112 / 178
第3章 ゼンパンの素質とプレミアムガチャスキル
第112話 ラッキーの転移魔法
しおりを挟む
(どうしてこうなった・・・)
ラッキーは今、四国会議参加者全員から注目を浴びていた。
事の発端は、ガイア王国のお姫様だ。会議の開始とともに各国の参加者の紹介が始まり、ラッキーも周りと同じように名前と素質の説明をしただけだった。
全員の紹介が終わった後、ガイア王国のお姫様セレスがラッキーの転移魔法を見てみたいを言った事が始まりだ。
その声に合わせて、他の国も是非見てみたいと声が上がり、ラッキーは今、全員の目の前で立たされていた。
「で、では、今から転移魔法を使わせて頂きます。え~っと転移魔法と言っても自由にどこにでもいけるわけではありません。現にここからアルカディアまで転移できるかと言えば無理です。」
「距離に制限があるんですか?」
「セレス殿。深く聞くのはマナー違反ですぞ。」
「あら?ラッキーさんの転移魔法は四国同盟の中でも凄く重要ですわ。どれぐらいの距離を、どれぐらいの頻度で、どれぐらいの数を、ぐらいは共有しておいた方がいいのではないですか?」
「それは・・・」
(たしかにセレス様の言う通りだな。あまり深く詳細を語るなとは言われたけど、その辺は話しておかないといけない流れだな。)
「セレス様。私の転移魔法は最大1キロ、一日10回、数は正確には把握してませんが10人はいけると思います。」
(距離は今後も伸ばしていけるし、現状を語るぐらいなら問題ないだろ。)
「ラッキーさん。ありがとうございます。」
「いえ。それでは転移魔法を発動します。」
ラッキーは転移魔法を使い、全員の目の前から一瞬で消えた。
「消えた!?」
「これが転移魔法です。」
参加者全員の後ろからラッキーの声が聞こえて、全員が振り返った。それを確認したラッキーは再度転移魔法を使い、元の場所に戻る。
「これはすごい!?」
「ラッキー殿が協力してくれれば四国同盟も更に強力になりそうですな。」
「いやいや、まだ子供だ。その辺を考慮して上げないと。」
ラッキーの転移魔法を見てから、四国会議はラッキーの転移魔法をどのように活用するかに話が変わっていた。
(見せたのは失敗だったかな~。陛下達が軍事利用はしない。って言ってくれてるけど、荷物の輸送とか、兵の移動とか物騒な言葉も出てるし・・・)
そして・・・
初日の会議は無事?に終わった。
「災難だったわねラッキー。」
「シルフィー。そうだね。ちょっと疲れたかな。」
「大丈夫?この後、今日の会議内容の共有と今後の打ち合わせよ?」
「うん。大丈夫だよ。」
宿に戻ったラッキー達はそのまま今後の打ち合わせに入った。
「疲れてるだろうにすまんな、ラッキー。」
「大丈夫です陛下。まあ会議はちょっと疲れましたけど。」
「思いの他、ラッキーの転移魔法に興味を示していたな。」
「当然でしょう。ウチではなく、もし他国が転移魔法を持っていれば同じようにしたと思います。」
「たしかにそうだな。」
「今日の会議で、ラッキーが注目を集めてるのはわかった。明日からも積極的に攻略を図ってくるだろう。大丈夫か?」
「深い所とかはわからないけど、今日話した感じなら仲良くなれそうだとは思ったよ。明日からっていうか今日から色々聞かれたけどね。明日はシルベスターさんとリーフさんが町を案内してくれるみたいだし。」
「勇者と弓聖か。たしかに地元だから案内も申し出るのも不自然ではないか。」
「うん。それに俺もやっぱり勇者には興味あるしね。交流戦はシルベスターさんと試合してみたいし。」
「そういえば交流戦をするんだったな。予定にはなかったが、お互いの戦力を把握するにはもってこいだな。ラッキーは勇者か。シルフィード嬢とマリア嬢は希望はあるのか?」
「私はフランダル魔法国の人達ね。私も魔法系の素質だし。」
「私は特には、元々戦闘系の素質ではありませんし。」
「まあ何にせよ。明日からは気を付けてくれ。」
「大丈夫です。何かあれば転移魔法でここまで戻って来れますから。」
「そうだな。ラッキーには転移魔法があったな。だが、ラッキーだけじゃない。プリンやシルフィード、マリアが狙われる可能性もある。みんな気を付けるんだぞ。」
「そういえばプリン王女。シルベスターさんはどうだったんですか?」
「そうね。第一印象としては合格ね。見た目もいいし、話し方も好感が持てたわ。」
「勇者とプリンが一緒になってくれれば我が国も更によくなる。だが、あまりちょっかいかけすぎて嫌われるような事はしてはいかんぞ。」
「わかってるわ。お父様。」
『明日は俺もラッキーについて行くんだぞー。留守番は嫌なんだぞー。』
「もちろん明日はリルも一緒だよ。」
「リルちゃん。今日会議に行けなかったからいじけてるのね。可愛い。」
「ああ。やっぱりマリアにはわかったか?」
「ちょっとだけですけどね。リルちゃんの声のトーンとかで。」
(すげーなマリア。その内リルの言葉もわかるようになるんじゃ・・・)
そうして、初日の四国会議を無事に終えたラッキー達は、明日からの事を打合せし翌日に備えるのだった。
☆☆☆★★★☆☆☆
お読みいただきありがとうございます。
新作も無事に投稿致しました。ブログでは先行的に公開しています。
引き続き、評価に応援、よろしくお願いいたします。
ラッキーは今、四国会議参加者全員から注目を浴びていた。
事の発端は、ガイア王国のお姫様だ。会議の開始とともに各国の参加者の紹介が始まり、ラッキーも周りと同じように名前と素質の説明をしただけだった。
全員の紹介が終わった後、ガイア王国のお姫様セレスがラッキーの転移魔法を見てみたいを言った事が始まりだ。
その声に合わせて、他の国も是非見てみたいと声が上がり、ラッキーは今、全員の目の前で立たされていた。
「で、では、今から転移魔法を使わせて頂きます。え~っと転移魔法と言っても自由にどこにでもいけるわけではありません。現にここからアルカディアまで転移できるかと言えば無理です。」
「距離に制限があるんですか?」
「セレス殿。深く聞くのはマナー違反ですぞ。」
「あら?ラッキーさんの転移魔法は四国同盟の中でも凄く重要ですわ。どれぐらいの距離を、どれぐらいの頻度で、どれぐらいの数を、ぐらいは共有しておいた方がいいのではないですか?」
「それは・・・」
(たしかにセレス様の言う通りだな。あまり深く詳細を語るなとは言われたけど、その辺は話しておかないといけない流れだな。)
「セレス様。私の転移魔法は最大1キロ、一日10回、数は正確には把握してませんが10人はいけると思います。」
(距離は今後も伸ばしていけるし、現状を語るぐらいなら問題ないだろ。)
「ラッキーさん。ありがとうございます。」
「いえ。それでは転移魔法を発動します。」
ラッキーは転移魔法を使い、全員の目の前から一瞬で消えた。
「消えた!?」
「これが転移魔法です。」
参加者全員の後ろからラッキーの声が聞こえて、全員が振り返った。それを確認したラッキーは再度転移魔法を使い、元の場所に戻る。
「これはすごい!?」
「ラッキー殿が協力してくれれば四国同盟も更に強力になりそうですな。」
「いやいや、まだ子供だ。その辺を考慮して上げないと。」
ラッキーの転移魔法を見てから、四国会議はラッキーの転移魔法をどのように活用するかに話が変わっていた。
(見せたのは失敗だったかな~。陛下達が軍事利用はしない。って言ってくれてるけど、荷物の輸送とか、兵の移動とか物騒な言葉も出てるし・・・)
そして・・・
初日の会議は無事?に終わった。
「災難だったわねラッキー。」
「シルフィー。そうだね。ちょっと疲れたかな。」
「大丈夫?この後、今日の会議内容の共有と今後の打ち合わせよ?」
「うん。大丈夫だよ。」
宿に戻ったラッキー達はそのまま今後の打ち合わせに入った。
「疲れてるだろうにすまんな、ラッキー。」
「大丈夫です陛下。まあ会議はちょっと疲れましたけど。」
「思いの他、ラッキーの転移魔法に興味を示していたな。」
「当然でしょう。ウチではなく、もし他国が転移魔法を持っていれば同じようにしたと思います。」
「たしかにそうだな。」
「今日の会議で、ラッキーが注目を集めてるのはわかった。明日からも積極的に攻略を図ってくるだろう。大丈夫か?」
「深い所とかはわからないけど、今日話した感じなら仲良くなれそうだとは思ったよ。明日からっていうか今日から色々聞かれたけどね。明日はシルベスターさんとリーフさんが町を案内してくれるみたいだし。」
「勇者と弓聖か。たしかに地元だから案内も申し出るのも不自然ではないか。」
「うん。それに俺もやっぱり勇者には興味あるしね。交流戦はシルベスターさんと試合してみたいし。」
「そういえば交流戦をするんだったな。予定にはなかったが、お互いの戦力を把握するにはもってこいだな。ラッキーは勇者か。シルフィード嬢とマリア嬢は希望はあるのか?」
「私はフランダル魔法国の人達ね。私も魔法系の素質だし。」
「私は特には、元々戦闘系の素質ではありませんし。」
「まあ何にせよ。明日からは気を付けてくれ。」
「大丈夫です。何かあれば転移魔法でここまで戻って来れますから。」
「そうだな。ラッキーには転移魔法があったな。だが、ラッキーだけじゃない。プリンやシルフィード、マリアが狙われる可能性もある。みんな気を付けるんだぞ。」
「そういえばプリン王女。シルベスターさんはどうだったんですか?」
「そうね。第一印象としては合格ね。見た目もいいし、話し方も好感が持てたわ。」
「勇者とプリンが一緒になってくれれば我が国も更によくなる。だが、あまりちょっかいかけすぎて嫌われるような事はしてはいかんぞ。」
「わかってるわ。お父様。」
『明日は俺もラッキーについて行くんだぞー。留守番は嫌なんだぞー。』
「もちろん明日はリルも一緒だよ。」
「リルちゃん。今日会議に行けなかったからいじけてるのね。可愛い。」
「ああ。やっぱりマリアにはわかったか?」
「ちょっとだけですけどね。リルちゃんの声のトーンとかで。」
(すげーなマリア。その内リルの言葉もわかるようになるんじゃ・・・)
そうして、初日の四国会議を無事に終えたラッキー達は、明日からの事を打合せし翌日に備えるのだった。
☆☆☆★★★☆☆☆
お読みいただきありがとうございます。
新作も無事に投稿致しました。ブログでは先行的に公開しています。
引き続き、評価に応援、よろしくお願いいたします。
4
お気に入りに追加
1,271
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う
たくみ
ファンタジー
圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。
アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。
ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?
それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。
自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。
このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。
それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。
※小説家になろうさんで投稿始めました

投獄された聖女は祈るのをやめ、自由を満喫している。
七辻ゆゆ
ファンタジー
「偽聖女リーリエ、おまえとの婚約を破棄する。衛兵、偽聖女を地下牢に入れよ!」
リーリエは喜んだ。
「じゆ……、じゆう……自由だわ……!」
もう教会で一日中祈り続けなくてもいいのだ。

お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)
いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。
---------
掲載は不定期になります。
追記
「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。
お知らせ
カクヨム様でも掲載中です。

転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします

5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる