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第2章 ゼンパンの素質とシークレットガチャスキル
第93話 母との再会
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ラッキーとシルフィーは予定通りに事が進んだので、急いで虹の集いに向かった。
ラッキーとシルフィーが離れた教会の庭園では・・・
「スイート。今日は久しぶりにいつものお店でパンケーキでも食べましょうか?」
「本当ですか?お母さま!?」
「ええ。ここの所全く行ってなかったでしょ。」
「うれしいです。」
(ラッキー・・・久しぶりに見ましたがたくましくなって・・・。)
クッキーとスイートは、庭園をグルっと回って、表に待っている馬車に乗り込み、虹の集いに向かった。
虹の集いについたクッキーとスイートは中に入る。
「すいません。ここで待ち合わせをしてるんですが?」
「これはこれはクッキー様。お久しぶりでございます。はい。伺っております。奥の個室にて。相手の方はすでに到着しております。」
「お母様?誰かいらっしゃるんですか?」
「ええ。スイートも知ってる人よ。」
「私も知ってる人?」
クッキーとスイートは店員について行き、奥の個室に入る。個室に入ると席には先ほど庭園であった女性と黒いローブを被った人が2人すでに席についていた。
「クッキー様。お待ちしていました。」
シルフィーがクッキーに声を掛け、そして続いて・・・
「母上。スイート。久しぶり。」
「クッキー様。スイートちゃん。お久しぶりです。」
ラッキーとマリアは被っているローブを脱ぎ、目の前の2人に挨拶した。
「あー!?やっぱりラッキーなのね。」
「えっ。えっ!?お兄様・・・。それに・・・マリアお姉様!?」
クッキーはラッキーの元に駆け寄り、ラッキーを抱きしめた。ラッキーは久方ぶりの母のぬくもりを感じるのだった。
「クッキー様。まずは何か頼みませんか?店員の目もあります。パンケーキが来たらラッキーもマリアもローブを脱げますので。」
「そっ、そうね。わかったわ。」
ラッキーを抱くクッキー。その光景を見るシルフィーとマリア。状況が飲み込めずオロオロするスイート。リルは、マリアの膝の上から降りて、
『そうだぞー。俺も早くパンケーキ食べたいんだぞー』
ラッキー達はおススメのパンケーキと紅茶を6人分頼み、ケーキが来るのを待っていた。全員分のパンケーキと紅茶が届いた所でラッキーとマリアはローブを脱ぎ、改めてクッキーとスイートと再会を喜んだ。
「母上お久しぶりです。スイートも久しぶり。元気そうでよかった。」
「ええ。ラッキーもたくましくなって。それにシルフィードさんとマリアちゃんも。私には何がなんだか・・・。」
「お兄様・・・本当にお兄様なんですね・・・。よかった・・・ご無事で・・・。スイートはずっと心配しておりました。」
「スイート・・・。ありがとう。追放された身としてはなかなか王都に戻るって訳にもいかないからな・・・だけど・・・ようやく戻ってくる事ができたよ。」
ラッキーは公爵家を追放されてから今までの事を話した。素質の事、シルフィーの事、マリアの事そして・・・メルトの事を。
「そうですか・・・。」
そして、クッキーのとスイートは、ラッキーが追放されてからの公爵家の事を話した。
「俺はメルトが許せそうにありません。マリアの事もそうですが家の使用人への態度や言動もひどいと聞いてます。父上がそれを黙って見過ごしているのなら、やはりゆるせません。」
「ロートも苦労してるんですよ。私達にはそんな事をいいませんが・・・。」
「はい。お父様は最近ため息が増えました。」
「そうか・・・。ならそうだな。一発殴って許してやるのもいいかもな。」
「ラッキー!?」「お兄様!?」
「まあどう転ぶかはわからないけど、マリアとの婚約話はなかった事にしてもらう。俺が公爵家に戻れるかどうかは今の所よくわからない。実際マリアとの婚約話さえ止めれれば、冒険者をやりながら世界を自由に周るのも面白いと思ってるしな。」
「ラッキー・・・」「お兄様・・・」
「だが、母上とスイートがメルトが来た事で苦しめられているなら話は別だ。俺がどうにかできるかはわからないが、助ける事ができるなら助けたい。」
「ラッキーならきっとうまくやれるわ。なんていうかラッキーといると全てがうまくいくような気がするのよね。」
「そうですね。ラッキー様といるととても安心できます。」
その後、お互いの話をして、王都での滞在の理由などを話してその場は終わった。
クッキーとスイートをが個室を出ていき、ラッキー達は・・・
(メルトが来てから家はおかしくなった。いや、それを言うなら俺がゼンパンの素質を手に入れてからか・・・。そう考えると全ての原因は俺にある訳か・・・。ならちゃんと責任を果たさないとな。)
「ラッキー?」「ラッキー様?」『ラッキー?』
「母上とスイートに話しを聞いて、俺は決めたよ。王国武道会でメルトより目立って俺は公爵家を元に戻す!!」
「よく言ったわ。それでこそラッキーよ。」
「ラッキー様。」
『スイートは優しかったんだぞー。俺も手伝うんだぞー。』
ラッキーは母親とスイートを味方に引き入れた。二人がどう動くかはわからないが、ラッキーのやる事はかわらない。
迷いはなくなった。後は自らの素質を使って、王国武道会で結果を出すだけだ。
ラッキーは、出し惜しみ無しで初っ端から全力を出すのを心に決めるのだった。
ラッキーとシルフィーが離れた教会の庭園では・・・
「スイート。今日は久しぶりにいつものお店でパンケーキでも食べましょうか?」
「本当ですか?お母さま!?」
「ええ。ここの所全く行ってなかったでしょ。」
「うれしいです。」
(ラッキー・・・久しぶりに見ましたがたくましくなって・・・。)
クッキーとスイートは、庭園をグルっと回って、表に待っている馬車に乗り込み、虹の集いに向かった。
虹の集いについたクッキーとスイートは中に入る。
「すいません。ここで待ち合わせをしてるんですが?」
「これはこれはクッキー様。お久しぶりでございます。はい。伺っております。奥の個室にて。相手の方はすでに到着しております。」
「お母様?誰かいらっしゃるんですか?」
「ええ。スイートも知ってる人よ。」
「私も知ってる人?」
クッキーとスイートは店員について行き、奥の個室に入る。個室に入ると席には先ほど庭園であった女性と黒いローブを被った人が2人すでに席についていた。
「クッキー様。お待ちしていました。」
シルフィーがクッキーに声を掛け、そして続いて・・・
「母上。スイート。久しぶり。」
「クッキー様。スイートちゃん。お久しぶりです。」
ラッキーとマリアは被っているローブを脱ぎ、目の前の2人に挨拶した。
「あー!?やっぱりラッキーなのね。」
「えっ。えっ!?お兄様・・・。それに・・・マリアお姉様!?」
クッキーはラッキーの元に駆け寄り、ラッキーを抱きしめた。ラッキーは久方ぶりの母のぬくもりを感じるのだった。
「クッキー様。まずは何か頼みませんか?店員の目もあります。パンケーキが来たらラッキーもマリアもローブを脱げますので。」
「そっ、そうね。わかったわ。」
ラッキーを抱くクッキー。その光景を見るシルフィーとマリア。状況が飲み込めずオロオロするスイート。リルは、マリアの膝の上から降りて、
『そうだぞー。俺も早くパンケーキ食べたいんだぞー』
ラッキー達はおススメのパンケーキと紅茶を6人分頼み、ケーキが来るのを待っていた。全員分のパンケーキと紅茶が届いた所でラッキーとマリアはローブを脱ぎ、改めてクッキーとスイートと再会を喜んだ。
「母上お久しぶりです。スイートも久しぶり。元気そうでよかった。」
「ええ。ラッキーもたくましくなって。それにシルフィードさんとマリアちゃんも。私には何がなんだか・・・。」
「お兄様・・・本当にお兄様なんですね・・・。よかった・・・ご無事で・・・。スイートはずっと心配しておりました。」
「スイート・・・。ありがとう。追放された身としてはなかなか王都に戻るって訳にもいかないからな・・・だけど・・・ようやく戻ってくる事ができたよ。」
ラッキーは公爵家を追放されてから今までの事を話した。素質の事、シルフィーの事、マリアの事そして・・・メルトの事を。
「そうですか・・・。」
そして、クッキーのとスイートは、ラッキーが追放されてからの公爵家の事を話した。
「俺はメルトが許せそうにありません。マリアの事もそうですが家の使用人への態度や言動もひどいと聞いてます。父上がそれを黙って見過ごしているのなら、やはりゆるせません。」
「ロートも苦労してるんですよ。私達にはそんな事をいいませんが・・・。」
「はい。お父様は最近ため息が増えました。」
「そうか・・・。ならそうだな。一発殴って許してやるのもいいかもな。」
「ラッキー!?」「お兄様!?」
「まあどう転ぶかはわからないけど、マリアとの婚約話はなかった事にしてもらう。俺が公爵家に戻れるかどうかは今の所よくわからない。実際マリアとの婚約話さえ止めれれば、冒険者をやりながら世界を自由に周るのも面白いと思ってるしな。」
「ラッキー・・・」「お兄様・・・」
「だが、母上とスイートがメルトが来た事で苦しめられているなら話は別だ。俺がどうにかできるかはわからないが、助ける事ができるなら助けたい。」
「ラッキーならきっとうまくやれるわ。なんていうかラッキーといると全てがうまくいくような気がするのよね。」
「そうですね。ラッキー様といるととても安心できます。」
その後、お互いの話をして、王都での滞在の理由などを話してその場は終わった。
クッキーとスイートをが個室を出ていき、ラッキー達は・・・
(メルトが来てから家はおかしくなった。いや、それを言うなら俺がゼンパンの素質を手に入れてからか・・・。そう考えると全ての原因は俺にある訳か・・・。ならちゃんと責任を果たさないとな。)
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「母上とスイートに話しを聞いて、俺は決めたよ。王国武道会でメルトより目立って俺は公爵家を元に戻す!!」
「よく言ったわ。それでこそラッキーよ。」
「ラッキー様。」
『スイートは優しかったんだぞー。俺も手伝うんだぞー。』
ラッキーは母親とスイートを味方に引き入れた。二人がどう動くかはわからないが、ラッキーのやる事はかわらない。
迷いはなくなった。後は自らの素質を使って、王国武道会で結果を出すだけだ。
ラッキーは、出し惜しみ無しで初っ端から全力を出すのを心に決めるのだった。
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