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第4章 ゼンパンの素質とウィークリーガチャ
第166話 魔法が使えなくなる薬とは・・・
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「至って普通の魔法研究施設だったわね。」
ガイア国の霊峰オーディールで神獣アークドラゴンと話しをした後、ラッキー達はフランダル魔法国に戻り、グレイ魔法教団の本拠地と言われているレッドブルー魔法研究所を見学した。
レッドブルー魔法研究所は、地上6階建ての大きな建物で、見学と言っても見れたのは1階と2階だけで、しかも当たり障りのない説明と少しの施設を見せてもらっただけなので、グレイ魔法教団の事は全く分からなかった。
「そうだな。全く手掛かりがなかったな。こうなるとモートルの町か他の町で薬を売ってる人を見つける方が早いかもしれないな。」
「とりあえず魔法が使えなくなった人に話を聞いてみますか?」
「そうだな。どんな人だったか聞いてみるか。何かしら分かればいいんだけど・・・」
レッドブルー魔法研究所からは全く手掛かりがつかめなかったのでラッキー達は、魔法が使えなくなった人に話を聞く事にした。早速ギルドに行き事情を話し、その人を呼んでもらった。
「すいません。何度も聞かれたかもしれませんがもう一度話して頂いてよろしいでしょうか?」
ラッキー達の目の前にいるのは30代を過ぎた女性であった。
「はい。あれはモートルで買い物をしていた時です。私に声をかけてきたのは白いローブ姿の男性でした。年は40歳を過ぎているぐらいでしょうか。私に魔力を増やしたくありませんか?って聞いて来たんです。」
「それでどうしたんですか?」
「もちろんです。って答えましたよ。この国に居て魔力を増やしたくない人なんていませんからね。」
「それで薬を買ったんですか?怪しいと思わなかったんですか?」
「そうですね。初回は無料って言われましたので、無料ならいいかって感じでした。効果が良ければ次回は購入してください。って言われたので。見た目もポーションみたいで、色も怪しい感じじゃなくてポーションのようなピンク色でしたから。」
(なるほど。たしかに怪しい薬にお金を払うなら警戒するが、無料ならもらう人は多いか・・・)
「それでその日に薬は飲んだんですか?」
「はい。その場で飲みました。無料なので瓶は返してくださいと言われましたから。」
「その瞬間から魔法が使えなくなったんですか?」
(いきなり魔法が使えなくなるのか?それとも徐々に使えなくなるのか・・・)
「え~っと・・・あ!?そういえば魔力を増やす為にその日はあまり魔法を使わない様に言われました。家に帰ってお風呂に水を貯めるのに水魔法を使ったんですがその日はちゃんと魔法が使えました。」
(なるほど。飲んだすぐに魔法が使えなくなるわけじゃないって事か。)
「いつから魔法が使えなくなったんですか?」
「翌日からです。朝起きて魔法を使おうと思ったら発動しなかったんです。始めはしばらくすれば使えると思ったんですが、何日経っても使えるようになりませんでした。今も・・・」
話をする女性はひどく落ち込んでいた。この国に居て魔法が使えないという事は生活に支障が出てもおかしくないからである。一応魔道具が普及しているので魔法が無くても生活する事は可能だが不便な面はあるだろう。
「そうですか・・・」
(薬を飲んでもその日は魔法が使えたっていうのは、聞けてよかった。もしヘマしてグレイ魔法教団に魔法を使えなくなるようにされても脱出ぐらいはできそうだな。)
その後、何名かの人に話を聞いたが、皆同じような話をした。
「どう思うラッキー?」
「ああ、まあ仮定の話ではあるけど、アークドラゴン様の話と今日聞いた魔法が使えない人の話から、魔法が使えない薬は、魔力が継続的にゼロになる薬だと思う。」
「そうですね。魔力がなくなると頭痛がしたり気絶したりするのが普通ですけど、そういった事にならないように作ってるんでしょうか?」
「そうだと思う。飲んだその日にまだ魔法が使えたって事は、薬を飲んでから徐々に魔力が減っていくんだろう。そして一度ゼロになったらそこから魔力は回復しない。いや回復したとしても同じだけ減って結局ゼロになるって事だろう。」
「どうするの?」
「ああ。考えたんだがそんなすごい薬を作る時って、きっとちゃんと効果が出てるか確認すると思うんだ。」
「そうですね。あっ!?」
「そう。という事は・・・」
「「「治療薬が存在する!!」」」
「ああ。誰かで効果を試さないと、使うなんてできないからな。きっとグレイ魔法教団は治療薬を持っている。」
「でもそのグレイ魔法教団の本拠地がわからないわ。」
「ああ。でも白いローブの男性が薬を広めてる。その人を見つける事ができれば薬の補充をどこかでしてるはずだ。」
「どこかにいる魔法教団の人を探すのね。」
「ああ。一度見つける事ができれば後を付ければ場所が特定できるかもしれない。リルがいれば匂いを元に探す事ができるかもしれない。見つけるまで時間がかかるかもしれないが、今できる事で一番確実な方法だと思う。」
薬を広めている人を探す為、ラッキー達は二手に分かれる事にした。ラッキーとシルフィードは王城と魔法学園のある都市フランダルを、マリアとリルはモートルの町を調べる事になったのだった。
ガイア国の霊峰オーディールで神獣アークドラゴンと話しをした後、ラッキー達はフランダル魔法国に戻り、グレイ魔法教団の本拠地と言われているレッドブルー魔法研究所を見学した。
レッドブルー魔法研究所は、地上6階建ての大きな建物で、見学と言っても見れたのは1階と2階だけで、しかも当たり障りのない説明と少しの施設を見せてもらっただけなので、グレイ魔法教団の事は全く分からなかった。
「そうだな。全く手掛かりがなかったな。こうなるとモートルの町か他の町で薬を売ってる人を見つける方が早いかもしれないな。」
「とりあえず魔法が使えなくなった人に話を聞いてみますか?」
「そうだな。どんな人だったか聞いてみるか。何かしら分かればいいんだけど・・・」
レッドブルー魔法研究所からは全く手掛かりがつかめなかったのでラッキー達は、魔法が使えなくなった人に話を聞く事にした。早速ギルドに行き事情を話し、その人を呼んでもらった。
「すいません。何度も聞かれたかもしれませんがもう一度話して頂いてよろしいでしょうか?」
ラッキー達の目の前にいるのは30代を過ぎた女性であった。
「はい。あれはモートルで買い物をしていた時です。私に声をかけてきたのは白いローブ姿の男性でした。年は40歳を過ぎているぐらいでしょうか。私に魔力を増やしたくありませんか?って聞いて来たんです。」
「それでどうしたんですか?」
「もちろんです。って答えましたよ。この国に居て魔力を増やしたくない人なんていませんからね。」
「それで薬を買ったんですか?怪しいと思わなかったんですか?」
「そうですね。初回は無料って言われましたので、無料ならいいかって感じでした。効果が良ければ次回は購入してください。って言われたので。見た目もポーションみたいで、色も怪しい感じじゃなくてポーションのようなピンク色でしたから。」
(なるほど。たしかに怪しい薬にお金を払うなら警戒するが、無料ならもらう人は多いか・・・)
「それでその日に薬は飲んだんですか?」
「はい。その場で飲みました。無料なので瓶は返してくださいと言われましたから。」
「その瞬間から魔法が使えなくなったんですか?」
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「そうですか・・・」
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「どう思うラッキー?」
「ああ、まあ仮定の話ではあるけど、アークドラゴン様の話と今日聞いた魔法が使えない人の話から、魔法が使えない薬は、魔力が継続的にゼロになる薬だと思う。」
「そうですね。魔力がなくなると頭痛がしたり気絶したりするのが普通ですけど、そういった事にならないように作ってるんでしょうか?」
「そうだと思う。飲んだその日にまだ魔法が使えたって事は、薬を飲んでから徐々に魔力が減っていくんだろう。そして一度ゼロになったらそこから魔力は回復しない。いや回復したとしても同じだけ減って結局ゼロになるって事だろう。」
「どうするの?」
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「ああ。一度見つける事ができれば後を付ければ場所が特定できるかもしれない。リルがいれば匂いを元に探す事ができるかもしれない。見つけるまで時間がかかるかもしれないが、今できる事で一番確実な方法だと思う。」
薬を広めている人を探す為、ラッキー達は二手に分かれる事にした。ラッキーとシルフィードは王城と魔法学園のある都市フランダルを、マリアとリルはモートルの町を調べる事になったのだった。
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