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カナリア殿下とのお食事3カナリア視点
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タラタラと変な汗が流れ落ちる。
それにしても、まさかBLゲームを乙女ゲームもしくはやるドラと思っていたなんて……。
確かに、乙女ゲームならフラグ回避に男装は定石かもしれない。
けど、ここはBLゲーム。
男装は逆効果だろう。
無言でエリスを見ていると
「何かで見た事のあるキャラと一致する方が多くって。ルドルフ様やアレンにお会いした時も頭の中にカット映像が数枚出て来るんですけど。けど、内容がさっぱりで……。カナリア殿下、もし宜しければゲームの内容を教えて頂きたいのですが……」
申し訳なさそうにそう言うエリス。
確かに、奇抜な内容故に色々なその手の雑誌に取り上げられていたし、ビジュアルも高かった為にキャラクター紹介が載ったりもして知名度はあるし内容を少し軽くしたOVAのCMも結構流れていた。
って言うか、アニメは大衆向けに大分ソフトな内容になっていた。
まぁ、アニメに絆されてゲームをやってショックを受けたファンは多かったが……それはこの際良い。
だから、ゲームを知らなくてもキャラクターの絵やアニメを知っていてもなんら不思議ではないのだが。
何処まで話せば良い?
主人公は孤児で、お金のない孤児院を守る為に初っぱなから見ず知らずのおじさんにお尻を掘られているシーンから始まって、挙げ句にストーリーより濡れ場重視の作品だったとか?
それもお金を頂けるならと、いくら孤児院の為とは言えそっちゅう足を開いている主人公なんだよ。
初っぱなのシーンだってその時に現場を目撃したアレンデル殿下とルドルフが「何をしている」と騒いだ事でそのおじさんが逃げてお金が貰えなかった、ヤリ逃げされたと二人に食ってかかり、そんな事をする位なら城で働けとちゃっかりお城での仕事をゲットしちゃう逞しい主人公。
そんで、そんな主人公がお城で金のある貴族の男達と懇ろな関係を築いて行くという大分ハードなBLゲームなんだよ。
それを素面でゲームを知らないエリスに話せと?
私はてっきりこのゲームをやっていた仲間かと思っていましたのに……何でしょう、この裏切られたような気持ちは。
ここは、懇ろの件は話さずに軽いBLゲームとしておきましょう。
何せ、攻略対象と主人公の手の早いこと早いこと。
まぁ、アレンとは既にお付き合いされているのですからそこはご納得でしょうけどね。
そう言えば、いつから二人はお付き合いしているのかしら?
アレンからはそんな素振りは見えなかったのに。
そう思いエリスを見ると、動かす右腕に見慣れた腕時計を見つけた。
「エリス。その腕に着けている物って……」
「あっ、これですか」
エリスは右腕を軽く上げてそっと腕時計をなぞった。
「実は、来週新しい腕時計をアレンが贈ってくれるまで私達の腕時計を交換しようって言われて……でも、アレンの腕時計をしていると(高価な物過ぎて)落ち着かなくって……正直早く(この装飾華美な腕時計を返して)新しい腕時計が来ないかと思っているんですよ」
そう言ってはにかむエリス。
アレンデルが何時もしていたその時計は、昨年私達が婚姻した時に陛下が私達夫婦に贈られた腕時計と一緒に誂えた物だ。
『お前にも良い伴侶が出来、共に時を刻めるように』
と渡された逸品だ。
値段だってそれ一個で王都に庭付きの豪邸が建つ程の品物だ。
それをエリスに預けて、尚且つエリスの為に新しい腕時計を贈るですって。
それに、腕時計の本体は我が国ではまだ作られていない。
最低でも受注してから半年はかかる代物。
つまり、私がルドルフと婚約させる前から作らせていたと言う事になる。
何で気付かなかったのか……ここまで変なフラグを立てないように頑張っていた来たのに。
それに、そんな内容ゲームで出て来なかったのに……。
これも全て私がストーリーにない事をした弊害なのかしら……。
それにしても、まさかBLゲームを乙女ゲームもしくはやるドラと思っていたなんて……。
確かに、乙女ゲームならフラグ回避に男装は定石かもしれない。
けど、ここはBLゲーム。
男装は逆効果だろう。
無言でエリスを見ていると
「何かで見た事のあるキャラと一致する方が多くって。ルドルフ様やアレンにお会いした時も頭の中にカット映像が数枚出て来るんですけど。けど、内容がさっぱりで……。カナリア殿下、もし宜しければゲームの内容を教えて頂きたいのですが……」
申し訳なさそうにそう言うエリス。
確かに、奇抜な内容故に色々なその手の雑誌に取り上げられていたし、ビジュアルも高かった為にキャラクター紹介が載ったりもして知名度はあるし内容を少し軽くしたOVAのCMも結構流れていた。
って言うか、アニメは大衆向けに大分ソフトな内容になっていた。
まぁ、アニメに絆されてゲームをやってショックを受けたファンは多かったが……それはこの際良い。
だから、ゲームを知らなくてもキャラクターの絵やアニメを知っていてもなんら不思議ではないのだが。
何処まで話せば良い?
主人公は孤児で、お金のない孤児院を守る為に初っぱなから見ず知らずのおじさんにお尻を掘られているシーンから始まって、挙げ句にストーリーより濡れ場重視の作品だったとか?
それもお金を頂けるならと、いくら孤児院の為とは言えそっちゅう足を開いている主人公なんだよ。
初っぱなのシーンだってその時に現場を目撃したアレンデル殿下とルドルフが「何をしている」と騒いだ事でそのおじさんが逃げてお金が貰えなかった、ヤリ逃げされたと二人に食ってかかり、そんな事をする位なら城で働けとちゃっかりお城での仕事をゲットしちゃう逞しい主人公。
そんで、そんな主人公がお城で金のある貴族の男達と懇ろな関係を築いて行くという大分ハードなBLゲームなんだよ。
それを素面でゲームを知らないエリスに話せと?
私はてっきりこのゲームをやっていた仲間かと思っていましたのに……何でしょう、この裏切られたような気持ちは。
ここは、懇ろの件は話さずに軽いBLゲームとしておきましょう。
何せ、攻略対象と主人公の手の早いこと早いこと。
まぁ、アレンとは既にお付き合いされているのですからそこはご納得でしょうけどね。
そう言えば、いつから二人はお付き合いしているのかしら?
アレンからはそんな素振りは見えなかったのに。
そう思いエリスを見ると、動かす右腕に見慣れた腕時計を見つけた。
「エリス。その腕に着けている物って……」
「あっ、これですか」
エリスは右腕を軽く上げてそっと腕時計をなぞった。
「実は、来週新しい腕時計をアレンが贈ってくれるまで私達の腕時計を交換しようって言われて……でも、アレンの腕時計をしていると(高価な物過ぎて)落ち着かなくって……正直早く(この装飾華美な腕時計を返して)新しい腕時計が来ないかと思っているんですよ」
そう言ってはにかむエリス。
アレンデルが何時もしていたその時計は、昨年私達が婚姻した時に陛下が私達夫婦に贈られた腕時計と一緒に誂えた物だ。
『お前にも良い伴侶が出来、共に時を刻めるように』
と渡された逸品だ。
値段だってそれ一個で王都に庭付きの豪邸が建つ程の品物だ。
それをエリスに預けて、尚且つエリスの為に新しい腕時計を贈るですって。
それに、腕時計の本体は我が国ではまだ作られていない。
最低でも受注してから半年はかかる代物。
つまり、私がルドルフと婚約させる前から作らせていたと言う事になる。
何で気付かなかったのか……ここまで変なフラグを立てないように頑張っていた来たのに。
それに、そんな内容ゲームで出て来なかったのに……。
これも全て私がストーリーにない事をした弊害なのかしら……。
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