可愛い子羊ちゃん

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食事が一通り終わると侍女達を呼び食器を下げさせた。

その間にエラは女性用の風呂場で入浴をしている。

勿論私も男性用の風呂場で入浴をする。

鉄分豊富な我が家の温泉は24時間掛け流しで何時でも入れるのだ。

そして、今日は家族が皆しけ込こんでいる為に悠々自適に風呂を満喫出来た。

「ふむ。今日も血のような鉄臭さが最高だったな」

私は機嫌良く自室へ戻るとベッドの上でチョコンと座っているエラが目に入った。

薄ピンクのベビードールを着たエラはやはりと言うべきか、凹凸の少ない体型で、彼女が処女でなければ到底抱きたいと思えないような姿だった。

本来なら色っぽいだろうその姿も『可愛いお嬢ちゃん』としか言いようがない姿に思わずこめかみを押さえてしまった。

多分、この姿を見るに侍女達がエラにこのベビードールを着せたのは間違いなく、それ故にあらぬ噂が立っているのでは？との懸念が凄かった。


「今までの私の作り上げたイメージが……沽券が……クッ……」

「キリト先輩？」

全ての元凶であるはずの彼女は何も分からないようにコテンと頭を傾けた。

「いやいや……天然処女を前に……」

そうだ。

彼女は魔族には稀な処女を有した女だ。

見た目が幼女に見えるとか、幼女体型とかこの際色々とどうでも良い。

「君の処女を貰う前に味見をしても良いかな？」

バンパイアは女を抱く前に吸血する事が多い。

それが処女なら尚更だ。

処女の生き血は旨いと相場が決まっている。

「あっ、はい。死なない程度でお願いします」

エラはそう言うと首に掛かった髪をどけて「どうぞ」と目を瞑って言った。

どうやらバンパイアの習性を知っているようだ。

「勿論、君を死なす訳にはいかないからね。加減はするよ」

何せ待望の処女だ。
それに、今までだって何度も吸血していてそんなヘマをした事はない。

ギシリ

とベッドがきしみ私はエラに覆い被さるように首筋に噛み付いた。

カプリ、と。

チュルチュルと彼女の血を吸えば何とも言えない甘い味に一瞬我を忘れてしまった。

チュルチュル。

ブワリと膨れ上がる魔力。

ザワリと舞う髪の毛。

ヤバイと思って牙を抜いた時には彼女は青い顔で項垂れていた。


浅い呼吸に低体温。

「ヤバイ。吸い過ぎた……」