ガチャからは99.7%パンが出るけど、世界で一番の素質を持ってるので今日もがんばります

ベルピー

文字の大きさ
上 下
170 / 178
第4章 ゼンパンの素質とウィークリーガチャ

第170話 ピンクフリードの入手と白いローブの教団員

しおりを挟む
ラッキーは一人倉庫の見張りをしていた。シルフィードとマリア、リルは宿で待機だ。リルはラッキーと一緒に行くとごねていたがオーク肉を上げると尻尾を振って待機に応じていた。

ラッキー一人なら危なくなっても転移で逃げる事ができるし、作戦会議で有ったように教団員に触れてさえいれば、一人を一緒に転移で別の場所に移動させる事もできるからだ。

(さて問題は運よくピンクフリードを持ってるかだな。倉庫から誰も出ない日はなかったから接触はできるだろう。ピンクフリードを持ってなければ尋問する必要があるけど、そういうのってやった事ないからうまく行くかわからない。いっそ気絶させたらランドルトさんの所に連れて行ってもいいか。)

ラッキーが入口が見える所で、しばらく様子を伺っていると、倉庫の入り口から白いローブを着た人が一人で出てきた。

(おっ出てきた。じゃあ俺も行動開始だ。今日はどこに行くんだ?)

ラッキーは今日まで、シルフィードと交代でこの倉庫を見張っていた。その時に出てくる教団員の後をつけたが普通に買い物をして戻ってくるばかりだった。買い物して戻ってくる場合は、帰り道の途中で気絶させて宿へ連れて行こうと思っていた。

白いローブの人は、ブツブツいいながら歩いている。

(何か言ってるな。近づいても大丈夫か?人の何人か歩いているし怪しまれない程度に近づいてみるか。)

ラッキーは、人の流れに紛れて白いローブの人に近づいた。すると、その人がブツブツ話している内容が聞こえてきた。
「今日は誰にこの薬を使おうか?若い学生がいいか?いや強そうな男にあげるの面白いな。キレイな女に使うのもいいか。」

(コイツ!?まちがいない。今日はアタリだ。きっとこの男はピンクフリードを持ってる。なら人が増える前に一緒に転移した方がいいな。このまま放置すると、又新たな犠牲者が出る。)

白いローブの男が魔法が使えなくなる薬、ピンクフリードを持っている事を確信したラッキーは、その男から距離をとり、転移魔法を発動するタイミングを探した。そしてそのタイミングはすぐに訪れた。どういう訳から白いローブの男とラッキー以外の人がいつの間にかいなくなっていたのだ。ここしかないとラッキーは行動を開始した。

ラッキーは素早く、白いローブの男に近づき背後に回って一撃で男を気絶させた。そしてそのまま、シルフィード達がいる宿へと転移した。転移した先ではシルフィード達が予定通り待っており、すぐに気絶させた男を縛りあげた。

「ラッキー。あったわ。ピンクフリードよ。やったわね。」

「ああ。これを持ってランドルトさんの所にいけば治療薬が作れるかもしれない。治療薬ができれば魔法が使えなくなるこのピンクフリードなんか怖くないぞ。」

「やりましたね。ラッキー様。それで・・・この人はどうしましょうか?」

「そうだな・・・」

(ピンクフリードを手に入れたから実際、この男のこのまま縛って放置しても問題はない。倉庫に戻られると他の仲間に伝えられるからどこかに捕まえておく必要はある。やっぱりランドルトさんの所に連れて行くのがいいか。学園なら学園長もいる。一緒に尋問すればグレイ教団の事がさらにわかるかもしれないな。」

「ランドルトさんの所に一緒に連れて行こう。学園なら学園長もいるし、最悪学園長に預ければなんとかなるだろ。今なら気絶したままだし学園内へは転移でいけるし。」

「そうね。ここにずっと置いておくわけにはいかないものね。」

ピンクフリードと、グレイ教団員を捕まえたラッキー達はそのまま、学園へと転移して、食堂へと向かった。食堂内は学生達が食事をしている最中だったが、ラッキー達はかまわず奥へと進み、ランドルトさんを探した。

「ランドルトさん!よかった。すぐに見つかって。言ってたピンクフリードを手に入れたんですが、教団員も一緒に捕まえたんです。よかったら見てもらえませんか?」

「本当かい!?わかった。でもちょっと待ってくれ。今丁度食事を作るので手一杯なんだ。学園長にはすでに話をしているから学園長室で待っててもらえないか。落ち着いたらすぐにでも向かうから。」

(まあ昼時だからしょうがないか。てか俺もお腹すいたな。外でシルフィー達が待ってるから俺だけお昼を食べる訳にはいかないし、学園長にこの男を預けたら俺達もお昼を取ろうか。)

その後、ラッキー達は学園長室へと向かった。学園長にはすぐに会えたので状況を伝え、白いローブの男を学園長に預けた。ランドルトさんが来るのは食堂が落ち着いてからになると思い、ラッキー達は先にお昼ご飯をすます事にした。もちろん何かあって割れたら困るので、ピンクフリードも学園長に預けてきた。

食堂でいつものパンを食べて、食堂の学生達も少なくなってきたので、ランドルトに声を掛け、一緒に再度学園長室に向かった。学園長室には縄に縛られて床に転がってるグレイ教団員と、机で仕事をしている学園長の姿があった。

「お待たせしてすいません。ようやく手が空きました。早速ですが、ピンクフリードを見せてもらっていいですか?」

「ああかまわないよ。それにしてもランドルトが元グレイ教団員だったとはね。過去を聞かずに採用した私も私だけど、こんな事ならはじめっからランドルトに相談しておけばよかったね。」

「ははは。まあ相談されても僕では何もできなかったかもしれませんけどね。ラッキーさんがピンクフリードを持ってきたおかげで、希望はありますが期待しないでください。僕でもわからない事は多いので。」

そうして、学園長室に集まったメンバーは、グレイ教団員が目を覚ますまで、ピンクフリードを調べる事にするのだった。
しおりを挟む
感想 52

あなたにおすすめの小説

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う

たくみ
ファンタジー
 圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。  アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。  ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?                        それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。  自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。  このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。  それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。 ※小説家になろうさんで投稿始めました

だから聖女はいなくなった

澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」 レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。 彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。 だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。 キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。 ※7万字程度の中編です。

「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。

桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。 「不細工なお前とは婚約破棄したい」 この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。 ※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。 ※1回の投稿文字数は少な目です。 ※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。 表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。 ❇❇❇❇❇❇❇❇❇ 2024年10月追記 お読みいただき、ありがとうございます。 こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。 1ページの文字数は少な目です。 約4500文字程度の番外編です。 バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`) ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑) ※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!

七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?

愛されない皇妃~最強の母になります!~

椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』 やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。 夫も子どもも――そして、皇妃の地位。 最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。 けれど、そこからが問題だ。 皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。 そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど…… 皇帝一家を倒した大魔女。 大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!? ※表紙は作成者様からお借りしてます。 ※他サイト様に掲載しております。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

絶対に間違えないから

mahiro
恋愛
あれは事故だった。 けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。 だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。 何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。 どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。 私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

どうも、死んだはずの悪役令嬢です。

西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。 皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。 アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。 「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」 こっそり呟いた瞬間、 《願いを聞き届けてあげるよ!》 何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。 「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」 義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。 今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで… ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。 はたしてアシュレイは元に戻れるのか? 剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。 ざまあが書きたかった。それだけです。

処理中です...