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「乙男系ワンコ割りと好きですよ」
爽やかに微笑む優希。
乙女?ワンコ?
乙女は分かるけど、ワンコ?
つまり私は犬と言う意味だろうか?
あの、舌を出してご主人様を舐めるワンちゃん。
つまり、優希はそんな事を私に求めている?
一瞬にして優希に抱き付いて優希を舐め回す自分を想像して目が点になった。
「まぁ、アリエルがどんな事を想像したのかは判らないけど、多分違うからね」
ニコリと微笑む優希。
でも、でもだよ。
あの可憐で美人の聖女様の告白を見事に振った優希が、実は男色家だと言われれば何と無く納得出来るし、男の子だと分かっていた私との婚姻に同意するのも理解出来る。
つまり、どちらにしろ正規の腕輪契約は元々無理なんだよ。
だってさ……男同士って確かお尻を掘るんだよね。
一瞬にして青ざめてしまう。
ごめん。
女装していてもそれは無理。
一瞬自分が優希に襲われる姿を想像をしてしまうと、優希が「わわわわ!!」と騒ぎだす。
「馬鹿。そんな事しないから」
顔を真っ赤にした優希に何故か滅茶苦茶否定される。
「それに襲うって言う点ではそっちだよね」
と、何故か想像した事を訂正させられてしまった。
それもどうだろう?
それも想像するが……いや……無いだろう。
ふと優希を見れば何故か真っ赤になって私を見ている。
「ハ……ハレンチだ~」
そう言って優希は頭をテーブルに突っ伏した。
「もうこの話題から離れようよ。ねっ」
顔を上げた優希はそう提案する。
「それと、明日は色々あるみたいだから今日は早めに寝ようか。アリエルも引っ越しの準備とかあるだろうし、ねっ?今日はもう寝よう」
優希はそう言うと私のベッドへと歩き出した。
「今日は色々ありすぎて疲れたし、お風呂はもう面倒だから、私は浄化魔法を使うね。アリエルは何時も通り過ごして構わないから」
そう言うと優希は再びパチンの指を鳴らす。
すると、頭から足の先まで光が通り過ぎる。
浄化魔法だ。
優希は浄化魔法で体を浄めると靴を脱いでその中に靴下を入れた。
そそくさとベッドの半分を占領したと思いきや
「じゃあお休み。私の奥さん」
そう言って呆気なく布団へ入ってしまったのだ。
王女の自分がまさかの置いてけぼり?
初夜がないことにホッとするものの、何かが腑に落ちないこの気持ちはなんなのか?
スヤスヤと寝息を立てる優希を信じられない思いで見つめてしまう。
「何て言う肝の座り方をしているのか?普通異世界召喚されて知らない土地の知らない部屋の、それも知らない人のベッドで普通寝るかなぁ?」
挙げ句、自分だけ浄化魔法とか……有り得ないわな。
「浄化魔法って聖女様しか使えないと思っていたけど、実は勇者様も使えるんだね」
今までそんな記述はなかった。
本物を見て新たな発見に驚いてしまう。
「はぁ~。まぁいいや。今日はゆっくり湯に浸かって明日からの事を考えよう」
私は盛大な溜め息をつくとそのままベッドに背を向けた。
寝息を立てる優希を背に私はそのまま浴室へと向かう。
勿論、今この部屋には私と優希の二人だけ。
呼ばなければ誰も来ない。
勿論、誰も呼ぶ気はない。
浴室に着くと私は慣れた調子で風魔法を駆使してドレスを脱いだ。
何せ正体は男なのだ。
バレないようにするのに色々と大変なのである。
故に、私は細かい魔力操作が得意になってしまったのだ。
悲しきや……。
爽やかに微笑む優希。
乙女?ワンコ?
乙女は分かるけど、ワンコ?
つまり私は犬と言う意味だろうか?
あの、舌を出してご主人様を舐めるワンちゃん。
つまり、優希はそんな事を私に求めている?
一瞬にして優希に抱き付いて優希を舐め回す自分を想像して目が点になった。
「まぁ、アリエルがどんな事を想像したのかは判らないけど、多分違うからね」
ニコリと微笑む優希。
でも、でもだよ。
あの可憐で美人の聖女様の告白を見事に振った優希が、実は男色家だと言われれば何と無く納得出来るし、男の子だと分かっていた私との婚姻に同意するのも理解出来る。
つまり、どちらにしろ正規の腕輪契約は元々無理なんだよ。
だってさ……男同士って確かお尻を掘るんだよね。
一瞬にして青ざめてしまう。
ごめん。
女装していてもそれは無理。
一瞬自分が優希に襲われる姿を想像をしてしまうと、優希が「わわわわ!!」と騒ぎだす。
「馬鹿。そんな事しないから」
顔を真っ赤にした優希に何故か滅茶苦茶否定される。
「それに襲うって言う点ではそっちだよね」
と、何故か想像した事を訂正させられてしまった。
それもどうだろう?
それも想像するが……いや……無いだろう。
ふと優希を見れば何故か真っ赤になって私を見ている。
「ハ……ハレンチだ~」
そう言って優希は頭をテーブルに突っ伏した。
「もうこの話題から離れようよ。ねっ」
顔を上げた優希はそう提案する。
「それと、明日は色々あるみたいだから今日は早めに寝ようか。アリエルも引っ越しの準備とかあるだろうし、ねっ?今日はもう寝よう」
優希はそう言うと私のベッドへと歩き出した。
「今日は色々ありすぎて疲れたし、お風呂はもう面倒だから、私は浄化魔法を使うね。アリエルは何時も通り過ごして構わないから」
そう言うと優希は再びパチンの指を鳴らす。
すると、頭から足の先まで光が通り過ぎる。
浄化魔法だ。
優希は浄化魔法で体を浄めると靴を脱いでその中に靴下を入れた。
そそくさとベッドの半分を占領したと思いきや
「じゃあお休み。私の奥さん」
そう言って呆気なく布団へ入ってしまったのだ。
王女の自分がまさかの置いてけぼり?
初夜がないことにホッとするものの、何かが腑に落ちないこの気持ちはなんなのか?
スヤスヤと寝息を立てる優希を信じられない思いで見つめてしまう。
「何て言う肝の座り方をしているのか?普通異世界召喚されて知らない土地の知らない部屋の、それも知らない人のベッドで普通寝るかなぁ?」
挙げ句、自分だけ浄化魔法とか……有り得ないわな。
「浄化魔法って聖女様しか使えないと思っていたけど、実は勇者様も使えるんだね」
今までそんな記述はなかった。
本物を見て新たな発見に驚いてしまう。
「はぁ~。まぁいいや。今日はゆっくり湯に浸かって明日からの事を考えよう」
私は盛大な溜め息をつくとそのままベッドに背を向けた。
寝息を立てる優希を背に私はそのまま浴室へと向かう。
勿論、今この部屋には私と優希の二人だけ。
呼ばなければ誰も来ない。
勿論、誰も呼ぶ気はない。
浴室に着くと私は慣れた調子で風魔法を駆使してドレスを脱いだ。
何せ正体は男なのだ。
バレないようにするのに色々と大変なのである。
故に、私は細かい魔力操作が得意になってしまったのだ。
悲しきや……。
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