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協調性がないヤツ。
潔癖症。
今まで同級生から嫌と言う程言われて来たセリフだ。
勿論、自分ではどちらも当てはまらないとは思っているし、そうなってしまったのにはちゃんとした理由がある。
だから、仕方がないんだ。
例えば、トイレに行かないか?
「女子じゃないんだから一人で行け」
このセリフに協調性がないとのレッテルを貼られた。
が、排泄の匂いでαならΩに気付く。
これはある意味死活問題なのだ。
何せΩの数が減ってしまった昨今、Ωとバレたらα達の餌食になるのは火を見るより明らか。
Ωが普通の生活が出来るのはαのツガイになっている時か、はたまた特別な機関の管理下にある時だけだ。
故に、α避けに何時も腹が緩いとか、くだっていると言って個室に逃げている。
誰も下痢かもしれないヤツとトイレに行こうとは思わないだろう?
使用後もスプレーをかけてα対策はバッチリだ。
そして潔癖症。
これも、鍋などの箸でつつきあう食事や、飲み物の飲み回しとか、公衆浴場や温泉、プールや海などで一所に入る。
はい、アウト。
飲み物や箸なんかは唾液の匂いが着くから次に飲んだり感のいいαにΩとバレる。
風呂等は更に最悪だ。
折角兄の服でαにカモフラージュしているΩ臭が水で洗い出されてしまう。
こらは不特定多数のαにバレる。
下手すると、その場で襲われる危険性さえある。
何せ風呂は裸だ。
生まれたままの姿だ。
銭湯や温泉など、Ωにとっては正に地獄。
何せ、Ωの人数はαに比べて極端に低い。
番じゃなくても手に入れたい種族だ。
きっと複数のαに犯される未来しかない。
故に、恭助には悪いけど今日も個室のシャワールームで済ませようと思っている。
それに、お風呂は体が温まるから変なフェロモンが出やすいのだ。
表面的な友人3人のαの理性が吹っ飛ぶ可能性だってあるのだ。
「悪い、本当は今は体調があまり良くないんだ。僕は部屋に備え付けられているシャワーで済ますつもりだから三人で楽しく入って来てくれ」
苦笑いしながらそう返事をし直すと恭助がいかにも不機嫌な表情をする。
どうやら僕の回答に納得しないらしい。
最初に答えた理由よりそれっぽく言ったんだが、どうやら恭助の機嫌を損ねたようだ。
「充希はいつもそうだよな。中学の修学旅行の時だってそうだ。折角一緒の部屋になったと思ったら真夜中の内に体調不良で帰宅してしまっていたし」
「仕方がないだろう、あの時はマジでヤバかったんだから」
恭助のフェロモンに反応してヒートに突入してしまったんだから。
流石に中学の修学旅行。
マズイだろう。
「その内キチンと埋め合わせするから」
僕の提案に恭助はピクンと反応する。
まぁ、出来る範囲でだけどね。
「じゃぁさぁ。これからは名前で呼んでくれないかな『恭助』って」
目を反らすことなくじっと僕の方を見る恭助。
一定の距離を取る為に、同級生は皆名字で呼んでいた。
「それでチャラにするよ。今までのこと」
恭助はニヤリとしながら僕に笑いかけた。
潔癖症。
今まで同級生から嫌と言う程言われて来たセリフだ。
勿論、自分ではどちらも当てはまらないとは思っているし、そうなってしまったのにはちゃんとした理由がある。
だから、仕方がないんだ。
例えば、トイレに行かないか?
「女子じゃないんだから一人で行け」
このセリフに協調性がないとのレッテルを貼られた。
が、排泄の匂いでαならΩに気付く。
これはある意味死活問題なのだ。
何せΩの数が減ってしまった昨今、Ωとバレたらα達の餌食になるのは火を見るより明らか。
Ωが普通の生活が出来るのはαのツガイになっている時か、はたまた特別な機関の管理下にある時だけだ。
故に、α避けに何時も腹が緩いとか、くだっていると言って個室に逃げている。
誰も下痢かもしれないヤツとトイレに行こうとは思わないだろう?
使用後もスプレーをかけてα対策はバッチリだ。
そして潔癖症。
これも、鍋などの箸でつつきあう食事や、飲み物の飲み回しとか、公衆浴場や温泉、プールや海などで一所に入る。
はい、アウト。
飲み物や箸なんかは唾液の匂いが着くから次に飲んだり感のいいαにΩとバレる。
風呂等は更に最悪だ。
折角兄の服でαにカモフラージュしているΩ臭が水で洗い出されてしまう。
こらは不特定多数のαにバレる。
下手すると、その場で襲われる危険性さえある。
何せ風呂は裸だ。
生まれたままの姿だ。
銭湯や温泉など、Ωにとっては正に地獄。
何せ、Ωの人数はαに比べて極端に低い。
番じゃなくても手に入れたい種族だ。
きっと複数のαに犯される未来しかない。
故に、恭助には悪いけど今日も個室のシャワールームで済ませようと思っている。
それに、お風呂は体が温まるから変なフェロモンが出やすいのだ。
表面的な友人3人のαの理性が吹っ飛ぶ可能性だってあるのだ。
「悪い、本当は今は体調があまり良くないんだ。僕は部屋に備え付けられているシャワーで済ますつもりだから三人で楽しく入って来てくれ」
苦笑いしながらそう返事をし直すと恭助がいかにも不機嫌な表情をする。
どうやら僕の回答に納得しないらしい。
最初に答えた理由よりそれっぽく言ったんだが、どうやら恭助の機嫌を損ねたようだ。
「充希はいつもそうだよな。中学の修学旅行の時だってそうだ。折角一緒の部屋になったと思ったら真夜中の内に体調不良で帰宅してしまっていたし」
「仕方がないだろう、あの時はマジでヤバかったんだから」
恭助のフェロモンに反応してヒートに突入してしまったんだから。
流石に中学の修学旅行。
マズイだろう。
「その内キチンと埋め合わせするから」
僕の提案に恭助はピクンと反応する。
まぁ、出来る範囲でだけどね。
「じゃぁさぁ。これからは名前で呼んでくれないかな『恭助』って」
目を反らすことなくじっと僕の方を見る恭助。
一定の距離を取る為に、同級生は皆名字で呼んでいた。
「それでチャラにするよ。今までのこと」
恭助はニヤリとしながら僕に笑いかけた。
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