きっと私は悪役令嬢

麻生空

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「どのような事でしょうか?」

何となくだけど嫌な予感しかしない。

「ファーストダンスを踊ったら、僕は第二王子殿下の補佐に行かなければならない。悪いが一人で夜会を楽しんでいて欲しいんだ」

やっぱりかー。

そうだと思ったんだよなぁ。

「分かりました。ファーストダンス。宜しくお願い致します」

そう言ってお辞儀をすると気を良くするルドルフ様。

「でしたら、私もルドルフ様に先に言っておかなければならない事が」

まさか、お兄様もいない時に夜会に行く事になるとは思わなかったんだよね。

それも、王宮は初参加だし。

「なに?」

一瞬眉間に皺が寄ったよこの男。

「実は私は王宮の夜会に参加するのが初めてですので、勝手が分かりません。故に、誰か紹介して頂きたいのですが」

多分、仲の良い友人達は来ていないだろう。
流石にすぐにエドワードななる訳にもいかないし。
もしかしたら何か情報が入るかもしれない。

そう目星を着けてお願いしているのだけど。

『ゲッ、あからさまに嫌な顔しているし』

「では、会場で知り合いがいるかどうか見て見ましょう」
ルドルフ様は直ぐに取り澄ましたように返事をする。
「ありがとうございます」

何せ、私の親戚は結構外交に出ている方が多いので、知り合いに会う率が低いんだよね。

そう思ってお願いしたんだけど……。

『はぁ……』



ーーーーーーー

ちょっとだけルドルフ視点


何か調子が狂う。

きっと、この前エリスの部屋に泊まったせいだ。

あの時のスケッチブックとか布団の匂いとか色々な情報が僕の思考を乱していた。

それに、何となく心がモヤモヤする。
それも、今日エリスを初めて見た時からだ。

ついでに言えば、何故かエドと話している感覚になる時があるのだ。

それに、夜会用の装いのせいか今日は可愛く見えるし……これが話に聞く孫にも衣装というやつだろうか?

謎だ。

それに何故か動悸がする。

直視出来ない。

それに、熱があるようにも感じる。

可笑しい。

もしや風邪か?

これは早めに殿下と合流して対策を練らねば。
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