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少年と鏡の中の女子高生
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少年は放課後、誰も居ない教室で本を読んでいた。
本に夢中になっていた少年はふと視線をあげると陽が傾きかけていることに気付き帰る準備をする。
家に帰るべく教室を後にし、階段を降りた時踊り場にある鏡に見慣れない光景が視界の端に写った。
少年はわけも分からず2度見する。
少年の目に写った光景、それは女子高生が椅子に座り両足はその椅子の足にリボンで固定され、両手はおそらく上から吊っているリボンで縛られていた。
「え、どういうこと?」
少年は思わず呟いた。
それもそのはず普段は自分が写りそれを視界の端に捉えている様な感覚だったのにも関わらず、今日は違う。
「なんで? お、おーい大丈夫かー?」
とりあえず呼ぶ。
こんな異様な光景には関わらないに越したことはないが、本能的に呼びかけなければならない気がした。
「お、お姉さん? 聞こえる?」
どうするべきか、誰か人を呼ぶべきなのだろうが周りには誰も居ない。
人を呼びに行って帰ってきた時に居なくなっていたら後味も悪い。
困った少年は無意識に鏡に近づき、触れる。
鏡と思っていた物体は液体の様に柔く、少年を飲み込む。
「う、うわっ!?」
ーードプンッ
少年は閉じてしまっていた目を開くと一面に彼岸花が咲き乱れていた。
奥には先程の女子高生が居る。
「おーい!! 大丈夫かー?」
少年は駆け足で女子高生の元へ行く。
目測では近い距離のはずなのになぜか遠い。
走っても走っても距離が縮まっている感じがしない。
それでも止まる訳には行かないと思い込み、走る……はしる……ハシル……。
少年が諦めかけた時、ようやく女子高生の元にたどり着いた。
「はぁ……はぁ……、やっと着いた……。」
たどり着いて早々、一休みもせずに女子高生にまとわりつくリボンを取る。
一見普通のリボン結びなのに何故かとてつもなく硬い。
少年は一心不乱にリボンを解く。
リボンが取り終わった瞬間、光に包まれる。
「うわっ!?」
眩しくて目を固く閉じて再び開いたら目の前には学校の階段と踊り場。
すぐさまに鏡を見ると見慣れた自分の姿。
「え……。 お姉さんは?」
呆然としていると、誰かから呼ばれる。
「お兄ちゃん! どうしたの?」
声のする方へ目線を向けるとそこには居るはずのない妹の姿があった。
「なんで居るんだ? 家に帰ったんじゃないのか?」
それもそのはず、妹は今日体調不良で早退していたはずだ。
それなのになぜか目の前に居る。
少年は思い出す。
ーーあれ? さっきのお姉さんコイツに何となく似てないか……?
「お兄ちゃんなんだかうち、夢を見てた気がするんだけど目が覚めたらここに居たの」
「ん? 家で寝てたのか?」
「うん」
妹曰く、体調が悪く家で寝て目覚めたらここに居たという。
「夢の内容は覚えてないのか?」
「うん、なんか息苦しかったのと金縛り?になっていた感じはしたけど……。」
きっと先程見た光景は妹が大きくなった姿だったのだろう。
少年はそう推察する。
そして少年が女子高生を助け出さなければきっと妹の意識は戻って来なかった……。
そう思わざる得ない程辻褄は合っており、そして女子高生と妹は似ていた。
ーーこれ以上考えても埒が明かないだろうし、こんなこと早く忘れるべきだ。
少年は前にランドセルを少し顔色の悪い妹を背負い学校を後にしたのだった。
本に夢中になっていた少年はふと視線をあげると陽が傾きかけていることに気付き帰る準備をする。
家に帰るべく教室を後にし、階段を降りた時踊り場にある鏡に見慣れない光景が視界の端に写った。
少年はわけも分からず2度見する。
少年の目に写った光景、それは女子高生が椅子に座り両足はその椅子の足にリボンで固定され、両手はおそらく上から吊っているリボンで縛られていた。
「え、どういうこと?」
少年は思わず呟いた。
それもそのはず普段は自分が写りそれを視界の端に捉えている様な感覚だったのにも関わらず、今日は違う。
「なんで? お、おーい大丈夫かー?」
とりあえず呼ぶ。
こんな異様な光景には関わらないに越したことはないが、本能的に呼びかけなければならない気がした。
「お、お姉さん? 聞こえる?」
どうするべきか、誰か人を呼ぶべきなのだろうが周りには誰も居ない。
人を呼びに行って帰ってきた時に居なくなっていたら後味も悪い。
困った少年は無意識に鏡に近づき、触れる。
鏡と思っていた物体は液体の様に柔く、少年を飲み込む。
「う、うわっ!?」
ーードプンッ
少年は閉じてしまっていた目を開くと一面に彼岸花が咲き乱れていた。
奥には先程の女子高生が居る。
「おーい!! 大丈夫かー?」
少年は駆け足で女子高生の元へ行く。
目測では近い距離のはずなのになぜか遠い。
走っても走っても距離が縮まっている感じがしない。
それでも止まる訳には行かないと思い込み、走る……はしる……ハシル……。
少年が諦めかけた時、ようやく女子高生の元にたどり着いた。
「はぁ……はぁ……、やっと着いた……。」
たどり着いて早々、一休みもせずに女子高生にまとわりつくリボンを取る。
一見普通のリボン結びなのに何故かとてつもなく硬い。
少年は一心不乱にリボンを解く。
リボンが取り終わった瞬間、光に包まれる。
「うわっ!?」
眩しくて目を固く閉じて再び開いたら目の前には学校の階段と踊り場。
すぐさまに鏡を見ると見慣れた自分の姿。
「え……。 お姉さんは?」
呆然としていると、誰かから呼ばれる。
「お兄ちゃん! どうしたの?」
声のする方へ目線を向けるとそこには居るはずのない妹の姿があった。
「なんで居るんだ? 家に帰ったんじゃないのか?」
それもそのはず、妹は今日体調不良で早退していたはずだ。
それなのになぜか目の前に居る。
少年は思い出す。
ーーあれ? さっきのお姉さんコイツに何となく似てないか……?
「お兄ちゃんなんだかうち、夢を見てた気がするんだけど目が覚めたらここに居たの」
「ん? 家で寝てたのか?」
「うん」
妹曰く、体調が悪く家で寝て目覚めたらここに居たという。
「夢の内容は覚えてないのか?」
「うん、なんか息苦しかったのと金縛り?になっていた感じはしたけど……。」
きっと先程見た光景は妹が大きくなった姿だったのだろう。
少年はそう推察する。
そして少年が女子高生を助け出さなければきっと妹の意識は戻って来なかった……。
そう思わざる得ない程辻褄は合っており、そして女子高生と妹は似ていた。
ーーこれ以上考えても埒が明かないだろうし、こんなこと早く忘れるべきだ。
少年は前にランドセルを少し顔色の悪い妹を背負い学校を後にしたのだった。
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