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第16話 3-3日目 奴隷二人に神と称えられました
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全財産出して、獣人とエルフの奴隷を購入したユウヤ。奴隷商で奴隷契約をしてもらい今は奴隷二人と街を歩いている。
「先に宿に行こうか。色々話もあるしな。奴隷商のおっさんにおススメ聞いてるからそこに行こうと思うからついてきてくれ。」
「「はい。わかりました。」」
目が見えないエルフが両手が無い獣人と一緒に後ろを付いてくる。どちらも異様にテンションは低い。それもそうだろう。エルフの女性も獣人の女性も身体が不自由な事は誰よりもわかっており、奴隷として買われても明るい未来などない事は十分承知している。2人はこれからどんな目にあうのかを考えるとテンションは下がるばかりだった。
(は~。テンション低いな二人とも。絶望してるのが伝わってくるよ。早くなんとかしてやりたいな。でも俺の全財産は今、500ゴールドだからな。今日は宿代と二人の衣類とか買ったら無一文確定だな。)
2人は身体の欠損を隠すように、獣人の女性は黒いロープを全身にまとい、エルフの女性は目に包帯を巻いている。二人とも欠損があり、歩くのもつらそうだが、2人で寄り添ってゆっくり後ろを付いてくる。
しばらく街を歩くと目当ての宿屋を見付けた。
「すいません。3人部屋は空いてますか」
「大きなベットが一つある部屋なら空いてるよ。そこなら3人で泊まっても大丈夫だ。料金は1泊3人で90ゴールドだよ。」
今までの宿の3倍だった。しかも三人いるから更に3倍だ。ベットが3台ある部屋ならどれぐらいするのだろうか・・・
「とりあえず2泊お願いします。」
ユウヤは2泊分の180ゴールドを出して部屋に向かった。ユウヤの所持金は残り320ゴールドである。
部屋に入るとすぐにベッドに腰かけた。奴隷二人は入り口で立ったままだ。
(まずは二人と仲良くならないとな。奴隷の扱いとかってよくわからないけど、これから一緒にやっていくんだ。彼女とか家族みたいな感じで接していけばうまくいくよな。)
「二人とも立ってないで、こっちに座ってくれ。二人はベットに座ってくれ。僕は床で大丈夫だから。」
2人の奴隷は困惑しながらもユウヤの言う通りにベットに腰かけた。エルフの奴隷は目が見えないので、両腕の無い獣人奴隷の肩に手をおいて二人でゆっくりとベッドに腰かけた。
「これでゆっくり話ができるな。まず初めに僕はユウヤだ。君たちを買った主人という事になるかな。僕は冒険者をしていて、君たちにはそれを手伝ってもらいたいと思っている。」
「私は両手がありませんので、手伝えないと思います。」
「私も目が見えませんので、手伝えることなんてないと思います。」
2人は下を向きながら答えた。
「大丈夫だよ。俺は二人が欠損してるのを知ってて購入したからね。まずは、そうだね。名前を教えてくれるかな??」
「私はルリと言います。狼族です。」
「私はエミリと言います。見てわかるようにエルフです。」
「ルリとエミリね。いい名前だね。じゃあ早速、2人の欠損を治したいと思う。二人とも目をつぶってくれるかい??」
「「えっ」」
2人は何を言ってるのこの人?みたいな顔で僕を見てきた。
「まあまあ。だまされたと思って取り合えず目をつぶってくれるかい?」
2人はユウヤの言葉に戸惑いながらも目をつぶった。エルフははじめから目をつぶっている状態ではあったが・・・
「ミドルヒール。もういっちょ。ミドルヒール。もひとつおまけにミドルヒール」
ユウヤはレベルが上がった治癒魔法のミドルヒールを連発した。
すると、ルリの腕が生えてきた。
エミリは包帯を巻いているが目が見えるようになっているはずだ。
「よし。二人とも目を開けてくれ。エミリは包帯を取って目を開けて見てくれ。」
「えっ。両手がある・・・・うそ!?こんな事って。もう治らないと思ったのに・・・」
「目が・・・見える。えっっ何で・・・ずっと何も見えなかったのに・・・・」
2人の奴隷はお互いを見ながら、混乱していた。
「ちゃんと治っただろ。これでちゃんと話ができるね。さっきまではなんか暗い雰囲気だったからね。欠損が治ったんだし明るく話しをしたいな。」
「「はい。」」
2人は目をきらきらさせてユウヤを見つめて
「「ご主人様は神様ですか・・・えっ」」
2人は同じ言葉を同時に発していた。
「いや。僕は神じゃないよ。ちょっとレベルの高い治癒魔法が使えるただの冒険者だよ。冒険者だって初めに言ったでしょ。それにご主人様っていうのはやめてよね。ユウヤって呼んでくれた方がうれしいな。奴隷とはこれから一緒にパーティを組んでいきたいと思ってるからね。」
「ユウヤ・・様。ではユウヤ様と呼ばせて頂きます。この度は直して頂きありがとうございます。生涯ユウヤ様に尽くさせて頂きます。」
「私もユウヤ様に忠誠を誓います。目が見えなくてずっと絶望していました。それを治してくれたユウヤ様に誠心誠意尽くさせて頂きます。」
(欠損を治して正解だったな。よくある異世界モノと一緒の流れだ。このまま夜の方もっていきたい気持ちはあるけど、それはおいおいだな。今日の所は話をして仲を深めないとな)
欠損を治して奴隷の忠誠を得たユウヤ。欠損が治った後の会話は明るくなりルリもエミリも笑うようになった。ひとしきり話した所で3人で生活用品を購入し、部屋で3人で食事をした。ベッドは1台しかなかったので、もちろんベッドに3人ひっついて寝たのだった。
「先に宿に行こうか。色々話もあるしな。奴隷商のおっさんにおススメ聞いてるからそこに行こうと思うからついてきてくれ。」
「「はい。わかりました。」」
目が見えないエルフが両手が無い獣人と一緒に後ろを付いてくる。どちらも異様にテンションは低い。それもそうだろう。エルフの女性も獣人の女性も身体が不自由な事は誰よりもわかっており、奴隷として買われても明るい未来などない事は十分承知している。2人はこれからどんな目にあうのかを考えるとテンションは下がるばかりだった。
(は~。テンション低いな二人とも。絶望してるのが伝わってくるよ。早くなんとかしてやりたいな。でも俺の全財産は今、500ゴールドだからな。今日は宿代と二人の衣類とか買ったら無一文確定だな。)
2人は身体の欠損を隠すように、獣人の女性は黒いロープを全身にまとい、エルフの女性は目に包帯を巻いている。二人とも欠損があり、歩くのもつらそうだが、2人で寄り添ってゆっくり後ろを付いてくる。
しばらく街を歩くと目当ての宿屋を見付けた。
「すいません。3人部屋は空いてますか」
「大きなベットが一つある部屋なら空いてるよ。そこなら3人で泊まっても大丈夫だ。料金は1泊3人で90ゴールドだよ。」
今までの宿の3倍だった。しかも三人いるから更に3倍だ。ベットが3台ある部屋ならどれぐらいするのだろうか・・・
「とりあえず2泊お願いします。」
ユウヤは2泊分の180ゴールドを出して部屋に向かった。ユウヤの所持金は残り320ゴールドである。
部屋に入るとすぐにベッドに腰かけた。奴隷二人は入り口で立ったままだ。
(まずは二人と仲良くならないとな。奴隷の扱いとかってよくわからないけど、これから一緒にやっていくんだ。彼女とか家族みたいな感じで接していけばうまくいくよな。)
「二人とも立ってないで、こっちに座ってくれ。二人はベットに座ってくれ。僕は床で大丈夫だから。」
2人の奴隷は困惑しながらもユウヤの言う通りにベットに腰かけた。エルフの奴隷は目が見えないので、両腕の無い獣人奴隷の肩に手をおいて二人でゆっくりとベッドに腰かけた。
「これでゆっくり話ができるな。まず初めに僕はユウヤだ。君たちを買った主人という事になるかな。僕は冒険者をしていて、君たちにはそれを手伝ってもらいたいと思っている。」
「私は両手がありませんので、手伝えないと思います。」
「私も目が見えませんので、手伝えることなんてないと思います。」
2人は下を向きながら答えた。
「大丈夫だよ。俺は二人が欠損してるのを知ってて購入したからね。まずは、そうだね。名前を教えてくれるかな??」
「私はルリと言います。狼族です。」
「私はエミリと言います。見てわかるようにエルフです。」
「ルリとエミリね。いい名前だね。じゃあ早速、2人の欠損を治したいと思う。二人とも目をつぶってくれるかい??」
「「えっ」」
2人は何を言ってるのこの人?みたいな顔で僕を見てきた。
「まあまあ。だまされたと思って取り合えず目をつぶってくれるかい?」
2人はユウヤの言葉に戸惑いながらも目をつぶった。エルフははじめから目をつぶっている状態ではあったが・・・
「ミドルヒール。もういっちょ。ミドルヒール。もひとつおまけにミドルヒール」
ユウヤはレベルが上がった治癒魔法のミドルヒールを連発した。
すると、ルリの腕が生えてきた。
エミリは包帯を巻いているが目が見えるようになっているはずだ。
「よし。二人とも目を開けてくれ。エミリは包帯を取って目を開けて見てくれ。」
「えっ。両手がある・・・・うそ!?こんな事って。もう治らないと思ったのに・・・」
「目が・・・見える。えっっ何で・・・ずっと何も見えなかったのに・・・・」
2人の奴隷はお互いを見ながら、混乱していた。
「ちゃんと治っただろ。これでちゃんと話ができるね。さっきまではなんか暗い雰囲気だったからね。欠損が治ったんだし明るく話しをしたいな。」
「「はい。」」
2人は目をきらきらさせてユウヤを見つめて
「「ご主人様は神様ですか・・・えっ」」
2人は同じ言葉を同時に発していた。
「いや。僕は神じゃないよ。ちょっとレベルの高い治癒魔法が使えるただの冒険者だよ。冒険者だって初めに言ったでしょ。それにご主人様っていうのはやめてよね。ユウヤって呼んでくれた方がうれしいな。奴隷とはこれから一緒にパーティを組んでいきたいと思ってるからね。」
「ユウヤ・・様。ではユウヤ様と呼ばせて頂きます。この度は直して頂きありがとうございます。生涯ユウヤ様に尽くさせて頂きます。」
「私もユウヤ様に忠誠を誓います。目が見えなくてずっと絶望していました。それを治してくれたユウヤ様に誠心誠意尽くさせて頂きます。」
(欠損を治して正解だったな。よくある異世界モノと一緒の流れだ。このまま夜の方もっていきたい気持ちはあるけど、それはおいおいだな。今日の所は話をして仲を深めないとな)
欠損を治して奴隷の忠誠を得たユウヤ。欠損が治った後の会話は明るくなりルリもエミリも笑うようになった。ひとしきり話した所で3人で生活用品を購入し、部屋で3人で食事をした。ベッドは1台しかなかったので、もちろんベッドに3人ひっついて寝たのだった。
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