ガチャからは99.7%パンが出るけど、世界で一番の素質を持ってるので今日もがんばります

ベルピー

文字の大きさ
上 下
152 / 178
第4章 ゼンパンの素質とウィークリーガチャ

第152話 ビッグゴブリンとビッグスライム

しおりを挟む
原初の森の入り口に転移したラッキー達は、まずはグルっと原初の森の入り口を歩き始めた。

「中に入らないの?」

「うん。俺の気配察知がどうやら森の中では全くきかないみたいなんだ。どんな魔物が出るかわからないからまずは外側から見える魔物を倒しながら行こうかと思って。」

「なるほど。それが賢明ね。私が聞いた話だったら森に出るようなゴブリンとかオークとかが出るけど、大きさが全然違うらしいわ。」

「俺達が苦労して倒したオークよりも大きなオークか・・・それはちょっと怖いな。」

「何言ってるのよ?グリーンドラゴンを倒したんでしょ。ドラゴンと比べたら全然小さいわよ。」

「たしかに。それはそうだな。」

「隊列はラッキー様が前衛で、私とシルフィーが後衛で大丈夫ですか?」

「うん。ここで火魔法は危ないから基本的に剣術で行く事にするよ。その方がバランスも良いしね。」

そうしてラッキー達は原初の森にいる魔物を探していく。すると・・・

「いた。ゴブリンだ。」

「大きいわね。それに3体いるわ。」

見つけたゴブリンは今までみたどのゴブリンよりも大きかった。普通のゴブリンが1mぐらいの大きさなのに対し、見えているゴブリンは1.5m程あった。

「まさにビッグゴブリンだな。」

「どうするの?ここから魔法で攻撃する?」

「そうだな。見る限り周りに他の魔物はいない。シルフィーとマリアで1体ずつ魔法ずつ攻撃してくれ。それで倒せればいいし倒れなかったら俺が相手するからその間に1体ずつ倒すようにしよう。」

「3体も大丈夫なの?」

「複数でグリーンドラゴンを倒す相手だろ?大丈夫俺だって一人でグリーンドラゴンを倒せるまでには成長してる。まかせてくれ。」

シルフィードとマリアが魔法を放つと同時にラッキーはゴブリンに向かっていく。

(3体か。攻撃を受けずに倒すのは無理だな。そういやダンジョンでもギルドの依頼を受ける時でも基本は一撃で倒せる相手ばっかりだったな。霊峰でもそうだったし、これも経験だ。転移魔法を使えば楽だろうけど、楽してばかりじゃ強くなれない。ここは転移魔法を封印してやってみるか。)

ラッキーは魔法が当たっていないゴブリンに向かっていき、剣を振った。ラッキーの振った剣はゴブリンの顔を切り裂いた。ゴブリンはギャーという声とともに後ろに下がる。

シルフィード、マリアの魔法が直撃したゴブリン達も魔法が当たった個所を抑えながらもギャッギャッ言いながらもラッキーに迫ってくる。ゴブリン達は武器を持っていなかったので近づいてくるゴブリンから順番に剣を振って行く。

手数が足りなそうになるが、ラッキーの攻撃と並行して、後ろからゴブリンに向かって魔法が飛んできた。

(武器を持ってないゴブリンなら問題なさそうだな。)

剣を持つラッキーと素手のゴブリン。どちらが強いかは明白だった。最後はラッキーが首をはねてゴブリン3体を倒した。

「なんとかなりそうだな。」

「そうですね。3体までで、武器を持ってなかったのがよかったですね。」

「ああ。」

「それで、このゴブリンどうする?最近ダンジョンばっかり言ってたから素材が残ってるのって新鮮ね。」

「たしかにそうだな。でもゴブリンって使える素材ないだろ?討伐証明の耳もいらないから、魔石だけとりだして後は燃やすか。残しておくと魔物が寄ってくるだろうし。」

「敢えてここにゴブリンを残しておけば、周辺の魔物が釣れるんじゃない?」

「たしかにシルフィーの言う事も一理あるけど、対処できない数の魔物に来られるとまずい。だけど外周をずっと回ってても奥には進めない。ある程度リスクは負わないといけないかもな。」

どうやって奥に進んで行くかその場で話合い、ドンドン進むのじゃなくて、ゆっくりと周りを警戒しつつ奥に進んで行く事にした3人。明日からも同じ道を進む為、明日から移動しやすいように草をかき分けて人が通れる道を作りながら進んで行った。

「見てラッキー!あれはスライムじゃない?」

普段は30㎝程の大きさのスライムがここでは1m程の大きさになっていた。

「ああ。スライムだな。いやビッグスライムか。だけどあれぐらい的が大きかったら俺の魔法でもいけそうだ。見た所1体だけだし、全員の魔法で倒せそうだ。魔力はまだ全然いけるだろ?」

「大丈夫よ。」

「私も大丈夫です。」

ラッキー達は魔法を放ち、ビッグスライムを倒した。

(やっぱり魔法が使えるのは大きいな。遠距離攻撃の手段があると攻撃の幅が広がるな。あっそういえば魔法の杖持ってたな。転移魔法と剣術でずっと鍛錬してたから忘れてた。魔法の杖なら魔力の塊を飛ばせるから燃える心配もないし、俺もシルフィー達と同じように遠距離で攻撃して数を減らしてから接近戦に臨んだ方がより多くの魔物を倒せそうだな。)

ビッグスライムから魔石を取り出し、引き続きラッキー達は原初の森の魔物を倒して行った。

ビッグゴブリン、ビッグスライムは倒す事ができたが、ビッグウルフに囲まれた時は無理せず転移魔法で逃げた。なんせフェンリル様を一回り小さくした感じのウルフが20体もいたのだ。戦えば無事では済まなかっただろう。

転移魔法を使ってフェンリル様の住処にもどったラッキー達だが、予想とは違い、負けると思ったら撤退した。という判断を褒められた。

(なるほど、逃げたら負けと思ってたけどそうじゃないんだな。自分の実力と相手の実力を見てどうするのか判断する。これはかなりの鍛錬になりそうだ。)

転移魔法の回数がまだ残ってるので、引き続き原初の森の入り口に移動したラッキー達は先ほどのウルフの群れに遭遇しないように別のルートから魔物の討伐をしていくのだった。
しおりを挟む
感想 52

あなたにおすすめの小説

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う

たくみ
ファンタジー
 圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。  アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。  ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?                        それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。  自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。  このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。  それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。 ※小説家になろうさんで投稿始めました

どうも、死んだはずの悪役令嬢です。

西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。 皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。 アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。 「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」 こっそり呟いた瞬間、 《願いを聞き届けてあげるよ!》 何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。 「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」 義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。 今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで… ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。 はたしてアシュレイは元に戻れるのか? 剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。 ざまあが書きたかった。それだけです。

あなたがそう望んだから

まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」 思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。 確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。 喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。 ○○○○○○○○○○ 誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。 閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*) 何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

放置された公爵令嬢が幸せになるまで

こうじ
ファンタジー
アイネス・カンラダは物心ついた時から家族に放置されていた。両親の顔も知らないし兄や妹がいる事は知っているが顔も話した事もない。ずっと離れで暮らし自分の事は自分でやっている。そんな日々を過ごしていた彼女が幸せになる話。

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

【完結】婚約を解消して進路変更を希望いたします

宇水涼麻
ファンタジー
三ヶ月後に卒業を迎える学園の食堂では卒業後の進路についての話題がそここで繰り広げられている。 しかし、一つのテーブルそんなものは関係ないとばかりに四人の生徒が戯れていた。 そこへ美しく気品ある三人の女子生徒が近付いた。 彼女たちの卒業後の進路はどうなるのだろうか? 中世ヨーロッパ風のお話です。 HOTにランクインしました。ありがとうございます! ファンタジーの週間人気部門で1位になりました。みなさまのおかげです! ありがとうございます!

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

処理中です...