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第4章 ゼンパンの素質とウィークリーガチャ
第168話 魔法薬ピンクフリード
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学園内を調べてる所、目当てのグレイ教団員を見つけたラッキーは、隠れているであろう倉庫を見つけた。しかし、教団員を見つけた時にはすでに一人の学生が魔法が使えなく薬を飲んでしまっていた。
どうしようか状況を聞いている所に、クックコートをピシッと決めた人が現れたのだった。
(ピンクフリード?この人は魔法薬の名前を知ってるのか?という事はこの人はグレイ教団の関係者?警戒した方がよさそうだな。)
「ランドルさん。どうしたんですか血相変えて。」
「ランドル?ミルキーさんはこの人を知ってるのか?」
「もちろん。毎日食堂で料理を作ってくれてる料理長のランドルさんよ。ラッキーさんは知らなかったの?」
「料理長!?」
(学園の料理を作ってるからってグレイ教団と無関係とは言えないな。どうする?とりあえずこの場は情報収集に徹するか。)
「いやすまない。ちょっと取り乱したよ。ごめん。ピンク色の薬で魔力が増えるって言葉が聞こえたから気になってね。」
「ランドルトさんはその薬について何か知ってるんですか?俺は今その薬を調べているんです。」
「君は・・・あっ!?確か最近毎日食堂で多くのパンを食べてくれてる学生だね。」
「俺の事知ってるんですか?」
「もちろんだよ。あんなにおいしそうにあのパンを食べてくれてるんだ。印象に残ってるよ。」
(敵ではないのか・・・それにパンの事を知ってる!?あのパンは今回の件と何か繋がってるのか?わからないな・・・)
「詳しくは言えませんが、その薬は魔力が増える薬なんかじゃありません。俺はその薬を配ってる組織を追っています。何か知ってるなら教えてくれませんか?」
「そうか・・・。わかった。ここで人目に付く。こっちで話そう。それとラッキー君。その依頼はもしかして学園長からかな?」
「そうです。よくわかりましたね。」
「まあその辺の話もするよ。僕も少なからず関係しているからね。」
ラッキーとミルキーはランドルトついて行く。着いた先は食堂の奧だった。
(予期せぬタイミングで食堂の中に入れたな。魔法が使えない薬の事も重要だがパンの秘密も知りたい所だ。機会を見て聞けたらいいんだけど・・・)
「さて座ってくれ。今お茶を持ってくるよ。」
ランドルトはお茶を準備しに行ったので、部屋から出ていく。
「ラッキーさん。さっき言ってた魔力が増える薬じゃないってどういう事ですか?」
「あ、ああ。ランドルトさんも何か知ってるようだから来るまで待とうか。そこで話すよ。」
「はい・・・」
すると、お茶を入れたお盆を片手にランドルトが戻ってきた。
「それじゃ、とりあえず話をしようか。先にミルキーさんの状況を教えてもらっていいかな。」
「はい。学園の外を歩いていたら声を掛けられたんです。魔力が上がる薬に興味はないか?って。私はもちろん興味ありますって答えました。そしたらピンク色のポーションみたいなモノを渡されたんです。タダで上げるからどれぐらい魔力が上がったか教えてほしいって。それで渡されたモノを飲んでその人と別れたらラッキーさんが来た感じです。」
「なるほど。それでラッキー君。君はあれを魔力が上がる薬じゃないって言ってたね。」
「はい。俺は学園長から魔法が使えなくなる人がいて、その人達は今回のミルキーのようにピンク色のポーションに似たモノを飲んでから魔法が使えなくなる事がわかりました。そして、その薬はグレイ教団という魔法教団が配っている事がわかりました。それでその薬を広めてるグレイ教団の人を探していたら今日、ミルキーと接触してるのを発見したんです。」
「やっぱりグレイ教団か・・・学園長も僕に言ってくれればよかったのに・・・いや僕が言ってなかったから知らなかったのか・・・」
「ランドルトさんは何か知ってるんですか?」
「ああ。といっても知っていた。が正しいけどね。」
「知っていた?」
「ああ。僕はグレイ教団に居たんだ。そこで魔力が増える薬を研究してたんだ。だけど実際は魔力がなくなって魔法が使えなくなる薬を研究してる事がわかってね。むりやり抜けたんだ。」
「!?」
(まじか・・・こんな所に元グレイ教団の人がいるなんて・・・)
「その時にはその薬はまだ完成してなかったけど、もう完成してるなんてね。それに・・・僕達の国で魔法が使えなくなる事がどれだけの事か・・・あいつ等は本気でこの国を乗っ取ろうとしてるんだ。」
「ちょっと、ちょっと待ってください。魔法が使えなくなるってどういう事ですか?」
「ミルキー・・・君が飲んだ薬は魔力が増える薬じゃなくて、魔法が使えなくなる薬なんだ。グレイ教団はこの国の人達にその薬を飲ませてこの国を裏から牛耳ろうとしてるんだ。」
「そんな・・・」
ミルキーは話が信じられないのか、その場でいくつか魔法を使っている。ミルキーの魔法は問題なく発動した。
「なんだ~。ラッキーさん、ちゃんと魔法は使えてるじゃないですか?」
「いやミルキー、今日魔法は使えても明日朝起きたら使えなくなってるらしいんだ。飲んだ人達も、その日はみんな魔法が使えたらしい。」
「そんな・・・」
(どうする?万能薬草を使うか?でもこれ1枚しか持っていない。感謝はされるだろうけど、使った所で解決にはならないよな~。いやランドルトさんなら治療薬を持ってるかもしてないか。)
「ランドルトさんは治療薬を持ってたりしませんか?薬を作ったって事は治療薬も同時に作ってると思うんですが?」
「たしかにラッキーの言う通り、魔法が使えない薬があるんだとしたらその治療薬は必ず存在する。だけどすまない。僕は治療薬を持ってないんだ。」
「ランドルトさんが研究してた魔力が増える薬を使ってもダメですか?俺の予想ですが、魔法が使えない薬は、魔力がゼロになって魔法が使えなくなってるんだと思ってます。自然回復量よりも薬による魔力消費量が多いから使えない気がするんです。」
「そうだね。たしかに僕の研究した薬は完成はしてないが、試作品はいくつかあるから試すのはかまわない。だけど効果があってもそれは一時的なものだと思う。」
「そうですか・・・」
元グレイ教団員のランドルトさんでも魔法が使えなくなる薬の治療薬を持っていない事を知ったラッキー、ミルキーは一気に落ち込んだのだった。
どうしようか状況を聞いている所に、クックコートをピシッと決めた人が現れたのだった。
(ピンクフリード?この人は魔法薬の名前を知ってるのか?という事はこの人はグレイ教団の関係者?警戒した方がよさそうだな。)
「ランドルさん。どうしたんですか血相変えて。」
「ランドル?ミルキーさんはこの人を知ってるのか?」
「もちろん。毎日食堂で料理を作ってくれてる料理長のランドルさんよ。ラッキーさんは知らなかったの?」
「料理長!?」
(学園の料理を作ってるからってグレイ教団と無関係とは言えないな。どうする?とりあえずこの場は情報収集に徹するか。)
「いやすまない。ちょっと取り乱したよ。ごめん。ピンク色の薬で魔力が増えるって言葉が聞こえたから気になってね。」
「ランドルトさんはその薬について何か知ってるんですか?俺は今その薬を調べているんです。」
「君は・・・あっ!?確か最近毎日食堂で多くのパンを食べてくれてる学生だね。」
「俺の事知ってるんですか?」
「もちろんだよ。あんなにおいしそうにあのパンを食べてくれてるんだ。印象に残ってるよ。」
(敵ではないのか・・・それにパンの事を知ってる!?あのパンは今回の件と何か繋がってるのか?わからないな・・・)
「詳しくは言えませんが、その薬は魔力が増える薬なんかじゃありません。俺はその薬を配ってる組織を追っています。何か知ってるなら教えてくれませんか?」
「そうか・・・。わかった。ここで人目に付く。こっちで話そう。それとラッキー君。その依頼はもしかして学園長からかな?」
「そうです。よくわかりましたね。」
「まあその辺の話もするよ。僕も少なからず関係しているからね。」
ラッキーとミルキーはランドルトついて行く。着いた先は食堂の奧だった。
(予期せぬタイミングで食堂の中に入れたな。魔法が使えない薬の事も重要だがパンの秘密も知りたい所だ。機会を見て聞けたらいいんだけど・・・)
「さて座ってくれ。今お茶を持ってくるよ。」
ランドルトはお茶を準備しに行ったので、部屋から出ていく。
「ラッキーさん。さっき言ってた魔力が増える薬じゃないってどういう事ですか?」
「あ、ああ。ランドルトさんも何か知ってるようだから来るまで待とうか。そこで話すよ。」
「はい・・・」
すると、お茶を入れたお盆を片手にランドルトが戻ってきた。
「それじゃ、とりあえず話をしようか。先にミルキーさんの状況を教えてもらっていいかな。」
「はい。学園の外を歩いていたら声を掛けられたんです。魔力が上がる薬に興味はないか?って。私はもちろん興味ありますって答えました。そしたらピンク色のポーションみたいなモノを渡されたんです。タダで上げるからどれぐらい魔力が上がったか教えてほしいって。それで渡されたモノを飲んでその人と別れたらラッキーさんが来た感じです。」
「なるほど。それでラッキー君。君はあれを魔力が上がる薬じゃないって言ってたね。」
「はい。俺は学園長から魔法が使えなくなる人がいて、その人達は今回のミルキーのようにピンク色のポーションに似たモノを飲んでから魔法が使えなくなる事がわかりました。そして、その薬はグレイ教団という魔法教団が配っている事がわかりました。それでその薬を広めてるグレイ教団の人を探していたら今日、ミルキーと接触してるのを発見したんです。」
「やっぱりグレイ教団か・・・学園長も僕に言ってくれればよかったのに・・・いや僕が言ってなかったから知らなかったのか・・・」
「ランドルトさんは何か知ってるんですか?」
「ああ。といっても知っていた。が正しいけどね。」
「知っていた?」
「ああ。僕はグレイ教団に居たんだ。そこで魔力が増える薬を研究してたんだ。だけど実際は魔力がなくなって魔法が使えなくなる薬を研究してる事がわかってね。むりやり抜けたんだ。」
「!?」
(まじか・・・こんな所に元グレイ教団の人がいるなんて・・・)
「その時にはその薬はまだ完成してなかったけど、もう完成してるなんてね。それに・・・僕達の国で魔法が使えなくなる事がどれだけの事か・・・あいつ等は本気でこの国を乗っ取ろうとしてるんだ。」
「ちょっと、ちょっと待ってください。魔法が使えなくなるってどういう事ですか?」
「ミルキー・・・君が飲んだ薬は魔力が増える薬じゃなくて、魔法が使えなくなる薬なんだ。グレイ教団はこの国の人達にその薬を飲ませてこの国を裏から牛耳ろうとしてるんだ。」
「そんな・・・」
ミルキーは話が信じられないのか、その場でいくつか魔法を使っている。ミルキーの魔法は問題なく発動した。
「なんだ~。ラッキーさん、ちゃんと魔法は使えてるじゃないですか?」
「いやミルキー、今日魔法は使えても明日朝起きたら使えなくなってるらしいんだ。飲んだ人達も、その日はみんな魔法が使えたらしい。」
「そんな・・・」
(どうする?万能薬草を使うか?でもこれ1枚しか持っていない。感謝はされるだろうけど、使った所で解決にはならないよな~。いやランドルトさんなら治療薬を持ってるかもしてないか。)
「ランドルトさんは治療薬を持ってたりしませんか?薬を作ったって事は治療薬も同時に作ってると思うんですが?」
「たしかにラッキーの言う通り、魔法が使えない薬があるんだとしたらその治療薬は必ず存在する。だけどすまない。僕は治療薬を持ってないんだ。」
「ランドルトさんが研究してた魔力が増える薬を使ってもダメですか?俺の予想ですが、魔法が使えない薬は、魔力がゼロになって魔法が使えなくなってるんだと思ってます。自然回復量よりも薬による魔力消費量が多いから使えない気がするんです。」
「そうだね。たしかに僕の研究した薬は完成はしてないが、試作品はいくつかあるから試すのはかまわない。だけど効果があってもそれは一時的なものだと思う。」
「そうですか・・・」
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