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ミランダさんとルドルフ様は楽しそうにダンスを披露する。
勿論見た目は美男美女だから貴族達はまるで美しい物を愛でるように二人の事を見ていた。
曲調からしてワルツのはずなのが、私の記憶が確かなら二人が踊っているのはどう見てもジャイブ。
あの激しいダンスを今や二曲ぶっ通しで踊っている。
確かにミランダさんには女の幸せを堪能させて上げたいと思った。
でも、今二人は三曲目に突入しようとしている。
挙げ句、先程も言ったように美男美女なだけに二人を見ているギャラリーは多い。
あの二人が社交の場で男女が三曲続けて踊る意味を分からないはずがない。
本当は男同士なんだけど、回りの貴族達はそうは思わないだろう。
「アレンデル殿下。ちょっとこれは不味いですよね」
袖を引きそう声を掛けるとアレンデル殿下は「ふむ」と顎をしゃくった。
すると、三曲目に突入してしまう。
何とか三曲目が終わる前に二人のダンスを止めねば。
「では、二人の注意を我々が引こうかな」
楽しそうに思案しているアレンデル殿下は焦る私の手を引いた。
アレンデル殿下は二人が踊る隣に滑り込むように入ると、そのままの流れで私とダンスを始める。
アレンデル殿下のリードでスムーズに導かれる私。
『やっぱりアレンデル殿下とのダンスは踊りやすい』
改めてそう思ってしまった。
すると、隣を踊っていたミランダさんとルドルフ様が私達に気付き、あの激しいダンスがゆっくりとなる。
「フフフ。二人とも気付いたようだね」
楽しそうにそう言うアレンデル殿下。
でも、それでも二人はダンスを止めない。
「エド、取り敢えず先に謝っておくね。『ごめん』」
アレンデル殿下は満面の笑顔でそう言うと、私の顔に自身の顔を近付けて来た。
何をするのだろう?と思っていると、アレンデル殿下の柔らかな唇が私のそれに押し当てられていたのだ。
『えっ!なっ何?』
「「何をしてくれてんですか?」」
そして、ダンスを止めた二人の声がハモり私達を引き離した。
辺りは一面悲鳴の海と化した。
そりゃあ、夜会で事もあろうにダンスの最中接吻をする人はいないだろう。
ってか、
「私のファーストキッスがーーーー!!」
そして、私の絶叫と共に観衆の視線を一身に集めたのであった。
そして、それが引き金となったのか第二王子殿下ことアレンデル殿下が男色家として各国まで名を馳せると共に、かの国との縁談は見事に白紙になってしまったのだった。
って言うか、マジに私のファーストキスどうしてくれるんだ!!
勿論見た目は美男美女だから貴族達はまるで美しい物を愛でるように二人の事を見ていた。
曲調からしてワルツのはずなのが、私の記憶が確かなら二人が踊っているのはどう見てもジャイブ。
あの激しいダンスを今や二曲ぶっ通しで踊っている。
確かにミランダさんには女の幸せを堪能させて上げたいと思った。
でも、今二人は三曲目に突入しようとしている。
挙げ句、先程も言ったように美男美女なだけに二人を見ているギャラリーは多い。
あの二人が社交の場で男女が三曲続けて踊る意味を分からないはずがない。
本当は男同士なんだけど、回りの貴族達はそうは思わないだろう。
「アレンデル殿下。ちょっとこれは不味いですよね」
袖を引きそう声を掛けるとアレンデル殿下は「ふむ」と顎をしゃくった。
すると、三曲目に突入してしまう。
何とか三曲目が終わる前に二人のダンスを止めねば。
「では、二人の注意を我々が引こうかな」
楽しそうに思案しているアレンデル殿下は焦る私の手を引いた。
アレンデル殿下は二人が踊る隣に滑り込むように入ると、そのままの流れで私とダンスを始める。
アレンデル殿下のリードでスムーズに導かれる私。
『やっぱりアレンデル殿下とのダンスは踊りやすい』
改めてそう思ってしまった。
すると、隣を踊っていたミランダさんとルドルフ様が私達に気付き、あの激しいダンスがゆっくりとなる。
「フフフ。二人とも気付いたようだね」
楽しそうにそう言うアレンデル殿下。
でも、それでも二人はダンスを止めない。
「エド、取り敢えず先に謝っておくね。『ごめん』」
アレンデル殿下は満面の笑顔でそう言うと、私の顔に自身の顔を近付けて来た。
何をするのだろう?と思っていると、アレンデル殿下の柔らかな唇が私のそれに押し当てられていたのだ。
『えっ!なっ何?』
「「何をしてくれてんですか?」」
そして、ダンスを止めた二人の声がハモり私達を引き離した。
辺りは一面悲鳴の海と化した。
そりゃあ、夜会で事もあろうにダンスの最中接吻をする人はいないだろう。
ってか、
「私のファーストキッスがーーーー!!」
そして、私の絶叫と共に観衆の視線を一身に集めたのであった。
そして、それが引き金となったのか第二王子殿下ことアレンデル殿下が男色家として各国まで名を馳せると共に、かの国との縁談は見事に白紙になってしまったのだった。
って言うか、マジに私のファーストキスどうしてくれるんだ!!
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