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と、ある侍女視点3
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アレンデル殿下に朝食を頼まれた時に、食事の時にもし退出する事になったら一時間置いてから食器を下げに来て欲しいと頼まれていた。
勿論、取り込んでいるからノックなしでそっと下げるようにと言い含められている。
そろそろ食器をお下げしようとお部屋へ数名の侍女と共に言われた通りにそっと室内に入る。
すると、既に食事は終わった様子でローテーブルの方でお茶をているお二人を発見。
勿論、我々を背にする形で窓の方を見て座るお二人からは我々は見えていないご様子。
何やら真剣賓客の接待時のお話をされている。
殿下からは声を掛けずに食器を下げるよう言われているので、お二人に気付かれないよう細心の注意を注ぎながら食器を片付けた。
つまり、アレンデル殿下からひ空気と化せと言われているのだ。
音を立てずにテーブルに並べられた食器を丁寧に片付ける。
勿論耳は主人達の動向を探る為にダンボのようになっている。
決して興味本位で聞き耳を立てているのではない。
あくまでも職務の一環なのだ。
最初、仕事の手順などの話をしていたお二人だが、アレンデル殿下が突如立ち上がり告白を始めたのには驚いた。
そして、衝撃の事実。
なんと、アレンデル殿下の思い人はルドルフ様の婚約者になられたエリス様だったのだ。
だって、ご自分で「エリス」とお名前を名乗られたのだから間違いない。
それに、数ヶ月前に外交へ出られる前にアレンデル殿下にご挨拶にいらっしゃった兄君になられるエドワード様とそっくりな色合いのお髪と瞳。
間違いようがございません。
二人の禁断の愛の為に男装してまで会いに来るとは、エリス様の乙女心に深く感じいってしまいました。
やはり、恋する乙女は強いのです。
ただ、ルドルフ様とエリス様の婚約が成り立ったのは何やらカナリア殿下の口利きだそうなのですが、ルドルフ様は婚約が決まって顔合わせをされた後から事あるごとに婚約者になられたエリス様の不満を漏らしていたのです。
勿論、カナリア殿下もその話は侍女を通して聞いているご様子で、とても心配されておられました。
その内容は
やれ暗い印象の女だ
やれ可愛い気も愛想もない女だ
やれ人の話を聞かない女だ
やれコミュニケーション能力が低い女だ
等、この婚約に不満しかない事を印象付ける内容だった。
故に、我々侍女一同は影ながらアレンデル殿下とエリス様お二人の愛を支持させて頂きます。
そして、男装麗人万歳ですわ。
なにより、昨夜の夜会前のルドルフ様のゲス発言の為に我々侍女達からの印象はダダ下がり。
既に人気は底辺と言っても良いのです。
カナリア殿下もお二人の純愛をお知りになったらきっと支持して下さる事でしょう。
何より、婚約者の悪口を言われる愛のない結婚より断然良いと思いますの。
きっと、以前からお二人はお付き合いされていたのに、何も知らないカナリア殿下が弟君の婚約者にしてしまったのだろう。
アレンデル殿下もかの国の王女との婚姻話があった事や、ここ数年何故か男色家との噂を自ら流していた事を鑑みても、王女との婚約話を白紙に戻しエリス様との婚約を望んでいたのだと
思われる。
勿論、王女とは一度もお会いした事がない程の政略結婚ですから、私達侍女としましてもアレンデル殿下のお気持ち痛いほど理解出来ます。
だって、こんなに見目麗しい方なのですから。
本当にルドルフ様はエリス様の何を見ているのやら。
カナリア殿下と血が繋がっているなんて本当に想像も出来ませんわ。
そして、抱き合うお二人に気付かれないようにそっと部屋を退出しようと思いましたが、流石は我等の主君にはバレていたご様子。
チラリと我々の方を見ると笑顔で見送られておりました。
まぁ、その間もお二人は抱き合っていたのですからアレンデル殿下のご機嫌も良いのかと思われました。
なにせ、アレンデル殿下は何時も以上に嬉しそうな微笑みでしたから。
私達、影に日向にお二人を見守り致しますわ。
勿論、取り込んでいるからノックなしでそっと下げるようにと言い含められている。
そろそろ食器をお下げしようとお部屋へ数名の侍女と共に言われた通りにそっと室内に入る。
すると、既に食事は終わった様子でローテーブルの方でお茶をているお二人を発見。
勿論、我々を背にする形で窓の方を見て座るお二人からは我々は見えていないご様子。
何やら真剣賓客の接待時のお話をされている。
殿下からは声を掛けずに食器を下げるよう言われているので、お二人に気付かれないよう細心の注意を注ぎながら食器を片付けた。
つまり、アレンデル殿下からひ空気と化せと言われているのだ。
音を立てずにテーブルに並べられた食器を丁寧に片付ける。
勿論耳は主人達の動向を探る為にダンボのようになっている。
決して興味本位で聞き耳を立てているのではない。
あくまでも職務の一環なのだ。
最初、仕事の手順などの話をしていたお二人だが、アレンデル殿下が突如立ち上がり告白を始めたのには驚いた。
そして、衝撃の事実。
なんと、アレンデル殿下の思い人はルドルフ様の婚約者になられたエリス様だったのだ。
だって、ご自分で「エリス」とお名前を名乗られたのだから間違いない。
それに、数ヶ月前に外交へ出られる前にアレンデル殿下にご挨拶にいらっしゃった兄君になられるエドワード様とそっくりな色合いのお髪と瞳。
間違いようがございません。
二人の禁断の愛の為に男装してまで会いに来るとは、エリス様の乙女心に深く感じいってしまいました。
やはり、恋する乙女は強いのです。
ただ、ルドルフ様とエリス様の婚約が成り立ったのは何やらカナリア殿下の口利きだそうなのですが、ルドルフ様は婚約が決まって顔合わせをされた後から事あるごとに婚約者になられたエリス様の不満を漏らしていたのです。
勿論、カナリア殿下もその話は侍女を通して聞いているご様子で、とても心配されておられました。
その内容は
やれ暗い印象の女だ
やれ可愛い気も愛想もない女だ
やれ人の話を聞かない女だ
やれコミュニケーション能力が低い女だ
等、この婚約に不満しかない事を印象付ける内容だった。
故に、我々侍女一同は影ながらアレンデル殿下とエリス様お二人の愛を支持させて頂きます。
そして、男装麗人万歳ですわ。
なにより、昨夜の夜会前のルドルフ様のゲス発言の為に我々侍女達からの印象はダダ下がり。
既に人気は底辺と言っても良いのです。
カナリア殿下もお二人の純愛をお知りになったらきっと支持して下さる事でしょう。
何より、婚約者の悪口を言われる愛のない結婚より断然良いと思いますの。
きっと、以前からお二人はお付き合いされていたのに、何も知らないカナリア殿下が弟君の婚約者にしてしまったのだろう。
アレンデル殿下もかの国の王女との婚姻話があった事や、ここ数年何故か男色家との噂を自ら流していた事を鑑みても、王女との婚約話を白紙に戻しエリス様との婚約を望んでいたのだと
思われる。
勿論、王女とは一度もお会いした事がない程の政略結婚ですから、私達侍女としましてもアレンデル殿下のお気持ち痛いほど理解出来ます。
だって、こんなに見目麗しい方なのですから。
本当にルドルフ様はエリス様の何を見ているのやら。
カナリア殿下と血が繋がっているなんて本当に想像も出来ませんわ。
そして、抱き合うお二人に気付かれないようにそっと部屋を退出しようと思いましたが、流石は我等の主君にはバレていたご様子。
チラリと我々の方を見ると笑顔で見送られておりました。
まぁ、その間もお二人は抱き合っていたのですからアレンデル殿下のご機嫌も良いのかと思われました。
なにせ、アレンデル殿下は何時も以上に嬉しそうな微笑みでしたから。
私達、影に日向にお二人を見守り致しますわ。
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※30,000字程度で完結します。
(執筆期間:2022/05/03〜05/24)
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
2022/05/30、エタニティブックスにて一位、本当に有難うございます!
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
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○表紙絵は市瀬雪さまに依頼しました。
(作品シェア以外での無断転載など固くお断りします)
○雪さま
(Twitter)https://twitter.com/yukiyukisnow7?s=21
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