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ルドルフ視点1
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僕はルドルフ・ハイン
ハイン公爵家の嫡男で第二王子の側近をしている。
何故第二王子の側近かと言うと、姉が王太子の妃になった為に、政治的パワーバランスを取る為父の計らいで第二王子付きになった訳だ。
決して第二王子に好意が有るわけではない。
側近には第二王子と歳が近い有能な四人の貴族が選ばれており、王宮内ではその容姿と家柄から『麗しの薔薇の君達』と言う恥ずかしい名前で呼ばれていた。
普段着ている服の色から一人一人○○の薔薇の君と呼ばれており、僕は紫の服を着る事が多い事から『紫の薔薇の君』と呼ばれている。
多分、普段着ている服の色に因んでなのだろうが、もし違う色の服を着たらどうなのか?そう思い違う色の服を着て王宮へ行こうとすると何故かハプニングが起こり結局紫の服を着て行く事になる。
不思議な事だ。
故に、それからは紫の服だけを着るようになった。
因みに、第二王子は白薔薇の君と呼ばれている。
まぁ、他のメンバーは追々と。
話は戻るが、先日なかなか結婚相手を見つけない私に業を煮やした父が勝手に婚約者を決めてしまった。
正直に言うと女と言う生き物は好きではない。
上に三人の姉がいて誰がどれだけ条件の良い男と結婚するのかと競う姿を見ていただけに女の浅ましさと言う物を嫌と言う位見てしまった。
そんな三人の姉も一番下の姉が王太子と結婚した事でその争いに終止符を打ったのだが。
王太子妃となった姉を持つ我が家にはそれからと言うもの縁談が嵐のようにやって来る始末。
上の姉達はその釣書の中から厳選された所へと嫁いで行った。
どれも王太子妃の姉妹に見合うだけの肩書きだった。
お陰で今は姉達が居なくなったお陰でゆっくりと過ごしていたはずなのに、世間はそんな僕をほってはおかないらしい。
もともと女嫌いになった理由は何も姉達のせいばかりではない。
例えば、夜会で少し親切にすると何を勘違いしたのかやたらとベタベタ付きまとったり、次々と要求を増やして行く奇っ怪な生き物が女と言う物だ。
挙げ句、臭い香水の匂いをプンプン漂わせてやたらと人の体にすり寄って来る未知の生き物でもある。
差し障りなく対応していると酷い時には「これが欲しいの」と僕の身に付けている物に物色紛いの事をして来る。
はっきり言えば身ぐるみ剥がされる勢いだ。
なんとおぞましい生き物か。
故に、僕は女には一切興味がない。
例えそれが婚約者だとしても……だ。
ーーーーーーー
その日、僕は婚約者としての責務を果たすべく父が用意した婚約者の家に二度目の訪問をしていた。
はっきり言えば初顔合わせは最悪だった。
人の話は聞かないし、返事もままならない最低な女だった。
金の髪をフワフワさせているが、どうやら頭の中もフワフワしていてバカそうな女だった。
瞳もグリーンとまるで芝生のようで、とても見ていて良い気がしない。
こんなのが僕の婚約者?
頭に来たので初顔合わせは紅茶一杯の30分程で帰って来た。
今日もそれで良いだろうと決意して来たのだが……。
「こんにちは、ルドルフ様」
そう言って応接室へ入って来たのは見たこともない美少年だった。
金のフワフワの短い髪。
エメラルド色の綺麗な瞳。
小柄なその体躯。
確か、エリスの兄は私と同じ歳の20歳だったはず。
こんなに美しい生き物が僕と同じ歳なのか?
何故、神はもっと早く彼と会わせてくれなかったのか。
そんな思いが僕の心を支配した。
ハイン公爵家の嫡男で第二王子の側近をしている。
何故第二王子の側近かと言うと、姉が王太子の妃になった為に、政治的パワーバランスを取る為父の計らいで第二王子付きになった訳だ。
決して第二王子に好意が有るわけではない。
側近には第二王子と歳が近い有能な四人の貴族が選ばれており、王宮内ではその容姿と家柄から『麗しの薔薇の君達』と言う恥ずかしい名前で呼ばれていた。
普段着ている服の色から一人一人○○の薔薇の君と呼ばれており、僕は紫の服を着る事が多い事から『紫の薔薇の君』と呼ばれている。
多分、普段着ている服の色に因んでなのだろうが、もし違う色の服を着たらどうなのか?そう思い違う色の服を着て王宮へ行こうとすると何故かハプニングが起こり結局紫の服を着て行く事になる。
不思議な事だ。
故に、それからは紫の服だけを着るようになった。
因みに、第二王子は白薔薇の君と呼ばれている。
まぁ、他のメンバーは追々と。
話は戻るが、先日なかなか結婚相手を見つけない私に業を煮やした父が勝手に婚約者を決めてしまった。
正直に言うと女と言う生き物は好きではない。
上に三人の姉がいて誰がどれだけ条件の良い男と結婚するのかと競う姿を見ていただけに女の浅ましさと言う物を嫌と言う位見てしまった。
そんな三人の姉も一番下の姉が王太子と結婚した事でその争いに終止符を打ったのだが。
王太子妃となった姉を持つ我が家にはそれからと言うもの縁談が嵐のようにやって来る始末。
上の姉達はその釣書の中から厳選された所へと嫁いで行った。
どれも王太子妃の姉妹に見合うだけの肩書きだった。
お陰で今は姉達が居なくなったお陰でゆっくりと過ごしていたはずなのに、世間はそんな僕をほってはおかないらしい。
もともと女嫌いになった理由は何も姉達のせいばかりではない。
例えば、夜会で少し親切にすると何を勘違いしたのかやたらとベタベタ付きまとったり、次々と要求を増やして行く奇っ怪な生き物が女と言う物だ。
挙げ句、臭い香水の匂いをプンプン漂わせてやたらと人の体にすり寄って来る未知の生き物でもある。
差し障りなく対応していると酷い時には「これが欲しいの」と僕の身に付けている物に物色紛いの事をして来る。
はっきり言えば身ぐるみ剥がされる勢いだ。
なんとおぞましい生き物か。
故に、僕は女には一切興味がない。
例えそれが婚約者だとしても……だ。
ーーーーーーー
その日、僕は婚約者としての責務を果たすべく父が用意した婚約者の家に二度目の訪問をしていた。
はっきり言えば初顔合わせは最悪だった。
人の話は聞かないし、返事もままならない最低な女だった。
金の髪をフワフワさせているが、どうやら頭の中もフワフワしていてバカそうな女だった。
瞳もグリーンとまるで芝生のようで、とても見ていて良い気がしない。
こんなのが僕の婚約者?
頭に来たので初顔合わせは紅茶一杯の30分程で帰って来た。
今日もそれで良いだろうと決意して来たのだが……。
「こんにちは、ルドルフ様」
そう言って応接室へ入って来たのは見たこともない美少年だった。
金のフワフワの短い髪。
エメラルド色の綺麗な瞳。
小柄なその体躯。
確か、エリスの兄は私と同じ歳の20歳だったはず。
こんなに美しい生き物が僕と同じ歳なのか?
何故、神はもっと早く彼と会わせてくれなかったのか。
そんな思いが僕の心を支配した。
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