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第2章 ゼンパンの素質とシークレットガチャスキル

第88話 シークレットガチャスキルから出たのは・・・

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『運の数値が1000に到達しました。シークレットガチャスキルが1回使用可能です。使用しますか?』

「えっ!?」

「どうしたの?何か新しい素質でも手に入った?」

「いや・・・えっと・・・なんか新しいガチャスキルが使えるみたいなんだ。」

「「!?」」

ラッキーは先ほどアナウンスされたシークレットガチャスキルについてシルフィー達に話した。

「それでラッキー様?シークレットガチャスキルは何が手に入るのですか?」

「いや全くわからない。どんなガチャスキルなのかもさっぱりだ。たしかゼンパンの素質はデイリーガチャスキル、モンスターガチャスキル、プレミアムガチャスキルが使えるって聞いてたから言葉自体初めて聞くんだ。」

『シークレットっていうぐらいだから特別なオークの肉が手に入るに違いないんだぞー。』

「シークレットガチャの詳細は調べる事はできないの?」

「ああ。アナウンスは一方的に流れてくるだけだから質問とかしても答えてくれる訳じゃないんだ。」

「図鑑に詳細が出てたりはしないんですか?」

マリアに言われてラッキーは図鑑を確認する。だが、図鑑にはシークレットガチャの項目すらなかったので全く分からなかった。

「とりあえず使ってみるしかないわね。運の数値が1000になったから1回使えるんでしょ。絶対良いモノが手に入るわ。激レアな素質とかが手に入るんじゃないの?」

「そうだな。考えてもわからないんだ。使ってみるか。」

ラッキーはシークレットガチャスキルを使用する事にした。

『今回のシークレットガチャスキルではあなたがまだ手に入れていない魔法の素質を手に入れる事が出来ます。火魔法、水魔法、光魔法、空間魔法、転移魔法、重力魔法・・・どれが出るかは出てからのお楽しみです。』

そうアナウンスが流れた後、ラッキーの目の前には虹色の光が現れた。

「虹色の光!?」

『これは期待できるんだぞー。』

虹色の光が収まると・・・

『転移魔法の素質を手に入れました。』

とラッキーの頭にアナウンスが流れるのだった。

「転移魔法・・・。」

「ラッキー様?転移魔法って?」

「ああ。なんかシークレットガチャスキルは魔法の素質を手に入れる事ができるスキルみたいだ。それで転移魔法の素質を手に入れたみたいだ。」

「転移魔法?本当に転移魔法の素質を手に入れたの?」

「ああ。シルフィーは転移魔法を知ってるのか?」

「もちろん知ってるわよ。激レアも激レアよ。マリアも知ってるわよね?」

「はい。もちろんです。」

「そんなにレアな素質なのか?」

「もちろんよ。転移魔法はね。天職の儀で授からないと使う事ができないの。後天的に覚える事ができない素質なのよ。」

「どういう事だ?」

「例えば火魔法があるでしょ。火って身近にあるから素質がなくても使える人は少なからずいるの。それは火がイメージしやすいからって言われてるわ。もちろん水魔法も同じよ。空間魔法だってマジックバックがあるから、それを調べて空間魔法を使う人だっているの。だけど転移魔法は全く理屈がわかってないの。だから覚える事ができないのよ。」

「転移魔法って一瞬で別の場所に移動できたりするから、とても貴重なんです。しかもどうやって使ってるかも全くわかっていないから、再現する事が不可能と言われてる魔法なんです。」

「そんなに珍しいんだ。」

「せっかくだし使ってみてよラッキー。素質を手に入れたなら使い方がわかるはずよ。」

ラッキーはシルフィーに言われて転移魔法を使った。

(なるほど、イメージした先に一瞬で行けるようになるのか。たしかに便利だな。)





ラッキーは今いる場所から1m先に転移した。

「本当に一瞬で移動したわ!?」

「はは。でも1mぐらいしかまだ転移できないみたいだ。」

「すごいですラッキー様!!」

『転移魔法凄いんだぞー。俺も使いたいんだぞー。』

「何度も使えば距離はきっと長くなるわ。これはすごい素質を手に入れたわね。」

「そうか?1mぐらいじゃ全然使い道がわからないな。」

「何言ってるのよ。例えば王国武道会で戦う時にいきなり相手の背後に転移してみなさいよ。相手からしたらいきなり消えて背後に現れるのよ。かなりの武器になるじゃない?」

「!?たしかに・・・。シルフィーの言う通りだな。転移魔法を使えるようになればそういう使い方もできるのか。」

「そうですね。魔物相手にも使えますね。今まではラッキー様が魔物に近づいて注意を引いてましたけど転移を使って背後に回れば一瞬で倒せるようになりますね。」

「ああ。言われてみればそうだな。そう考えると転移魔法は・・・やばいな。」

「やばすぎよ。王国武道会で使ったら勝敗関係なしに大騒ぎだわ!」

「まじか!?なら使わない方がいいのか・・・。」

「いえ。今回はマリアの事もあるし、ラッキーがいいなら使った方がアピールにはなるわ。」

「ラッキー様・・・。」

(シルフィーとマリアの話を聞く限りかなりレアな素質を手に入れたみたいだな。王国で使うと騒ぎになるか・・・。だけどマリアを助けるって決めたんだ。騒ぎになっても俺がしっかりしてれば大丈夫か。うん。出し惜しみは無しだ。)

「ああ。今回は俺の素質の事が伝わってもかまわない。それでマリアを助けれるなら安いもんだ。」

「ラッキー様・・・。」

「よく言ったわ。ならユリウス子爵には全て話しておいた方がいいわね。味方が多い方がいいわ。」

ラッキー達は、昨日に引き続きユリウス子爵の所行き、ラッキーの素質について伝えるのだった。ユリウス子爵に秘密を打ち明けたラッキーは、フロンダールにいる間に転移魔法の練習、ミスリル装備の作成をする事を決めるのだった。
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