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第4章 ゼンパンの素質とウィークリーガチャ
第171話 治療薬
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ピンクフリードの薬を手に入れたラッキー達は、学園長と料理長ランドルトとともに、入手した経緯を改めて伝えた。
「これがピンクフリードなんだね。」
「ランドルトさんがいた時は完成してなかったんですよね。」
「うん。僕がいた時はまだ未完成だったよ。構想はできてたから出来上がるのは時間の問題だったかもしれないけど・・・」
「それでこれがあれば治療薬を作る事はできそうですか?」
「そうだね~。実際に見てみないとわからないけどね。」
「学園長・・・捕まえた教団員はどうしましょうか?尋問すれば本拠地の場所とか、もしかしたら治療薬の事も知ってるかもしれませんよ。」
「そうじゃな。この教団員は儂が預かろう。ラッキーよ。よくやったな。」
「いえ、まだ解決したわけじゃありません。クエストも達成じゃないですよね?」
「そうじゃな。引き続き頼む。儂の方でも何かわかったら伝えるとしよう。」
「はい。お願いします。」
学園長に捕まえた教団員を預け、料理長に魔法が使えなくなる薬を渡し、その日は宿へと帰った。
そして翌日・・・
「ランドルトさん!治療薬ができたって本当ですか?」
「ラッキー君。完全な治療薬ができたって訳じゃないんだけどね。」
「どういう事ですか?」
「このピンクフリードは体内の魔力を継続的にゼロにする薬なんだ。それによって魔力がなくなった人は魔法が使えなくなるんだ。それで、その魔力をゼロにする効果を一時的に抑える薬を作ったんだ。」
「一時的に・・・ですか?」
「そうなんだ。完全にピンクフリードの効果を無くす事ができなかったから一時的に効果を抑える薬しかできなかったんだ。だから完全とは言えない・・・」
「でも!!ランドルトさんのお陰で私は魔法が又使えるようになりました。」
「ミルキー・・・」
「ああ。先ほどミルキー君には治療薬を飲んでもらったんだ。どれだけ効果があるかはこれから検証が必要なんだけどね。1日は持つと思うよ。」
「一時的でも魔法が使えるようになって嬉しいです。ランドルトさん。ありがとうございます。」
ランドルトさんは薬ができると、先日学園内で魔法が使えなくなる薬を飲んでしまったミルキーに飲ませていた。飲ませると効果はすぐに出た。簡単な魔法が発動したのだ。ランドルトが言っていたようにずっと使える訳ではないかもしれないが、魔法が使えなくなった後に、魔法が使えるようになった事は大きな前進だった。
(一時的にしか効果がないのか・・・今後の研究次第で完全に治る薬もできあがるかもしれない。だけどそれまで持つか・・・学園長の方はどうなったんだ?やはり本拠地に行って治療薬を手に入れるか、治療薬の作成方法を調べた方が早いか。そういえば万能薬草なら治るかもしれないみたいな事をアークドラゴン様が言ってたよな。ランドルトさんに見せれば進展するんじゃ・・・)
ラッキーは、アークドラゴンよりもらっていた1つしかない万能薬草を取り出し、ランドルトに見せた。
「ラッキー君。それは?」
「ランドルトさん。これはガイア国にある万能薬草という薬草です。どんな病や呪いも直す秘薬です。霊峰オーディールで手に入るのですが、そこのアークドラゴン様から、これなら魔法が使えなくなっても治せるんじゃないって言われてます。」
「そんなすごい薬草が・・・」
「ですが、この1つしかないんです。使えば次からはありません。なんでランドルトさん。だけどこの薬草を調べれば治療薬に役立ちませんか?」
「僕にくれるのかい?」
「はい。どちらにしても1つでは役に立ちません。ランドルトさんなら有効活用してくれると思いまして。これで多くの人が助かるのであれば安いもんです。」
(例えば薬草をただ使うだけなら一人しか治せないけど、粉末にして、さっきの薬に混ぜるとかして効果があるなら10人~20人は助ける事ができる。そうなれば魔法が使えない薬は怖くなくなる。後は学園長が本拠地の場所を聞き出してくれていれば一気に解決に近づくだろ。)
「わかった。期待に応えれるようにがんばるよ。とりあえず調べてみようと思うから明日又、来てもらっていいかな?」
「わかりました。」
そして更に翌日・・・
「ラッキー君!君のくれた万能薬草はすごいよ!さっきミルキー君に試したんだけど完全に治ってると思う。経過を見てみないとわからないけど、出来具合とミルキー君の感じだったら間違いないよ。」
「本当ですか!?」
「ああ。といってもできたのは15本だけどね。もらった万能薬草を昨日貰った薬と混ぜ合わせたんだ。」
(15本でも完全治療薬ができたのは大きい。これでグレイ教団に怯える必要がなくなったんだ。3本だけ俺達用にもらって後は学園長に預けるか。どう使うかは学園長に任せた方がいいな。)
「ラッキーさん。ありがとうございます。」
「いや俺は何もしてないよ。ランドルトさんのお陰だよ。」
ラッキーの万能薬草と、ランドルトの技術により、魔法が使えなくなる薬の治療薬が完成した。素材の安定供給はできないが、治療できるという事実はラッキー達を明るくした。
喜びあったラッキー達はその報告とともに教団員の尋問内容を聞く為に学園長室へと向かうのだった。
「これがピンクフリードなんだね。」
「ランドルトさんがいた時は完成してなかったんですよね。」
「うん。僕がいた時はまだ未完成だったよ。構想はできてたから出来上がるのは時間の問題だったかもしれないけど・・・」
「それでこれがあれば治療薬を作る事はできそうですか?」
「そうだね~。実際に見てみないとわからないけどね。」
「学園長・・・捕まえた教団員はどうしましょうか?尋問すれば本拠地の場所とか、もしかしたら治療薬の事も知ってるかもしれませんよ。」
「そうじゃな。この教団員は儂が預かろう。ラッキーよ。よくやったな。」
「いえ、まだ解決したわけじゃありません。クエストも達成じゃないですよね?」
「そうじゃな。引き続き頼む。儂の方でも何かわかったら伝えるとしよう。」
「はい。お願いします。」
学園長に捕まえた教団員を預け、料理長に魔法が使えなくなる薬を渡し、その日は宿へと帰った。
そして翌日・・・
「ランドルトさん!治療薬ができたって本当ですか?」
「ラッキー君。完全な治療薬ができたって訳じゃないんだけどね。」
「どういう事ですか?」
「このピンクフリードは体内の魔力を継続的にゼロにする薬なんだ。それによって魔力がなくなった人は魔法が使えなくなるんだ。それで、その魔力をゼロにする効果を一時的に抑える薬を作ったんだ。」
「一時的に・・・ですか?」
「そうなんだ。完全にピンクフリードの効果を無くす事ができなかったから一時的に効果を抑える薬しかできなかったんだ。だから完全とは言えない・・・」
「でも!!ランドルトさんのお陰で私は魔法が又使えるようになりました。」
「ミルキー・・・」
「ああ。先ほどミルキー君には治療薬を飲んでもらったんだ。どれだけ効果があるかはこれから検証が必要なんだけどね。1日は持つと思うよ。」
「一時的でも魔法が使えるようになって嬉しいです。ランドルトさん。ありがとうございます。」
ランドルトさんは薬ができると、先日学園内で魔法が使えなくなる薬を飲んでしまったミルキーに飲ませていた。飲ませると効果はすぐに出た。簡単な魔法が発動したのだ。ランドルトが言っていたようにずっと使える訳ではないかもしれないが、魔法が使えなくなった後に、魔法が使えるようになった事は大きな前進だった。
(一時的にしか効果がないのか・・・今後の研究次第で完全に治る薬もできあがるかもしれない。だけどそれまで持つか・・・学園長の方はどうなったんだ?やはり本拠地に行って治療薬を手に入れるか、治療薬の作成方法を調べた方が早いか。そういえば万能薬草なら治るかもしれないみたいな事をアークドラゴン様が言ってたよな。ランドルトさんに見せれば進展するんじゃ・・・)
ラッキーは、アークドラゴンよりもらっていた1つしかない万能薬草を取り出し、ランドルトに見せた。
「ラッキー君。それは?」
「ランドルトさん。これはガイア国にある万能薬草という薬草です。どんな病や呪いも直す秘薬です。霊峰オーディールで手に入るのですが、そこのアークドラゴン様から、これなら魔法が使えなくなっても治せるんじゃないって言われてます。」
「そんなすごい薬草が・・・」
「ですが、この1つしかないんです。使えば次からはありません。なんでランドルトさん。だけどこの薬草を調べれば治療薬に役立ちませんか?」
「僕にくれるのかい?」
「はい。どちらにしても1つでは役に立ちません。ランドルトさんなら有効活用してくれると思いまして。これで多くの人が助かるのであれば安いもんです。」
(例えば薬草をただ使うだけなら一人しか治せないけど、粉末にして、さっきの薬に混ぜるとかして効果があるなら10人~20人は助ける事ができる。そうなれば魔法が使えない薬は怖くなくなる。後は学園長が本拠地の場所を聞き出してくれていれば一気に解決に近づくだろ。)
「わかった。期待に応えれるようにがんばるよ。とりあえず調べてみようと思うから明日又、来てもらっていいかな?」
「わかりました。」
そして更に翌日・・・
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「ラッキーさん。ありがとうございます。」
「いや俺は何もしてないよ。ランドルトさんのお陰だよ。」
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喜びあったラッキー達はその報告とともに教団員の尋問内容を聞く為に学園長室へと向かうのだった。
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