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ルドルフ様が去った後、私はクシャクシャになったカナリア様の手紙を広げると、その手紙を読み始めた。
「親愛なるエリスへ
ルドルフとの婚約の件は本当にごめんなさい。
二人の気持ちを確認しないで婚約を押し進めてしまった私がいけないのね。
確かにルドルフは婚約事態に拒否があったからエリスに対して酷い態度をとったのでしょうが、それでも婚約者になった女性に対してやって良い態度ではなかったと私も思うの。
初顔合わせの後でルドルフが言っていた事も侍女達から噂話で聞いたけど、あまりにも酷い内容に姉として信じられなかったのも事実。
本当にエリスには辛い思いをさせてしまって申し訳ないわ。
ごめんなさい。
昨夜王宮に父を呼んで殿下や父と話をして決めたんだけど、今回の婚約は一旦白紙に戻す事にしたの。
エリスのお父様にも宮廷惑うし御用達の魔道具でお伝えして了解は頂いたから安心して。
それにこう言っては何だけど、ルドルフにもエリス以外に気になる人が出来たようだと父が言っていたので婚約を一旦白紙にして考え直すには丁度良かったかもしれないわね。
未だに貴族は政略結婚至上主義だけど、私は恋愛結婚推奨派だから。
二人には打算で一生を決めて欲しくはないのよ。
出来れば、貴女達にも恋愛を経験して欲しいの。
だって、折角神様から頂いた新たな人生ですもの。
あっ、でも、今でも私が貴女の姉である気持ちには変わりはないから、何時でも『お姉様』として貴女を迎え入れる気満々よ。だから、ルドルフと婚約がなくなった今でもエリスには『お姉様』と呼ぶ事を許すわ。
と、言うか、そう呼んで欲しいの。
だからお願い、ルドルフの事をあまり軽蔑しないでね。
あれでも私の可愛い弟なのだから。
道は違ってしまったかもしれないけど、二人の幸せを願っているわ。
最後に、本来ならエリスのご家族から教えるべき内容を、私が手紙で先に知らせる不作法を許して頂戴ね。
でも、私は今でも心は貴女の『お姉様』なのだから、今回だけはそれの免じてくれると嬉しい。
だから、これからも貴女とは姉妹のつもりだから何かあったら遠慮なく相談して欲しいの。
いつでも待ってるわ。
カナリア・ロワ・セクト」
……。
「私……別にルドルフ様の事を軽蔑している訳じゃ……」
自分は悪役令嬢かもしれないって……そんな色眼鏡で見ていたのは確かだ。
「カナリア様は何も悪くないのに……私の方こそごめんなさい。こんなに気を使わせて……」
クシャクシャの手紙を手で伸ばしながら私はカナリア様からの手紙を丁寧に封筒へと戻した。
そうだよね。
折角神様から貰った新しい人生なんだよね。
前世は結構なブラック企業で社畜で過ごしていて恋愛経験もなかったから、正直私なんかに正しい恋愛が出来るとは思えないけど、カナリア様がそう言うのだから頑張ってみますか。
「火曜日は午前中早めに行ってカナリア様とお話しよう」
だって、カナリア様と共にこのゲームの破滅フラグを叩き潰すって決めたのだから。
それと、領地経営もスパルタで行きますかね。
「セバス」
私は立ち上がると執事のセバスを呼んだ。
「悪いんだけど、私はこれから少し忙しくなるから、その前にラクト卿の所へ行って来るわ」
ラクト卿とはラクト伯爵で、私の公爵領の東側の領地を管轄している貴族だ。
ルドルフ様の公爵領との境目でもある。
確か二年前位に世代交代した後から色々と問題が起きている所だ。
「色々過去の書類を見ていたんだけど、ここ二年程治水工事とか環境整備とか公共事業をやっていないようだし、あそこから来る書類は二度手間三度手間が多くいようなの。本格的に忙しくなる前に、少し指導をして来ます」
そう、書類仕事の一番の無駄が書類不備で返した物をもう一度見る事だ。
不備さえなければ一発で終わる仕事が永遠と続くのだ。
それを無駄と言って何が悪い。
それに、火曜日からは王宮に出仕するのだ、改善出来る仕事は改善するに越した事がない。
一度見た書類を『不備』だと何度も返す時間が滅茶苦茶惜しいのだ。
それに、税収はあるのに公共事業が一つもない。
どうなっているのか?
正直言えば民の暮らしの方が心配だ。
カナリア様のお話ではないけど、政治は滞りなく動かしてこその貴族。
公共事業は社会を回す潤滑油と利便性と安全性、全てにおいて大事な事だ。
主人公のセルジュさんの話を聞いたからではないけど、アレンの元で仕事をする前に我が領土内をきちんとしておきたいとも思った。
しかし、私の言葉にセバスは難色を示す。
「しかし、エリス様。ラクト伯爵には正直あまり良い噂が……」
眉間にシワを寄せて私に忠告して来るセバス。
勿論その噂とは女癖が悪いと言う物だ。
今年28歳になる若き伯爵は未だ独身。
社交界でも彼の地位目当てに独身の女達が群がると言う。
そんな彼は執務もこなさず女の尻ばかり追い掛けているというもっぱらの噂だ。
だからこそ公共事業を怠っているのだろう。
「ラクト伯爵の領地は絹の生産地としても有名な所。養蚕業と工業と観光が共に発展している我が公爵領でも有数の納税地。つまり、税収も上がって来る書類も他の領地より多いと言う事」
公爵令嬢が納税金額を把握している辺りが既に深窓の令嬢らしくないのだが、まぁそれは良い。
「つまりね。出して来る書類が多い癖に不備が多いなんてどういう了見かと言う事よ。それに、来ている書類の多くが別邸を建てる伺いだったり、軍部の調整だったり。無駄に計算ミスのある報告書だったり。此方から三年前より提案している商業用の大きな道の建設の話だって頓挫しているようだし。一番は半年前の嵐の災害に対する助成金等の要望も免税の伺いもないと言う事よ。お父様もお兄様も今まで何も言わなかったのかしら」
怒ったように私が言えばセバスは困ったように眉根を寄せる。
「すみません。エリス様。エドワード様は不備の書類を見つけると『これ返しておいて』と書類を寄越され『不備があると書類が片付いて良いな』と話され、公共事業の事も『彼方が必要ないって寄越さないんならいいじゃないのかな?お金が浮くし、その分福祉にでも回しておいてよ』て言っておりまして……」
「馬鹿か……」
思わず本音が漏れてしまった。
確かに福祉は大事だよ。
けど、それだって税収があるから回せるお金。
根本的な所を改善していなければ民が皆破産してしまう。
「私はね。やらなきゃいけないことをしない怠慢ややらなくても良い無駄が嫌いなの。調度品にしてもそう。必要な物だから目を瞑って高い買い物しているけど、公共事業って必要なものじゃないの?お金が浮くとかどうかの問題じゃないよね。今は回っている経済も、こんな事していたら破綻するよ。これだからお兄様は昼行灯なんて言われるのよ。それこそ催促する位じゃなきゃ」
社畜なめんな。
そう思って必要な書類を鞄にしまう。
「それに、これは時間の無駄でしょう?一番上等な客室に一台100万のベッドを購入した時より何より時間の無駄が一番嫌いなの。こんな報告書さえまともに書けないのか!!」
近くにあったラクト伯爵から提出された書類を取り、そうセバスに力説してやった。
別に客室の内装費用が思ったよりお高かった事への鬱憤ではない。
それに、今セバスに見せたのは三ヶ月前の税収に関する報告書だ。
本来なら翌月には完遂していなければいけない書類が未だに不整備なのだ。
「もしや、私が女だならと侮っている?」
何せ毎日返却している書類に、何故か毎日のように入っているラクト伯爵からの書類。
それも、何ヵ月も前の書類が自転車操業のように来ては返品来ては返品の繰り返し。
最近では嫌がらせかと思っていた位だ。
「女に現を抜かしているアホに多少の灸を据えるのも良いでしょう。セバス準備を」
そして、私は憤る心のままエドの格好をすると馬に跨がった。
馬に乗れるようになったのはルドルフ様の毎週の襲来の副産物でもある。
はっきり言って遠出とかに相乗りしたくなくって頑張って覚えたのだ。
「では行って来るね、セバス。留守を頼むよ」
決してルドルフ様とのやり取りで気持ちが落ち着かないからではない事だけは申し添えておこう。
そして、私は軽く馬の腹を蹴ったのだった。
「親愛なるエリスへ
ルドルフとの婚約の件は本当にごめんなさい。
二人の気持ちを確認しないで婚約を押し進めてしまった私がいけないのね。
確かにルドルフは婚約事態に拒否があったからエリスに対して酷い態度をとったのでしょうが、それでも婚約者になった女性に対してやって良い態度ではなかったと私も思うの。
初顔合わせの後でルドルフが言っていた事も侍女達から噂話で聞いたけど、あまりにも酷い内容に姉として信じられなかったのも事実。
本当にエリスには辛い思いをさせてしまって申し訳ないわ。
ごめんなさい。
昨夜王宮に父を呼んで殿下や父と話をして決めたんだけど、今回の婚約は一旦白紙に戻す事にしたの。
エリスのお父様にも宮廷惑うし御用達の魔道具でお伝えして了解は頂いたから安心して。
それにこう言っては何だけど、ルドルフにもエリス以外に気になる人が出来たようだと父が言っていたので婚約を一旦白紙にして考え直すには丁度良かったかもしれないわね。
未だに貴族は政略結婚至上主義だけど、私は恋愛結婚推奨派だから。
二人には打算で一生を決めて欲しくはないのよ。
出来れば、貴女達にも恋愛を経験して欲しいの。
だって、折角神様から頂いた新たな人生ですもの。
あっ、でも、今でも私が貴女の姉である気持ちには変わりはないから、何時でも『お姉様』として貴女を迎え入れる気満々よ。だから、ルドルフと婚約がなくなった今でもエリスには『お姉様』と呼ぶ事を許すわ。
と、言うか、そう呼んで欲しいの。
だからお願い、ルドルフの事をあまり軽蔑しないでね。
あれでも私の可愛い弟なのだから。
道は違ってしまったかもしれないけど、二人の幸せを願っているわ。
最後に、本来ならエリスのご家族から教えるべき内容を、私が手紙で先に知らせる不作法を許して頂戴ね。
でも、私は今でも心は貴女の『お姉様』なのだから、今回だけはそれの免じてくれると嬉しい。
だから、これからも貴女とは姉妹のつもりだから何かあったら遠慮なく相談して欲しいの。
いつでも待ってるわ。
カナリア・ロワ・セクト」
……。
「私……別にルドルフ様の事を軽蔑している訳じゃ……」
自分は悪役令嬢かもしれないって……そんな色眼鏡で見ていたのは確かだ。
「カナリア様は何も悪くないのに……私の方こそごめんなさい。こんなに気を使わせて……」
クシャクシャの手紙を手で伸ばしながら私はカナリア様からの手紙を丁寧に封筒へと戻した。
そうだよね。
折角神様から貰った新しい人生なんだよね。
前世は結構なブラック企業で社畜で過ごしていて恋愛経験もなかったから、正直私なんかに正しい恋愛が出来るとは思えないけど、カナリア様がそう言うのだから頑張ってみますか。
「火曜日は午前中早めに行ってカナリア様とお話しよう」
だって、カナリア様と共にこのゲームの破滅フラグを叩き潰すって決めたのだから。
それと、領地経営もスパルタで行きますかね。
「セバス」
私は立ち上がると執事のセバスを呼んだ。
「悪いんだけど、私はこれから少し忙しくなるから、その前にラクト卿の所へ行って来るわ」
ラクト卿とはラクト伯爵で、私の公爵領の東側の領地を管轄している貴族だ。
ルドルフ様の公爵領との境目でもある。
確か二年前位に世代交代した後から色々と問題が起きている所だ。
「色々過去の書類を見ていたんだけど、ここ二年程治水工事とか環境整備とか公共事業をやっていないようだし、あそこから来る書類は二度手間三度手間が多くいようなの。本格的に忙しくなる前に、少し指導をして来ます」
そう、書類仕事の一番の無駄が書類不備で返した物をもう一度見る事だ。
不備さえなければ一発で終わる仕事が永遠と続くのだ。
それを無駄と言って何が悪い。
それに、火曜日からは王宮に出仕するのだ、改善出来る仕事は改善するに越した事がない。
一度見た書類を『不備』だと何度も返す時間が滅茶苦茶惜しいのだ。
それに、税収はあるのに公共事業が一つもない。
どうなっているのか?
正直言えば民の暮らしの方が心配だ。
カナリア様のお話ではないけど、政治は滞りなく動かしてこその貴族。
公共事業は社会を回す潤滑油と利便性と安全性、全てにおいて大事な事だ。
主人公のセルジュさんの話を聞いたからではないけど、アレンの元で仕事をする前に我が領土内をきちんとしておきたいとも思った。
しかし、私の言葉にセバスは難色を示す。
「しかし、エリス様。ラクト伯爵には正直あまり良い噂が……」
眉間にシワを寄せて私に忠告して来るセバス。
勿論その噂とは女癖が悪いと言う物だ。
今年28歳になる若き伯爵は未だ独身。
社交界でも彼の地位目当てに独身の女達が群がると言う。
そんな彼は執務もこなさず女の尻ばかり追い掛けているというもっぱらの噂だ。
だからこそ公共事業を怠っているのだろう。
「ラクト伯爵の領地は絹の生産地としても有名な所。養蚕業と工業と観光が共に発展している我が公爵領でも有数の納税地。つまり、税収も上がって来る書類も他の領地より多いと言う事」
公爵令嬢が納税金額を把握している辺りが既に深窓の令嬢らしくないのだが、まぁそれは良い。
「つまりね。出して来る書類が多い癖に不備が多いなんてどういう了見かと言う事よ。それに、来ている書類の多くが別邸を建てる伺いだったり、軍部の調整だったり。無駄に計算ミスのある報告書だったり。此方から三年前より提案している商業用の大きな道の建設の話だって頓挫しているようだし。一番は半年前の嵐の災害に対する助成金等の要望も免税の伺いもないと言う事よ。お父様もお兄様も今まで何も言わなかったのかしら」
怒ったように私が言えばセバスは困ったように眉根を寄せる。
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社畜なめんな。
そう思って必要な書類を鞄にしまう。
「それに、これは時間の無駄でしょう?一番上等な客室に一台100万のベッドを購入した時より何より時間の無駄が一番嫌いなの。こんな報告書さえまともに書けないのか!!」
近くにあったラクト伯爵から提出された書類を取り、そうセバスに力説してやった。
別に客室の内装費用が思ったよりお高かった事への鬱憤ではない。
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本来なら翌月には完遂していなければいけない書類が未だに不整備なのだ。
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それも、何ヵ月も前の書類が自転車操業のように来ては返品来ては返品の繰り返し。
最近では嫌がらせかと思っていた位だ。
「女に現を抜かしているアホに多少の灸を据えるのも良いでしょう。セバス準備を」
そして、私は憤る心のままエドの格好をすると馬に跨がった。
馬に乗れるようになったのはルドルフ様の毎週の襲来の副産物でもある。
はっきり言って遠出とかに相乗りしたくなくって頑張って覚えたのだ。
「では行って来るね、セバス。留守を頼むよ」
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