負債加算されながらも無事に成長させて頂いてありがとうございます。

今、その負債の全てを精算させて頂きます。

現在進行形で後どのくらいの負債があるのでしょうか?

頭の中でそう思うと、目の前に数字が現れる。

完済まで後55%と。

既に2時間程食べている。

後2時間位食べれば返済完了だろうか?

やはり負債と言う言葉は好きじゃない。

完済目指して頑張ります。

まぁ、17年間もまともな食事をしていなかったのだから仕方がないのかも知れない。

それに、誰も飲食をしに来ない様子だし。

大丈夫だよね。
残すのも勿体無いし。

私はそう思い再び食事を再開させた。



☆☆☆☆☆☆

舞踏会も中盤を過ぎた頃、義母と義妹が私の所へやって来た。

「今夜はお城に泊まれるらしいから、貴女は一人で馬車で帰ってね。明日の昼頃迎えの馬車を寄越して頂戴。分かった?」
義母は何時ものように横柄に私に命令する。

そんな義母の隣に立つ義妹。
「ふふふ、やっぱり貴女には私のお下がりは上等過ぎたみたいね。誰にも相手にして貰えないからこんなところでずっと食べ物を食べているのでしょう?」
何時ものように私を見下しながらほくそ笑むルミナ。

「ふん、貧乏人が。せいぜい身の程知らずな食事をたらふく食べることね。こんな贅沢食べ物、食べた事もないでしょう?私は何時もこういった物を食べているから、このような場で食べる事はないの。それに、貴女には私のように殿方とダンスをする教養も品性もないのですから、そうやって食べているか、壁の華に入るなっているかしか出来ないでしょうね」

確かに、ダンスの教養はない。
強いて言えば前世で社交ダンスが流行った時に少しかじった程度だ。

「私、明日には王太子様から求婚されるかも知れないのよ。だから私達親子は今日お城に泊まれるの。貴女とはここの出来が違うの」

ルミナは自身の顔を指差しながらそう言うと勝ち誇ったように義母に寄り添う。

「私達は明日の為に今夜は早めに美容マッサージをして貰うの。では失礼」

「オ―ホッホッホ―ッ』

と、高笑いしながら去って行く二人。

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