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第2章 ゼンパンの素質とシークレットガチャスキル
第96話 本選開始‼・・・まさかの再会⁉
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ラッキーの勝利で終わった王国武道会の予選も全て終わり、32名の本選出場者が決まった。
ラッキー達は本選突破のお祝いを宿の食堂を使って開いていた。お祝いと言っても、ちょっと豪華な食事会なだけだったが・・・。
「ラッキー。本選出場おめでとう。」
「ラッキー様。おめでとうございます。」
『ラッキー。強かったんだぞー。』
「ありがとう。シルフィー、マリア、リル。」
「ここまでは予定通りね。予選には観客もあまりいなかったし、ラッキーの転移魔法の事は全然知られてないと思うわ。」
「そうですね。王族を始め、公爵家の方も誰も来てなかったのでまだ力は隠せてると思います。」
「そうだね。だけど、本選出場者の名前を見れば父上は気づくかもしれないね。」
「まあその時はその時ね。もう出し惜しみしないんでしょ。」
「ああ。仮に1回戦から前回優勝者の王国騎士団長のザッカスさんと当たったとしても転移魔法にミスリルの剣、英雄の種を使ってでも戦うつもりだ。」
英雄の種はラッキーがダンジョンで手に入れた激レアドロップ品で、1時間限定でステータスを10倍に引き上げるアイテムだ。ただ、10倍に引き上げる代わりに身体への負担はすさまじく、1時間が過ぎると1週間は身体を動かす事が出来なくなる。
「それに、俺の試合の後は予選を見てたけど、俺より強そうなのは数えるぐらいしかいなかった。力を隠してる可能性もあるけど、早々運が悪くなければ1回戦2回戦ぐらいはいけるかなって思ってるよ。」
「運だけは誰にもまけないものね。ラッキーは。」
「ああ。運で勝負できるなら俺は全員相手に圧倒的な差で優勝だろうな。」
軽くジョーダンを交えながら食事をしていく。リルは相変わらず目の前に出された肉とミルクをおいしそうに食べていた。
「明日はどうするの?宿で休む?」
「いや、予選会は見たがギルドには本選出場者の情報が上がってるかもしれないからギルドには行きたいな。その後は特に予定とかはないし、息抜きに王都をブラブラしないか?大きなイベントだし店も多い出てるだろ?」
「それは良いわね。」
「はい。私も大賛成です。」
『俺は屋台の肉がいいんだぞー。』
前回一致で明日の予定が決まったので、御祝い会という名の食事会も早めに切り上げた。
そして翌日・・・
ラッキー達は情報を求めてギルドへやって来た。明日から武道会の本戦が始まるからなのかギルドにはたくさんの冒険者の姿があった。
「優勝は誰々で間違いない。」
「俺は誰々に賭けるぞ。」
「誰々ちゃんは俺が守る。」
と明日の話題で持ちきりだった。
「予想通り盛り上がってるわね。」
「ああ。まあこれだけでもかなりの情報になるんだ。あっちで食事しながら更に集めようぜ。」
「そうですね。知ってる人もいませんし、それがいいですね。」
『俺は肉が食べたいんだぞー。』
ラッキー達は食事をしながら冒険者達の話しに耳を傾けて情報を集めた。
すると・・・
「ラッキー?あの冒険者が話してる人って・・・」
「ああ。多分そうだよね・・・。まじか~。ギルドにいるかもしれないし、ちょっと俺聞いてくるわ。シルフィー達はここで待っていてくれ。」
ラッキーは席を離れた。そして・・・
「ライアン教官!」
「おおっ!ラッキーじゃないか!?」
そう、冒険者達の話しに出ていたのは、リスボンのギルドで剣術の指導をしていたライアン教官だった。
「驚きました!ライアン教官も武道会に出てたんですね。」
「ああ。ギルドもアピールは必要だからな。いつもは若いヤツが出てるんだが、今年は予定してたヤツが怪我してな。だから急遽儂が出る事になったのだ。」
「そうなんですね。俺も本選出場決めたんですよ。当たったらお手柔らかにお願いします。」
「ラッキーも武道会に出るのか!?」
「はい。」
「さすがだな。そうか・・・。同じギルド所属として、できれば勝ち上がりたいものだな。」
「ライアン教官なら優勝も可能だと思いますが、俺なんかまだまだです。1回戦から全力でいきますよ。」
「その考えなら大丈夫だ。どうだ?1戦やっていくか?」
「いいんですか?是非!」
ラッキーは食事をしているシルフィー達にライアン教官と模擬戦する事を伝え、準備して訓練場に戻ってきた。
「よろしくお願いします。」
(ライアン教官との模擬戦が今日できるのはかなり運がいい。俺がどれだけ成長したかの良い目安になるな。)
ラッキーは剣を構えライアンに向かって行く。そして、ラッキーは積極的に剣を振るが、ライアン教官は一つ一つの攻撃を丁寧に防いで行く。
(まだまだー。体力勝負なら負けない。)
ラッキーは更に動きを早める。前後、左右、攻撃しては距離を取り、ライアン教官の死角に移動しては更に剣を振る。
(くそー。さすがライアン教官だ。全然通じない。なら。)
ラッキーは攻撃の最終に転移魔法を使い、ライアン教官の背後に現れて剣を振るう。今まで全く当たらなかったラッキーの剣は初めてライアン教官に当たった。
(よし。うまくいった。)
ラッキーは一撃当てた後、距離を取った。
「ラッキーよ。疲れを残してもいかん。これぐらいにしておこう。」
「はい。」
ラッキーが一撃入れた所で、ライアン教官との模擬戦は終わった。
「それにしてもラッキー・・・最後のは何をしたんだ?消えたように見えたんじゃが・・・。」
「あれは俺のとっておきです。」
「そうか・・・。」
ラッキーはライアン教官と軽く模擬戦の反省会をし、シルフィー達の元に戻った。
ラッキーが去った訓練所では・・・
「それにしてもラッキーの動きは一体・・・。まさか転移!?いやいやアイツの素質は剣術のはずだ。だとしたらどうやって・・・」
ライアン教官は去っていくラッキーを見ながら先ほどの事を思い返すのだった。
ラッキー達は本選突破のお祝いを宿の食堂を使って開いていた。お祝いと言っても、ちょっと豪華な食事会なだけだったが・・・。
「ラッキー。本選出場おめでとう。」
「ラッキー様。おめでとうございます。」
『ラッキー。強かったんだぞー。』
「ありがとう。シルフィー、マリア、リル。」
「ここまでは予定通りね。予選には観客もあまりいなかったし、ラッキーの転移魔法の事は全然知られてないと思うわ。」
「そうですね。王族を始め、公爵家の方も誰も来てなかったのでまだ力は隠せてると思います。」
「そうだね。だけど、本選出場者の名前を見れば父上は気づくかもしれないね。」
「まあその時はその時ね。もう出し惜しみしないんでしょ。」
「ああ。仮に1回戦から前回優勝者の王国騎士団長のザッカスさんと当たったとしても転移魔法にミスリルの剣、英雄の種を使ってでも戦うつもりだ。」
英雄の種はラッキーがダンジョンで手に入れた激レアドロップ品で、1時間限定でステータスを10倍に引き上げるアイテムだ。ただ、10倍に引き上げる代わりに身体への負担はすさまじく、1時間が過ぎると1週間は身体を動かす事が出来なくなる。
「それに、俺の試合の後は予選を見てたけど、俺より強そうなのは数えるぐらいしかいなかった。力を隠してる可能性もあるけど、早々運が悪くなければ1回戦2回戦ぐらいはいけるかなって思ってるよ。」
「運だけは誰にもまけないものね。ラッキーは。」
「ああ。運で勝負できるなら俺は全員相手に圧倒的な差で優勝だろうな。」
軽くジョーダンを交えながら食事をしていく。リルは相変わらず目の前に出された肉とミルクをおいしそうに食べていた。
「明日はどうするの?宿で休む?」
「いや、予選会は見たがギルドには本選出場者の情報が上がってるかもしれないからギルドには行きたいな。その後は特に予定とかはないし、息抜きに王都をブラブラしないか?大きなイベントだし店も多い出てるだろ?」
「それは良いわね。」
「はい。私も大賛成です。」
『俺は屋台の肉がいいんだぞー。』
前回一致で明日の予定が決まったので、御祝い会という名の食事会も早めに切り上げた。
そして翌日・・・
ラッキー達は情報を求めてギルドへやって来た。明日から武道会の本戦が始まるからなのかギルドにはたくさんの冒険者の姿があった。
「優勝は誰々で間違いない。」
「俺は誰々に賭けるぞ。」
「誰々ちゃんは俺が守る。」
と明日の話題で持ちきりだった。
「予想通り盛り上がってるわね。」
「ああ。まあこれだけでもかなりの情報になるんだ。あっちで食事しながら更に集めようぜ。」
「そうですね。知ってる人もいませんし、それがいいですね。」
『俺は肉が食べたいんだぞー。』
ラッキー達は食事をしながら冒険者達の話しに耳を傾けて情報を集めた。
すると・・・
「ラッキー?あの冒険者が話してる人って・・・」
「ああ。多分そうだよね・・・。まじか~。ギルドにいるかもしれないし、ちょっと俺聞いてくるわ。シルフィー達はここで待っていてくれ。」
ラッキーは席を離れた。そして・・・
「ライアン教官!」
「おおっ!ラッキーじゃないか!?」
そう、冒険者達の話しに出ていたのは、リスボンのギルドで剣術の指導をしていたライアン教官だった。
「驚きました!ライアン教官も武道会に出てたんですね。」
「ああ。ギルドもアピールは必要だからな。いつもは若いヤツが出てるんだが、今年は予定してたヤツが怪我してな。だから急遽儂が出る事になったのだ。」
「そうなんですね。俺も本選出場決めたんですよ。当たったらお手柔らかにお願いします。」
「ラッキーも武道会に出るのか!?」
「はい。」
「さすがだな。そうか・・・。同じギルド所属として、できれば勝ち上がりたいものだな。」
「ライアン教官なら優勝も可能だと思いますが、俺なんかまだまだです。1回戦から全力でいきますよ。」
「その考えなら大丈夫だ。どうだ?1戦やっていくか?」
「いいんですか?是非!」
ラッキーは食事をしているシルフィー達にライアン教官と模擬戦する事を伝え、準備して訓練場に戻ってきた。
「よろしくお願いします。」
(ライアン教官との模擬戦が今日できるのはかなり運がいい。俺がどれだけ成長したかの良い目安になるな。)
ラッキーは剣を構えライアンに向かって行く。そして、ラッキーは積極的に剣を振るが、ライアン教官は一つ一つの攻撃を丁寧に防いで行く。
(まだまだー。体力勝負なら負けない。)
ラッキーは更に動きを早める。前後、左右、攻撃しては距離を取り、ライアン教官の死角に移動しては更に剣を振る。
(くそー。さすがライアン教官だ。全然通じない。なら。)
ラッキーは攻撃の最終に転移魔法を使い、ライアン教官の背後に現れて剣を振るう。今まで全く当たらなかったラッキーの剣は初めてライアン教官に当たった。
(よし。うまくいった。)
ラッキーは一撃当てた後、距離を取った。
「ラッキーよ。疲れを残してもいかん。これぐらいにしておこう。」
「はい。」
ラッキーが一撃入れた所で、ライアン教官との模擬戦は終わった。
「それにしてもラッキー・・・最後のは何をしたんだ?消えたように見えたんじゃが・・・。」
「あれは俺のとっておきです。」
「そうか・・・。」
ラッキーはライアン教官と軽く模擬戦の反省会をし、シルフィー達の元に戻った。
ラッキーが去った訓練所では・・・
「それにしてもラッキーの動きは一体・・・。まさか転移!?いやいやアイツの素質は剣術のはずだ。だとしたらどうやって・・・」
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