夢世界ナル

白蓮

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1話-4 夢である事

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「さあ・・・行きましょうか」
 右手を横へとかざす。空間のような物が現れ、そこから大鎌が出てくる。それを握ったナルは走り出し、その大地から別の大地へと飛び降りる。
「久々の戦闘になるけど、本気で早期決着をする」
『別にいいけど・・・痛くないよね』
「この世界では痛みは合っても、現実ではその痛みは一切ない。まして、時間の流れもここと現実とはまるで違う」
 ナルは答えてくれる。私の体なのに、まるで私の運動能力ではないかのように動き続ける。
「この世界では現実と違う動きが出来る。運動能力もここだと何十倍と高い。いくら走っても疲れる事はない」
『本当に夢なのね』
「夢であり現実だ。この世界は別世界で起こったことを捻じ曲げて夢として現れている」
 彼女がデカブツの鯨へと近づいている時、小鯨が襲いかかってくる。体についている目からレーザーのような攻撃を仕掛けてくるが、ナルは大鎌でその攻撃を弾きながら、一気に近づき、その体を真っ二つにした。
 更に周りにある小石などが浮き始め、ナルの周りにくっつくようについて回る。
 他の子鯨に向けて、その小石は紫色に光り出し、そして勢いよく飛ばす。小鯨の体を貫通し、更にはその向こうにある大地を粉々にした。
「初戦雑魚はこんな物か」
『すごい・・・一体何が』
「君の能力だ。応用が出来るようになれば、こんな小技も出来る」
 私の能力・・・、それは一体何なの。能力ってなんなの。
「私の能力は一時的に君の体でやっているせいで使えない。だけど、こんな強力な力なら問題も然程ない」
 彼女は更に早く動く。その動きは既に人の領域を超えていた。
 だが、その御蔭ですぐに鯨を見れた。
『あれが・・・元凶・・・』
「そう。遠くで見るよりも近くで見た方がやはり迫力がある」
 遠くで見ていたのとはもはやデカさが違う。それも街を粉砕してしまうほどのデカさだった。飛空船よりも多少大きいサイズをしている。
 そして、体には子供にあった目が無数にもつけられていた。そこから放たれる光線は次々に周りに浮かぶ大地に向けて攻撃を仕掛ける。そこには小さな影が全部で5つ、別々にあった。
『人が戦っている・・・』
「そのようね。だけど、あれだけの数でこんな大物をやるのには無理がある。私が直接終わらせる」
『どうやって・・・?』
「こうやるのよ」
 ナルは大きな鯨に向けて走り飛び出す。そのまま小さな岩などを足場に高速で一気に上へとかけががる。それを体にあった目が見たのか、ナルに向けて光線を飛ばしてくる。それを彼女はバリアのような物を展開し、攻撃を避け続ける。そのまま鯨の上へとたどり着いた瞬間にその大鎌を振り下ろした。
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