きっと私は悪役令嬢

麻生空

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ルドルフ視点4

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前回書庫で本を読んでいる時に、夢中になっているエドに「馬に乗りますか?」と聞いてみたら。
「乗せて貰った事はあるけど……自分では乗れません」
と返答を頂いていた。

「じゃあ、今度馬に乗せて上げるからピクニックへ行こう」

と誘うと
「ピクニックは好きです」
と素直な返答。

これで言質は取った。

後ろで控える侍女に「来週晴れると良いですね」と笑顔で言っておけば仕込みはOK。

そして、待望の本日になったのだ。

侍女が居なければもっと違う事を聞いていたんだが、
主に好きなヤツとか。
好みのタイプとか。
男も恋愛対象なのか?とか。

流石に侍女の目の前では聞けなかった。

まぁ、それは良いとして。

前回間接キスをしたのだから、今日は更に深い仲になりたいと意気込んで迎えた今日。

天気は快晴。

昼食の準備も万端。

出だしで思わぬアクシデントがあったが、それを凌駕する出来事があったから良しとしよう。

馬上ではエドと密接に抱き込んだし。

何より今日は1日中二人っきりなのだ。

更に親密になろう。

そして、その機会は直ぐに訪れる。
目的地に着くと半泣き状態のエド。

「うぇえええん。怖かったよ……ルディ」

と抱き付いて来た。

なんて美味しいのだろう。
役得とはまさにこの事だ。

半泣き状態のエドは僕の胸にすがり付いて仕切りに頭をグリグリと胸に押し付けてくる。

可愛い。

もうこのまま頂いても良いでしょうか?

理性を総動員しながらエドの背中に手を回して一時の幸せを噛み締める。

「何か硬い……」

グリグリしていたエドの顔があろう事か僕の下っ腹の辺りをグリグリしていた。

「あぁ。そうか、お馬さんに乗っていたから刺激されたんだね」

いや違う。
貴方エドに刺激されたからだよ。

「男の人って大変だよね。お馬に乗る度に刺激されちゃっうから騎馬隊の人達って何時も臨戦態勢なんだよね」

そりゃ、戦争中だったら兵士は皆臨戦態勢だけど、皆あそこがお空を向いていたら痛くって馬を走らせられないだろうし、戦争どころじゃないと思うんだ。

マジにそんな突っ込みを心中で入れていると、何とか理性が勝ち僕の息子も落ち着いて来た。

エドは泣き疲れたのかそのまま寝てしまうし。
あぁ、エドの睫毛長いな~。
肌も色白だし、吸い付くような柔肌だ。

「本当にこのまま頂きたいな……」

そっと顔を近付けて、エドの涙を吸う。

婚約者には何も思わなかったけど、彼を手に入れる手段には丁度良いのかもしれない。

三人の姉を持った僕はもう女性と言う生き物に幻滅していた。

きっと、この先も女性を好きになる事はないと自負している。

「この恋心に君が気付いたなら、君は僕に幻滅するのだろうか?」

姉達を見ていた僕が女性に幻滅したように……。

願わくば、今かいなに抱く君が僕を見てくれる事を切に……。


そして、眠る君に口付けを……

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