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第3章 ゼンパンの素質とプレミアムガチャスキル
第124話 霊峰オーディールの主アークドラゴン
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リルがアークドラゴンに向かって念話を使い、その反応を霊峰オーディールの結界前で待っていると、遠くから1体のドラゴンがこちらにむかってくるのが見えた。
山の途中まで登っていたラッキー達だが、白い靄がかかっているので山の頂上はまだまだ見えない。遠目から見る感覚ではラッキー達のいる場所は3分の1も登っていないのではないだろうか。
そのドラゴンは結界の前まできて・・・
『お前達がフェンの言ってた人達だね。坊や久しぶりだね。元気にしてたかい?』
と人の言葉をしゃべるのだった。
「「「しゃべった!?」」」
『アークおばちゃん久しぶりなんだぞー。』
『で、どの子がラッキーなんだい?フェンからは坊やとラッキーって子が行くから殺すなよ。としか言われてないからね。』
「アークドラゴン様。俺がラッキーです。」
『そうかいそうかい。なら早速転移魔法を使って中に入ってきな。アタシの側にいれば他のドラゴンは寄ってこないからね。』
「アークドラゴン様。ここにいる全員で結界の中に入っても大丈夫でしょうか?」
『かまわないよ。どうやら話があるのは、ラッキーじゃなくて、そこのお嬢ちゃんみたいだしね?だけど下手な事はしないでおくれよ。おかしな事すりゃ命の保証はできないよ。』
(さすが神獣様。こちらの事はお見通しか。)
「わかりました。では早速結界の中に入ります。シルフィー。マリア。」
「わかったわ。」
「リルちゃんは私が抱っこしてあげますね。」
そう言って、ラッキー、シルフィールド、マリア、リル、セレス、タルト、マフィン、ダイン、オパールは手を繋いだ。
ラッキーに触れていなくても繋がっていれば一緒に転移できるのは検証済みだった。
全員が繋がったのを確認すると、ラッキーは転移魔法を発動した。移動先は1メートル先の結界内だ。ラッキーは見事、今まで誰も入った事のなかった霊峰オーディールの結界内に足を踏み入れた。
「「「!?」」」
結界内に入ると、さっきまで感じる事のなかった多くの殺気を感じ、ラッキー、ダイン、オパールの3人は剣に手をかけた。
『安心しな。アタシが入れば襲ってくるバカなんていや~しないよ。』
アークドラゴンの言葉にラッキーは剣から手を離した。
(結界内に入った瞬間から感じる殺気はやっぱりドラゴンか・・・アークドラゴン様がいなかったらやっぱり入った瞬間に襲われてたな。)
『それで?わざわざこんな所にきた要件はなんだい?』
「アークドラゴン様。私はガイア国の王女、セレス・ガイアと申します。ここに生えている万能薬草を分けて頂きたいのです。母が呪いにかかっていて、それを治すのにつかいたいんです。」
『アークおばちゃん。セレスを助けてやっほしいんだぞー。』
『なるほどね。そう言う事かい。まあ草ぐらいなら全然かまわないよ。そこら辺に生えてるからね。』
「本当ですか!?」
『ああ。それにしてもここの薬草じゃないと治せない呪いなんてお嬢ちゃんの母親も厄介な呪いを貰ったもんだね。』
「はい。調べてもらった所、パンドーラの呪いと言う事までしかわかりませんでした。誰にかけられたのかも、どんな呪いなのかも・・・」
『なるほどね。そういう事かい。』
(フェンが決まりを無視してまで、ここに来させた訳がわかったよ。多分呪いをかけたヤツは帝国だろうね。今のままのこの子達じゃやられるのがオチだね。さてどうしたもんか。)
「呪いについて知ってるんですか?」
『まあそんな所だね。お嬢ちゃん。ここの薬草をすり潰してお湯と混ぜたモノを3日間飲ませてあげな。そうすれば母親の呪いは完全にとけるはずさ。』
「本当ですか!?ありがとうございます!これでお母様が・・・」
「セレス王女・・・」
『ただし、手を貸すのは今回だけだよ。本来ここはオーディールダンジョンの攻略者しかこれない場所だからね。』
「どういう事ですか?」
『ああ、お嬢ちゃんも知らないんだね。ここの結界はねオーディールの加護を持つものなら通れるようになってるんだよ。それで、オーディールダンジョンを攻略したモノには加護が与えられるのさ。今回はラッキーのおかげでイレギュラーで入ってきたけど、本来は入って来れないし、入って来れても本来のルートで入ってきてないから不法侵入になるのさ。』
(なるほど。オーディールはまだ未攻略だから、この事を知らなかったって感じか。危なかったな。勝手に入ると不法侵入・・・。もしかして過去に入った人がいたかもしれないけど、無事に出られなかったって事かな・・・)
「そうなんですね・・・アークドラゴン様。この度はありがとうございました。」
『かまわないよ。誰もこないからアタシも暇してたからね。暇ついでにもう一つ。ラッキー。オーディールダンジョン30階層を調べてみな。あんたにとって良い物が見つかるかもしれないよ。』
『アークおばちゃん。良い物ってなんだー?』
『それは見つける事ができてからのお楽しみだよ。』
『おれはアークおばちゃんがいつも持ってきてくれる肉が良いんだぞー』
『坊や用の肉は用意してあるから後で渡してあげるよ。』
『本当かー。ありがとうなんだぞー』
(オーディールダンジョンの30階層か・・・。俺にとって良い物・・・なんだろ?パンではないだろうから・・・)
そうして、ラッキー達は無事に霊峰オーディールで万能薬草を手に入れる事ができたのだった。
山の途中まで登っていたラッキー達だが、白い靄がかかっているので山の頂上はまだまだ見えない。遠目から見る感覚ではラッキー達のいる場所は3分の1も登っていないのではないだろうか。
そのドラゴンは結界の前まできて・・・
『お前達がフェンの言ってた人達だね。坊や久しぶりだね。元気にしてたかい?』
と人の言葉をしゃべるのだった。
「「「しゃべった!?」」」
『アークおばちゃん久しぶりなんだぞー。』
『で、どの子がラッキーなんだい?フェンからは坊やとラッキーって子が行くから殺すなよ。としか言われてないからね。』
「アークドラゴン様。俺がラッキーです。」
『そうかいそうかい。なら早速転移魔法を使って中に入ってきな。アタシの側にいれば他のドラゴンは寄ってこないからね。』
「アークドラゴン様。ここにいる全員で結界の中に入っても大丈夫でしょうか?」
『かまわないよ。どうやら話があるのは、ラッキーじゃなくて、そこのお嬢ちゃんみたいだしね?だけど下手な事はしないでおくれよ。おかしな事すりゃ命の保証はできないよ。』
(さすが神獣様。こちらの事はお見通しか。)
「わかりました。では早速結界の中に入ります。シルフィー。マリア。」
「わかったわ。」
「リルちゃんは私が抱っこしてあげますね。」
そう言って、ラッキー、シルフィールド、マリア、リル、セレス、タルト、マフィン、ダイン、オパールは手を繋いだ。
ラッキーに触れていなくても繋がっていれば一緒に転移できるのは検証済みだった。
全員が繋がったのを確認すると、ラッキーは転移魔法を発動した。移動先は1メートル先の結界内だ。ラッキーは見事、今まで誰も入った事のなかった霊峰オーディールの結界内に足を踏み入れた。
「「「!?」」」
結界内に入ると、さっきまで感じる事のなかった多くの殺気を感じ、ラッキー、ダイン、オパールの3人は剣に手をかけた。
『安心しな。アタシが入れば襲ってくるバカなんていや~しないよ。』
アークドラゴンの言葉にラッキーは剣から手を離した。
(結界内に入った瞬間から感じる殺気はやっぱりドラゴンか・・・アークドラゴン様がいなかったらやっぱり入った瞬間に襲われてたな。)
『それで?わざわざこんな所にきた要件はなんだい?』
「アークドラゴン様。私はガイア国の王女、セレス・ガイアと申します。ここに生えている万能薬草を分けて頂きたいのです。母が呪いにかかっていて、それを治すのにつかいたいんです。」
『アークおばちゃん。セレスを助けてやっほしいんだぞー。』
『なるほどね。そう言う事かい。まあ草ぐらいなら全然かまわないよ。そこら辺に生えてるからね。』
「本当ですか!?」
『ああ。それにしてもここの薬草じゃないと治せない呪いなんてお嬢ちゃんの母親も厄介な呪いを貰ったもんだね。』
「はい。調べてもらった所、パンドーラの呪いと言う事までしかわかりませんでした。誰にかけられたのかも、どんな呪いなのかも・・・」
『なるほどね。そういう事かい。』
(フェンが決まりを無視してまで、ここに来させた訳がわかったよ。多分呪いをかけたヤツは帝国だろうね。今のままのこの子達じゃやられるのがオチだね。さてどうしたもんか。)
「呪いについて知ってるんですか?」
『まあそんな所だね。お嬢ちゃん。ここの薬草をすり潰してお湯と混ぜたモノを3日間飲ませてあげな。そうすれば母親の呪いは完全にとけるはずさ。』
「本当ですか!?ありがとうございます!これでお母様が・・・」
「セレス王女・・・」
『ただし、手を貸すのは今回だけだよ。本来ここはオーディールダンジョンの攻略者しかこれない場所だからね。』
「どういう事ですか?」
『ああ、お嬢ちゃんも知らないんだね。ここの結界はねオーディールの加護を持つものなら通れるようになってるんだよ。それで、オーディールダンジョンを攻略したモノには加護が与えられるのさ。今回はラッキーのおかげでイレギュラーで入ってきたけど、本来は入って来れないし、入って来れても本来のルートで入ってきてないから不法侵入になるのさ。』
(なるほど。オーディールはまだ未攻略だから、この事を知らなかったって感じか。危なかったな。勝手に入ると不法侵入・・・。もしかして過去に入った人がいたかもしれないけど、無事に出られなかったって事かな・・・)
「そうなんですね・・・アークドラゴン様。この度はありがとうございました。」
『かまわないよ。誰もこないからアタシも暇してたからね。暇ついでにもう一つ。ラッキー。オーディールダンジョン30階層を調べてみな。あんたにとって良い物が見つかるかもしれないよ。』
『アークおばちゃん。良い物ってなんだー?』
『それは見つける事ができてからのお楽しみだよ。』
『おれはアークおばちゃんがいつも持ってきてくれる肉が良いんだぞー』
『坊や用の肉は用意してあるから後で渡してあげるよ。』
『本当かー。ありがとうなんだぞー』
(オーディールダンジョンの30階層か・・・。俺にとって良い物・・・なんだろ?パンではないだろうから・・・)
そうして、ラッキー達は無事に霊峰オーディールで万能薬草を手に入れる事ができたのだった。
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