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第2章 ゼンパンの素質とシークレットガチャスキル
第72話 ライアン教官はすごかった
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マリアの冒険者ランクを上げる為に日々、魔物討伐の依頼を受けるラッキー達。王国武道会まであと6か月。
最初の1カ月はマリアの冒険者ランクを上げる事。そして初級ダンジョンを攻略する事、モンスターガチャスキルとデイリーガチャスキルから使える素質を手に入れる為に数多くの魔物を倒す事を目標にしていた。もちろん平行して剣術の鍛錬もかかさないように、午前中は剣術の鍛錬、午後はギルドの依頼を受けるという毎日を過ごしていた。
剣術に関しては、フロンダールのギルドにも教官が居たので、事情を話して訓練をしてもらえる事になった。
今日もフロンダールのメリット教官に剣の指導を受けていた。
「それにしてもラッキーは冒険者になってまだ1年なんだろ?剣術の素質があるとはいえ、かなりレベルが高いよな。」
「そうですか?自分ではよくわからないですね。リスボンではライアン教官に時々指導してもらいながら鍛錬はほぼ毎日してましたから腕は上がってるとは思いますけど。」
「いやいやライアンさんに教わったんだろ?あの人は何も言わないから知らないだろうけど、ライアンさんって剣聖に一番近い男ってずっと言われてたんだぞ?そんな人に何度も指導してもらったら腕も上がるってもんだよ。」
「えっ・・・。ライアン教官ってそんなすごい人だったんですか?」
「そうだよ。まあ今は冒険者を引退してギルドの職員になってるけど、冒険者の時はすごかったんだよ。鬼のライアンって言われてたからね。」
「鬼のライアン・・・。」
「僕もライアンさんには何度か指導してもらったけど、全くレベルが違うのか軽くあしらわれていつも終わるよ。」
「俺も・・・。初めて指導してもらった時と、ここに来る前に指導してもらった時とどちらも手合わせしてもらったんですが、全然通用しなかったです。」
「そりゃそうだよ。ライアンさんは現役を引退しても全然剣の腕が落ちてないし、未だに毎日鍛錬してるから剣の腕は逆に上がってるんじゃないかな?それにあの人は指導もとてもうまい。前は弟子にしてくれって声が良くあがってたんだよ。ライアンさんはそういうのは嫌みたいで、自分の事をかたくなに話そうとしないんだ。」
「だから・・・俺も知らなかったんですね。」
「まあ僕じゃ役不足かもしれないけど、領主様からも君の事頼まれてるし、そろそろ休憩は終わりにして、もう一回打ち合おうか。」
「はい。」
ラッキーと、メリット教官は再度打ち合いを始めた。
(ライアン教官ってすごい人だったんだ。全然知らなかったな。俺ってすごい人に剣術を教えてもらってたんだな。でも今ならそれも納得だ。メリット教官は強いけど、なんとか食らいついていけてるもんな。ライアン教官は全然追いつける気がしなかったけど、剣聖に一番近い男か・・・。)
「よし。今日はここまでにしようか。ラッキー君が来てからまだ1週間しか経ってないけど、日に日に成長してるのがわかるよ。このままじゃ近い内に僕じゃ役不足になりそうだから、他の人にもちょっと声を掛けてみる事にするよ。」
「本当ですか?それは助かります。色んな人と訓練できればそれだけ色んな経験ができると思うので。」
「ああ。期待しててよ。顔は広い方だからね。今日も午後はギルドの依頼を受けるのかい?」
「はい。今日も森でオークを狩ろうと思ってます。」
「魔物相手じゃ対人戦の経験にはならないかもしれないけど、剣の型の訓練にはなる。どんな時も意識する事で剣術の腕は上がるからその辺は気にしてみるとよりよくなると思うよ。」
「はい。ありがとうございます。メリット教官。」
剣術の稽古が終わると、シルフィー、リル、マリアと合流する。シルフィーとマリアは午前中は魔法の勉強をしていた。
「おまたせ。」
「やっと来たわね。さあ今日もオーク狩りに行きましょ。」
「私もようやく慣れてきましたし今日もがんばりましょう。」
「うん。マリアもそろそろ冒険者ランクが上がるはずだよね。」
「今受付でちょうどその話をしていたのよ。ねえマリア?」
「はい。今日魔物討伐でオークを倒したらFランクに上がるそうです。格上の魔物を倒してるからもっと早く上がると思ったのですが、冒険者になって1週間はランクを上げられないそうなので。」
「なるほど。たしかにGランクからFランクへは、実力とかじゃなくて信用とかで上がるって言ってたような気がするな。」
「ええ。だから今日もサクッとオークを倒して明日からは初級ダンジョンのフロンに行きましょ。」
「随分気合が入ってるな。」
「もちろんよ。最近新しい魔法を使えるようになったし、ラッキーだけじゃなくて私も成長してるのよ。オークなら色んな魔法が試せるから楽しいしね。」
その後、ラッキー達は森でオークやウルフ、トレントを狩って、無事にマリアはGランクからFランクに昇格した。
「これで一緒に初級ダンジョンに行けるわね。」
「シルフィー。それなんだけど、明日は武器とか夜営道具とかの準備で一日休みにしないか?毎日毎日依頼を受けてたから休みも必要だろ?マリアだって身体を休める日が必要だと思うんだ。」
「ラッキー様。」
「たしかにラッキーの言う通りね。わかったわ。明日は買い物デーにしましょ。そういえばマリアが増えるから夜営道具も増やさないといけないものね。私も一つ大きなマジックバッグ買おうかしら。ラッキーだけじゃ容量足りなくなりそうだし。」
リスボンの初級ダンジョンを攻略しているとはいえ、準備を怠ると何が起こるかわからないので、ラッキー達は、準備期間を1日設ける事を決めてこの日は別れるのだった。
最初の1カ月はマリアの冒険者ランクを上げる事。そして初級ダンジョンを攻略する事、モンスターガチャスキルとデイリーガチャスキルから使える素質を手に入れる為に数多くの魔物を倒す事を目標にしていた。もちろん平行して剣術の鍛錬もかかさないように、午前中は剣術の鍛錬、午後はギルドの依頼を受けるという毎日を過ごしていた。
剣術に関しては、フロンダールのギルドにも教官が居たので、事情を話して訓練をしてもらえる事になった。
今日もフロンダールのメリット教官に剣の指導を受けていた。
「それにしてもラッキーは冒険者になってまだ1年なんだろ?剣術の素質があるとはいえ、かなりレベルが高いよな。」
「そうですか?自分ではよくわからないですね。リスボンではライアン教官に時々指導してもらいながら鍛錬はほぼ毎日してましたから腕は上がってるとは思いますけど。」
「いやいやライアンさんに教わったんだろ?あの人は何も言わないから知らないだろうけど、ライアンさんって剣聖に一番近い男ってずっと言われてたんだぞ?そんな人に何度も指導してもらったら腕も上がるってもんだよ。」
「えっ・・・。ライアン教官ってそんなすごい人だったんですか?」
「そうだよ。まあ今は冒険者を引退してギルドの職員になってるけど、冒険者の時はすごかったんだよ。鬼のライアンって言われてたからね。」
「鬼のライアン・・・。」
「僕もライアンさんには何度か指導してもらったけど、全くレベルが違うのか軽くあしらわれていつも終わるよ。」
「俺も・・・。初めて指導してもらった時と、ここに来る前に指導してもらった時とどちらも手合わせしてもらったんですが、全然通用しなかったです。」
「そりゃそうだよ。ライアンさんは現役を引退しても全然剣の腕が落ちてないし、未だに毎日鍛錬してるから剣の腕は逆に上がってるんじゃないかな?それにあの人は指導もとてもうまい。前は弟子にしてくれって声が良くあがってたんだよ。ライアンさんはそういうのは嫌みたいで、自分の事をかたくなに話そうとしないんだ。」
「だから・・・俺も知らなかったんですね。」
「まあ僕じゃ役不足かもしれないけど、領主様からも君の事頼まれてるし、そろそろ休憩は終わりにして、もう一回打ち合おうか。」
「はい。」
ラッキーと、メリット教官は再度打ち合いを始めた。
(ライアン教官ってすごい人だったんだ。全然知らなかったな。俺ってすごい人に剣術を教えてもらってたんだな。でも今ならそれも納得だ。メリット教官は強いけど、なんとか食らいついていけてるもんな。ライアン教官は全然追いつける気がしなかったけど、剣聖に一番近い男か・・・。)
「よし。今日はここまでにしようか。ラッキー君が来てからまだ1週間しか経ってないけど、日に日に成長してるのがわかるよ。このままじゃ近い内に僕じゃ役不足になりそうだから、他の人にもちょっと声を掛けてみる事にするよ。」
「本当ですか?それは助かります。色んな人と訓練できればそれだけ色んな経験ができると思うので。」
「ああ。期待しててよ。顔は広い方だからね。今日も午後はギルドの依頼を受けるのかい?」
「はい。今日も森でオークを狩ろうと思ってます。」
「魔物相手じゃ対人戦の経験にはならないかもしれないけど、剣の型の訓練にはなる。どんな時も意識する事で剣術の腕は上がるからその辺は気にしてみるとよりよくなると思うよ。」
「はい。ありがとうございます。メリット教官。」
剣術の稽古が終わると、シルフィー、リル、マリアと合流する。シルフィーとマリアは午前中は魔法の勉強をしていた。
「おまたせ。」
「やっと来たわね。さあ今日もオーク狩りに行きましょ。」
「私もようやく慣れてきましたし今日もがんばりましょう。」
「うん。マリアもそろそろ冒険者ランクが上がるはずだよね。」
「今受付でちょうどその話をしていたのよ。ねえマリア?」
「はい。今日魔物討伐でオークを倒したらFランクに上がるそうです。格上の魔物を倒してるからもっと早く上がると思ったのですが、冒険者になって1週間はランクを上げられないそうなので。」
「なるほど。たしかにGランクからFランクへは、実力とかじゃなくて信用とかで上がるって言ってたような気がするな。」
「ええ。だから今日もサクッとオークを倒して明日からは初級ダンジョンのフロンに行きましょ。」
「随分気合が入ってるな。」
「もちろんよ。最近新しい魔法を使えるようになったし、ラッキーだけじゃなくて私も成長してるのよ。オークなら色んな魔法が試せるから楽しいしね。」
その後、ラッキー達は森でオークやウルフ、トレントを狩って、無事にマリアはGランクからFランクに昇格した。
「これで一緒に初級ダンジョンに行けるわね。」
「シルフィー。それなんだけど、明日は武器とか夜営道具とかの準備で一日休みにしないか?毎日毎日依頼を受けてたから休みも必要だろ?マリアだって身体を休める日が必要だと思うんだ。」
「ラッキー様。」
「たしかにラッキーの言う通りね。わかったわ。明日は買い物デーにしましょ。そういえばマリアが増えるから夜営道具も増やさないといけないものね。私も一つ大きなマジックバッグ買おうかしら。ラッキーだけじゃ容量足りなくなりそうだし。」
リスボンの初級ダンジョンを攻略しているとはいえ、準備を怠ると何が起こるかわからないので、ラッキー達は、準備期間を1日設ける事を決めてこの日は別れるのだった。
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