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第2章 ゼンパンの素質とシークレットガチャスキル
第97話 一時の休息・・・デート⁉
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ライアン教官との模擬戦を終えたラッキーはシルフィーの元へ向かい、先ほどの模擬戦について話した。シルフィー達から他の参加者の情報を貰った。
明日からの本番の為に、残りの時間はゆっくり過ごす事を決めたラッキー達は、買い物に向かった。
だが・・・
折角のデートなのに汗臭いとか無いわ。とシルフィーとマリア、リルにまで言われたラッキーは一度宿に戻り、冒険者スタイルから普通の服装に変えるのだった。それに合わせ、シルフィーとマリアも服装をデート用に変えていた。ラッキーとマリアはローブで顔を隠すのではなく、帽子を被って軽く隠す程度にしていた。
『ラッキーあそこから美味しいにおいがするんだぞー』
リルが尻尾をブンブン振りながら屋台に向かった。
「もうリルちゃんったら。」
マリアは駆けていくリルを追いかけていく。
「たまにはこうやってゆっくり街を歩くのもいいわね。」
「そうだな。シルフィーとマリアとはずっとギルドの依頼を受けっぱなしで、買い物って行っても食料とか冒険者活動に必要なモノの買い出しって感じだったもんな。」
「そうね。ラッキー?本当に私も良かったの?」
「ん?何がだ?」
「そ、その・・・婚約者って話・・・」
「ああ。その話か。もちろんだ。マリアとも散々話しただろ?シルフィーの親にはまだ話してないけどマリアの親にはちゃんと言ったじゃんか?シルフィーはいやだったのか?」
「そ、そんな事ない!!」
「お、おう。悪い・・・。」
「ううん。」
「どうしたんだ?」
「うん・・・ラッキーとマリアは元々婚約者同士だったじゃない?私はそういうんじゃないし、マリアみたいに綺麗じゃないし・・・。」
「そんな事気にしてるのか?シルフィーは十分綺麗だよ。それに俺はシルフィーも好きだぞ。マリアとは婚約者同士だったけど、一緒に過ごした日数で言えばシルフィーの方が長いしな。逆に俺なんかで良いのかって思うけどな。」
ラッキーからの言葉にシルフィーは顔が赤くなった。
「!?・・・バカ・・・。私も・・・その・・・・ラッキーの事・・・好・・・好きよ。」
シルフィーの言葉小さくてラッキーには聞き取れなかった。
そうしていると、両手に肉の串焼きを持ったマリアと、むしゃむしゃと串肉を食べながら嬉しそうに尻尾をブンブン振っているリルが戻ってきた。
「どうしたのシルフィー?そんなに顔を赤くして?」
「!?なんでもないわよ!」
「マリア。串肉買ってきてくれたんだ。ありがとう。」
「はい。リルちゃんがおいしそうに食べるから私もほしくなっちゃって。私だけ食べるのもって思ってラッキー様とシルフィーの分も買ってきちゃいました。」
ラッキーはマリアから串肉を受け取り、シルフィーもマリアから串肉を受け取った。
「うん。たしかにうまいな。さすが王都。出す店一つとっても違うな。」
『他にもおいしそうなモノがたくさんあったんだぞー。他のも食べたいんだぞー。』
「リルは屋台を食べ歩きしたいみたいだけどどうする?」
「ラッキーにまかせるわ。」
「私もラッキー様にまかせます。」
(まかせるって言われてもきっと食べ歩きだけなら機嫌が悪くなるよな。そうだな。俺がここまで来るのはシルフィーとマリアのお陰だし服でも買いに行くか。でも服か・・・。きっと長いよな・・・)
ラッキーはデートなんかはしたことはなかったが、女性が服を好んでいるのは良く知っていた。貴族時代、母親と良く買い物に行っては服屋で長時間待っていたことを思い出していたからだ。
「そうだな。食べ歩きもいいけど、服とかも見に行かないか?シルフィーとマリアには俺の為に色々手伝ってくれたし、何かプレゼントしたいんだ。」
「本当⁉ラッキーにして気が利くわね。」
「本当ですか⁉うれしいです。」
「あ、ああ。貴族用の服屋とかは、変なトラブルに会うかもしれないからいけないけど、普通の服屋なら問題ないだろ?」
「ならすぐ行きましょう。」
「そうですね。時間がありません。急ぎましょ。リルちゃん。食べ歩きはまた今度にしましょ。」
『俺は他の肉も食べたいんだぞー』
『リル!あきらめろ。こうなったシルフィーとマリアは止められない。後でオークを出してあげるから。』
『なら分かったんだぞー。』
リルをなだめたラッキーは、その後、服を売っているお店を回った。
服屋では、シルフィーとマリアがそれぞれに試着を始め、着る度にラッキーに感想を求めた。ラッキーは機嫌を損ねないようにうまく答えて行った。
もちろん、定番の・・・
「この服とこの服どっちがいいと思う?」という問いかけも
「シルフィーにはこっちの服の方がに合ってると思うよ。」
としっかり及第点の答えを返していた。
ラッキーはその時、母親と服屋を回った時に、同じ質問をされて、どっちも似合うよ。と答えていた。その時、母親からその答えはダメよ。と教えられた事を思い出していた。
1件、2件、3件とシルフィー、マリアが気になる店に次々と入っていき、気になる服やアクセサリーを選んで行った。
さすが貴族の御令嬢、次から次へと気になる商品を選んでいったが、今は冒険者活動をしているという事で、最終的にはその中で最も気に入った服とアクセサリーと購入してその日は宿に戻った。
シルフィーとマリアは終始ご機嫌だったので、冒険者活動並みに疲れたラッキーだったが、良い気分転換にはなったと、いつものように前向きに捉えるのだった。
明日からの本番の為に、残りの時間はゆっくり過ごす事を決めたラッキー達は、買い物に向かった。
だが・・・
折角のデートなのに汗臭いとか無いわ。とシルフィーとマリア、リルにまで言われたラッキーは一度宿に戻り、冒険者スタイルから普通の服装に変えるのだった。それに合わせ、シルフィーとマリアも服装をデート用に変えていた。ラッキーとマリアはローブで顔を隠すのではなく、帽子を被って軽く隠す程度にしていた。
『ラッキーあそこから美味しいにおいがするんだぞー』
リルが尻尾をブンブン振りながら屋台に向かった。
「もうリルちゃんったら。」
マリアは駆けていくリルを追いかけていく。
「たまにはこうやってゆっくり街を歩くのもいいわね。」
「そうだな。シルフィーとマリアとはずっとギルドの依頼を受けっぱなしで、買い物って行っても食料とか冒険者活動に必要なモノの買い出しって感じだったもんな。」
「そうね。ラッキー?本当に私も良かったの?」
「ん?何がだ?」
「そ、その・・・婚約者って話・・・」
「ああ。その話か。もちろんだ。マリアとも散々話しただろ?シルフィーの親にはまだ話してないけどマリアの親にはちゃんと言ったじゃんか?シルフィーはいやだったのか?」
「そ、そんな事ない!!」
「お、おう。悪い・・・。」
「ううん。」
「どうしたんだ?」
「うん・・・ラッキーとマリアは元々婚約者同士だったじゃない?私はそういうんじゃないし、マリアみたいに綺麗じゃないし・・・。」
「そんな事気にしてるのか?シルフィーは十分綺麗だよ。それに俺はシルフィーも好きだぞ。マリアとは婚約者同士だったけど、一緒に過ごした日数で言えばシルフィーの方が長いしな。逆に俺なんかで良いのかって思うけどな。」
ラッキーからの言葉にシルフィーは顔が赤くなった。
「!?・・・バカ・・・。私も・・・その・・・・ラッキーの事・・・好・・・好きよ。」
シルフィーの言葉小さくてラッキーには聞き取れなかった。
そうしていると、両手に肉の串焼きを持ったマリアと、むしゃむしゃと串肉を食べながら嬉しそうに尻尾をブンブン振っているリルが戻ってきた。
「どうしたのシルフィー?そんなに顔を赤くして?」
「!?なんでもないわよ!」
「マリア。串肉買ってきてくれたんだ。ありがとう。」
「はい。リルちゃんがおいしそうに食べるから私もほしくなっちゃって。私だけ食べるのもって思ってラッキー様とシルフィーの分も買ってきちゃいました。」
ラッキーはマリアから串肉を受け取り、シルフィーもマリアから串肉を受け取った。
「うん。たしかにうまいな。さすが王都。出す店一つとっても違うな。」
『他にもおいしそうなモノがたくさんあったんだぞー。他のも食べたいんだぞー。』
「リルは屋台を食べ歩きしたいみたいだけどどうする?」
「ラッキーにまかせるわ。」
「私もラッキー様にまかせます。」
(まかせるって言われてもきっと食べ歩きだけなら機嫌が悪くなるよな。そうだな。俺がここまで来るのはシルフィーとマリアのお陰だし服でも買いに行くか。でも服か・・・。きっと長いよな・・・)
ラッキーはデートなんかはしたことはなかったが、女性が服を好んでいるのは良く知っていた。貴族時代、母親と良く買い物に行っては服屋で長時間待っていたことを思い出していたからだ。
「そうだな。食べ歩きもいいけど、服とかも見に行かないか?シルフィーとマリアには俺の為に色々手伝ってくれたし、何かプレゼントしたいんだ。」
「本当⁉ラッキーにして気が利くわね。」
「本当ですか⁉うれしいです。」
「あ、ああ。貴族用の服屋とかは、変なトラブルに会うかもしれないからいけないけど、普通の服屋なら問題ないだろ?」
「ならすぐ行きましょう。」
「そうですね。時間がありません。急ぎましょ。リルちゃん。食べ歩きはまた今度にしましょ。」
『俺は他の肉も食べたいんだぞー』
『リル!あきらめろ。こうなったシルフィーとマリアは止められない。後でオークを出してあげるから。』
『なら分かったんだぞー。』
リルをなだめたラッキーは、その後、服を売っているお店を回った。
服屋では、シルフィーとマリアがそれぞれに試着を始め、着る度にラッキーに感想を求めた。ラッキーは機嫌を損ねないようにうまく答えて行った。
もちろん、定番の・・・
「この服とこの服どっちがいいと思う?」という問いかけも
「シルフィーにはこっちの服の方がに合ってると思うよ。」
としっかり及第点の答えを返していた。
ラッキーはその時、母親と服屋を回った時に、同じ質問をされて、どっちも似合うよ。と答えていた。その時、母親からその答えはダメよ。と教えられた事を思い出していた。
1件、2件、3件とシルフィー、マリアが気になる店に次々と入っていき、気になる服やアクセサリーを選んで行った。
さすが貴族の御令嬢、次から次へと気になる商品を選んでいったが、今は冒険者活動をしているという事で、最終的にはその中で最も気に入った服とアクセサリーと購入してその日は宿に戻った。
シルフィーとマリアは終始ご機嫌だったので、冒険者活動並みに疲れたラッキーだったが、良い気分転換にはなったと、いつものように前向きに捉えるのだった。
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