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「言いたいことが3つ。
1つ目は、私はミリーさんに嫉妬したことはないです。嫉妬の理由としてあなたへの愛を挙げたようですが、それもないです。政略結婚とはいえできるだけ仲良くできるようにと努力したこともありましたが、あなたは私をみると顔を歪め罵倒するばかりでしたので、8年で多少の情も枯れ果てています。だから私はあなたを愛していると言うことはありません。故に嫉妬からミリーさんを虐めるなどということはありません。
2つ目、ミリーさんは怪我をされたということでしたね。特にどこかを痛めている様子はないようですが。また、私が怪我をさせたと言いたいようですが、私はミリーさんに近づいたことはありません。学園では私はいつも友人と共におりましたので彼女が証言をしてくださると思います。友人では証人にならないというのなら、彼女の家に問い合わせてくださって構いません。彼女が怪我をした日、私に虐められたと言う日に私がどこにいたかをどうぞ調べてくださって構いません。私は彼女を虐めたりしてはいません。取り巻きを使って虐めさせたなどということもありません。私の家は侯爵家ですが取り巻きなどはいないということを学園も承知しているでしょうから、何かしら証言いただけると思います。
3つ、最後にですが、エルヴェ様。あなたは本当に婚約破棄を告げる場がここで良かったのですか?相手に瑕疵があったとしても婚約解消や破棄はどちらかの家で密かに行われるものです。このような人前、しかも王家主催のパーティですよ?国外の方もいらっしゃっているのに、このような問題事を起こしては、私達のどちらの家も多少面倒なことになるでしょう。まぁ、責任はアレオン公爵家が取ることになるとは思いますが。それを分かってこの場で婚約破棄を言い出したのですか?ミリーさんに泣きつかれたから勢いで…などというわけではないでしょうね?
…私が言いたいことは以上です。婚約破棄は受け入れます。後日書類を作成しましょう。では」
頭を下げて、顔を上げた時には何が起こっているのか分からないという顔をしていたエルヴェ様がガタガタと震えていた。自分のしたことに気づいて後悔している、というわけではないだろう。
「…黙って聞いていれば戯言をペラペラと…!お前はただ俺たちに謝罪をすればいいんだ!」
地面を蹴って私に向かってくるエルヴェ様。胸ぐらでも掴むつもりだろうか。さらに面倒ごとが増えるだけだろうに。冷静に考えても暴力は少し怖くて思わず目を瞑ってしまったその時。
「はーい、ストップストップ」
どこか楽しげな声が聞こえた。
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