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と、ある侍女視点1
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アレンデル殿下の指示で客間で朝食の料理をテーブルの上に並べていると、風呂場の方から美しい少年が現れた。
一言で言えば美少年だ。
アレンデル殿下が正統派美少年なら、彼は可愛らしい美少年だろう。
何はともあれ二人の美少年が並んだ姿は美しいと思う。
「あれ?もしかして、ここで朝食を食べるの?」
少し寝惚けたご様子のその少年はアレンデル殿下に砕けた口調でそう尋ねられた。
彼の者が今朝から噂になっている『昨夜アレンデル殿下と夜会の最中にキスしたエド様』である事は間違いようのない事実だ。
何故なら、二人の間には身分の関係を一切感じさせない親し気な雰囲気があるのだから。
「まさか、愛しいエドの朝の姿を他の者に見せたくはないよ」
そう言ってアレンデル殿下はエドと言われた少年に抱きついた。
やはり噂の『エド様』で間違いないようだ。
アレンデル殿下はエド様をそっと優しく抱き寄せながらチラリと我々の方へ目を細めながら何かを言いたそうに見られる。
一瞬でゾワリとした我々は急いで食事の準備を開始した。
全てを並べて終わると給仕担当でない侍女達がいそいそと退出して行った。
顔まで赤らめて「失礼しました」と去って行く侍女達。
「ほら、早くご飯を食べよう」
と言いながら椅子に近付くアレンデル殿下。
素早く椅子を引きお待ちする。
アレンデル殿下はそっと椅子に座るとエド様の方を見て「早く座って」と無邪気に声をかけられた。
しかし、エド様は困ったような顔になる。
「すみません。カナリア様と朝食の約束をしてしまいまして……」
と、何気に爆弾発言をさせる。
まさかあの王太子妃殿下と朝食のお約束を……。
それは、つまりカナリア殿下の『お気に入り』発言と同意語。
すると、アレンデル殿下が楽しそうに微笑まれたと思うと
「あぁ、エドは知らないんだね。王家主催の夜会は大体明け方までやるから午前中は殆ど寝ているよ。だから朝食とは普通に考えると昼食の時間になるんだ」
と、ご丁寧に王族の常識を教えて差し上げるアレンデル殿下。
「そうなんですか」
何かを納得されたエド様は、何故かアレンデル殿下を気遣われる様子で顔を覗かれる。
「アレンデル殿下、昨夜は遅かったのですから少しは休んで下さい」
と、優しくお声をかけられた。
昨夜は遅かったから?
「大丈夫。私は若いから多少の無理はききますよ」
笑顔で対応されるアレンデル殿下。
けど、若いから多少の無理はききますよって何ですかねぇ?
「しかし、あれほど激しく動かれたのですから……」
そう言ってアレンデル殿下の手を取った。
何ですか、その意味深なセリフは!!
あれほど……何?
激しく動くって何?
そして、その手は何?
ちょっと我々では想像も出来ませんが?
そんな想像……いや、妄想をしているとアレンデル殿下が我々の方を見て仮面のようなスマイルを張り付ける。
「申し訳ないけど二人でゆっくりと食事をしたいから呼ぶまで下がっててくれる?」
とお願いのような命令を下された。
怖い、怖いよ~。
一言で言えば美少年だ。
アレンデル殿下が正統派美少年なら、彼は可愛らしい美少年だろう。
何はともあれ二人の美少年が並んだ姿は美しいと思う。
「あれ?もしかして、ここで朝食を食べるの?」
少し寝惚けたご様子のその少年はアレンデル殿下に砕けた口調でそう尋ねられた。
彼の者が今朝から噂になっている『昨夜アレンデル殿下と夜会の最中にキスしたエド様』である事は間違いようのない事実だ。
何故なら、二人の間には身分の関係を一切感じさせない親し気な雰囲気があるのだから。
「まさか、愛しいエドの朝の姿を他の者に見せたくはないよ」
そう言ってアレンデル殿下はエドと言われた少年に抱きついた。
やはり噂の『エド様』で間違いないようだ。
アレンデル殿下はエド様をそっと優しく抱き寄せながらチラリと我々の方へ目を細めながら何かを言いたそうに見られる。
一瞬でゾワリとした我々は急いで食事の準備を開始した。
全てを並べて終わると給仕担当でない侍女達がいそいそと退出して行った。
顔まで赤らめて「失礼しました」と去って行く侍女達。
「ほら、早くご飯を食べよう」
と言いながら椅子に近付くアレンデル殿下。
素早く椅子を引きお待ちする。
アレンデル殿下はそっと椅子に座るとエド様の方を見て「早く座って」と無邪気に声をかけられた。
しかし、エド様は困ったような顔になる。
「すみません。カナリア様と朝食の約束をしてしまいまして……」
と、何気に爆弾発言をさせる。
まさかあの王太子妃殿下と朝食のお約束を……。
それは、つまりカナリア殿下の『お気に入り』発言と同意語。
すると、アレンデル殿下が楽しそうに微笑まれたと思うと
「あぁ、エドは知らないんだね。王家主催の夜会は大体明け方までやるから午前中は殆ど寝ているよ。だから朝食とは普通に考えると昼食の時間になるんだ」
と、ご丁寧に王族の常識を教えて差し上げるアレンデル殿下。
「そうなんですか」
何かを納得されたエド様は、何故かアレンデル殿下を気遣われる様子で顔を覗かれる。
「アレンデル殿下、昨夜は遅かったのですから少しは休んで下さい」
と、優しくお声をかけられた。
昨夜は遅かったから?
「大丈夫。私は若いから多少の無理はききますよ」
笑顔で対応されるアレンデル殿下。
けど、若いから多少の無理はききますよって何ですかねぇ?
「しかし、あれほど激しく動かれたのですから……」
そう言ってアレンデル殿下の手を取った。
何ですか、その意味深なセリフは!!
あれほど……何?
激しく動くって何?
そして、その手は何?
ちょっと我々では想像も出来ませんが?
そんな想像……いや、妄想をしているとアレンデル殿下が我々の方を見て仮面のようなスマイルを張り付ける。
「申し訳ないけど二人でゆっくりと食事をしたいから呼ぶまで下がっててくれる?」
とお願いのような命令を下された。
怖い、怖いよ~。
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