寝ている間は異世界転移!?寝ている間にできる簡単なお仕事です

ベルピー

文字の大きさ
上 下
16 / 90

第16話 3-3日目 奴隷二人に神と称えられました

しおりを挟む
全財産出して、獣人とエルフの奴隷を購入したユウヤ。奴隷商で奴隷契約をしてもらい今は奴隷二人と街を歩いている。

「先に宿に行こうか。色々話もあるしな。奴隷商のおっさんにおススメ聞いてるからそこに行こうと思うからついてきてくれ。」

「「はい。わかりました。」」

目が見えないエルフが両手が無い獣人と一緒に後ろを付いてくる。どちらも異様にテンションは低い。それもそうだろう。エルフの女性も獣人の女性も身体が不自由な事は誰よりもわかっており、奴隷として買われても明るい未来などない事は十分承知している。2人はこれからどんな目にあうのかを考えるとテンションは下がるばかりだった。

(は~。テンション低いな二人とも。絶望してるのが伝わってくるよ。早くなんとかしてやりたいな。でも俺の全財産は今、500ゴールドだからな。今日は宿代と二人の衣類とか買ったら無一文確定だな。)

2人は身体の欠損を隠すように、獣人の女性は黒いロープを全身にまとい、エルフの女性は目に包帯を巻いている。二人とも欠損があり、歩くのもつらそうだが、2人で寄り添ってゆっくり後ろを付いてくる。

しばらく街を歩くと目当ての宿屋を見付けた。
「すいません。3人部屋は空いてますか」
「大きなベットが一つある部屋なら空いてるよ。そこなら3人で泊まっても大丈夫だ。料金は1泊3人で90ゴールドだよ。」

今までの宿の3倍だった。しかも三人いるから更に3倍だ。ベットが3台ある部屋ならどれぐらいするのだろうか・・・

「とりあえず2泊お願いします。」
ユウヤは2泊分の180ゴールドを出して部屋に向かった。ユウヤの所持金は残り320ゴールドである。

部屋に入るとすぐにベッドに腰かけた。奴隷二人は入り口で立ったままだ。
(まずは二人と仲良くならないとな。奴隷の扱いとかってよくわからないけど、これから一緒にやっていくんだ。彼女とか家族みたいな感じで接していけばうまくいくよな。)

「二人とも立ってないで、こっちに座ってくれ。二人はベットに座ってくれ。僕は床で大丈夫だから。」

2人の奴隷は困惑しながらもユウヤの言う通りにベットに腰かけた。エルフの奴隷は目が見えないので、両腕の無い獣人奴隷の肩に手をおいて二人でゆっくりとベッドに腰かけた。

「これでゆっくり話ができるな。まず初めに僕はユウヤだ。君たちを買った主人という事になるかな。僕は冒険者をしていて、君たちにはそれを手伝ってもらいたいと思っている。」

「私は両手がありませんので、手伝えないと思います。」
「私も目が見えませんので、手伝えることなんてないと思います。」
2人は下を向きながら答えた。

「大丈夫だよ。俺は二人が欠損してるのを知ってて購入したからね。まずは、そうだね。名前を教えてくれるかな??」

「私はルリと言います。狼族です。」
「私はエミリと言います。見てわかるようにエルフです。」

「ルリとエミリね。いい名前だね。じゃあ早速、2人の欠損を治したいと思う。二人とも目をつぶってくれるかい??」

「「えっ」」
2人は何を言ってるのこの人?みたいな顔で僕を見てきた。

「まあまあ。だまされたと思って取り合えず目をつぶってくれるかい?」

2人はユウヤの言葉に戸惑いながらも目をつぶった。エルフははじめから目をつぶっている状態ではあったが・・・

「ミドルヒール。もういっちょ。ミドルヒール。もひとつおまけにミドルヒール」
ユウヤはレベルが上がった治癒魔法のミドルヒールを連発した。

すると、ルリの腕が生えてきた。
エミリは包帯を巻いているが目が見えるようになっているはずだ。

「よし。二人とも目を開けてくれ。エミリは包帯を取って目を開けて見てくれ。」

「えっ。両手がある・・・・うそ!?こんな事って。もう治らないと思ったのに・・・」
「目が・・・見える。えっっ何で・・・ずっと何も見えなかったのに・・・・」

2人の奴隷はお互いを見ながら、混乱していた。
「ちゃんと治っただろ。これでちゃんと話ができるね。さっきまではなんか暗い雰囲気だったからね。欠損が治ったんだし明るく話しをしたいな。」

「「はい。」」
2人は目をきらきらさせてユウヤを見つめて

「「ご主人様は神様ですか・・・えっ」」
2人は同じ言葉を同時に発していた。

「いや。僕は神じゃないよ。ちょっとレベルの高い治癒魔法が使えるただの冒険者だよ。冒険者だって初めに言ったでしょ。それにご主人様っていうのはやめてよね。ユウヤって呼んでくれた方がうれしいな。奴隷とはこれから一緒にパーティを組んでいきたいと思ってるからね。」

「ユウヤ・・様。ではユウヤ様と呼ばせて頂きます。この度は直して頂きありがとうございます。生涯ユウヤ様に尽くさせて頂きます。」
「私もユウヤ様に忠誠を誓います。目が見えなくてずっと絶望していました。それを治してくれたユウヤ様に誠心誠意尽くさせて頂きます。」

(欠損を治して正解だったな。よくある異世界モノと一緒の流れだ。このまま夜の方もっていきたい気持ちはあるけど、それはおいおいだな。今日の所は話をして仲を深めないとな)

欠損を治して奴隷の忠誠を得たユウヤ。欠損が治った後の会話は明るくなりルリもエミリも笑うようになった。ひとしきり話した所で3人で生活用品を購入し、部屋で3人で食事をした。ベッドは1台しかなかったので、もちろんベッドに3人ひっついて寝たのだった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜

EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」 優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。 傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。 そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。 次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。 最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。 しかし、運命がそれを許さない。 一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか? ※他サイトにも掲載中

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

月が導く異世界道中

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  漫遊編始めました。  外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 ***************************** ***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。*** ***************************** マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

ぽっちゃりおっさん異世界ひとり旅〜目指せSランク冒険者〜

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
酒好きなぽっちゃりおっさん。 魔物が跋扈する異世界で転生する。 頭で思い浮かべた事を具現化する魔法《創造魔法》の加護を貰う。 《創造魔法》を駆使して異世界でSランク冒険者を目指す物語。 ※以前完結した作品を修正、加筆しております。 完結した内容を変更して、続編を連載する予定です。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

処理中です...