ガチャからは99.7%パンが出るけど、世界で一番の素質を持ってるので今日もがんばります

ベルピー

文字の大きさ
上 下
56 / 178
第1章 ゼンパンの素質とデイリーガチャスキル

第56話 200回目のデイリーガチャスキル

しおりを挟む
『おめでとうございます。本日で丁度連続200回目になります。特別に今日は素質が出る確率が3倍になります。』

ラッキーとシルフィーは、現在リスボーンダンジョンの17階層にいた。10階層でミノタウロスを倒した後、ラッキー達は日々ダンジョンを攻略していた。

ドロップアイテムが全部持って帰る事が出来ないので、10階層で1泊し、11階層から先は少しずつ攻略を進めていた。

直近の目標は20階層突破だが、それまでに、マジックバッグの更新の為のお金稼ぎと、レベルアップの為に、日々魔物討伐に精を出していた。

10階層での夜営にドキドキしていたラッキーだが、思っていた事が起こる事はなかった。ラッキーの運の高さでも、ラッキースケベは発生しなかった。

今日もいつものように、10階層からスタートし、新しい階層の17階層で魔物を狩っていた。

17階層に出てくる魔物はリザードマン。リスボーンに出る魔物の中で1番の強敵と言われる魔物だ。通常はCランクやDランクに分類される魔物だが、リスボーンでは、レベルが低いからなのかEランクに分類されていた。

剣と盾を持ち、こちらの攻撃を防ぎながら攻撃してくるので、魔法1発で瞬殺する事はできない。

だが1体であればそれ程脅威はない。1番の強敵と言われる所以は3体、4体と現れた時に連携してくるからだ。

ラッキーは気配察知の素質があるので、魔物がどれほどいるのかはなんとなくわかる。それを使って17階層のリザードマンを倒しまくっていた。

ちなみにリザードマンの通常ドロップは鉄の剣で、レアドロップは鉄の盾だ。マジックバッグの容量もあるので大量に持って帰る事はできないが装備品は高く売れるので、持てるだけ狩ろうと、ラッキー達はリザードマンを借りまくる。

そして、何十体かのリザードマンを倒して、今日は帰ろうと日課のデイリーガチャスキルを使おうとすると、200回目のアナウンスが流れたのだ。

「シルフィー!ちょっと待って!デイリーガチャスキルが200回目になったんだ。」

「200回目?何かあるの?」

ラッキーはシルフィーに確率が3倍になる事を伝えた。

「すごいじゃない!!早速使ってみましょ。あっでもここじゃリザードマンが襲ってくるかもしれないから地上に戻ってからがいいわね。」

ラッキーとシルフィーは帰還玉を使って地上に戻った。そして、その足でデイリーガチャスキルを使う為、誰もいない場所に向かった。

「さあ早くデイリーガチャスキルを使いましょ。前から思ってたんだけど、ラッキーってスキルを使う前にどの素質がほしいのかちゃんとお祈りしてる?モンスターガチャスキルでも変な素質が出てたしその辺何も考えてないんじゃないの?」

「それは・・・」

「やっぱり!!それじゃあ神様だってどの素質を授けたらいいかわからないわよ。ラッキーはほしい素質ってないの?」

「ほしい素質・・・。そうだな。生活魔法じゃなくてシルフィーみたいに魔法を使ってみたい。火魔法なんかいいな。なんかカッコいいし。」

「いいじゃない。それよそれ。神様に火魔法下さい!てお願いしてからデイリーガチャスキルを引くのよ!」

ラッキーはシルフィーの言う通りにする事にした。

(たしかにシルフィーの言う事ももっともだ。現に俺は神様に会ってるし。よし!神様!火魔法の素質をください。火魔法の素質をください。)

ラッキーはデイリーガチャスキルを使用した。

現れたのは白い光だった・・・

「あ~。白い光だわ。またハズレね。ラッキー。ちゃんとお祈りしたの?」

「白い光だからってハズレとは限らないよ。」

ラッキーは光が収まるのを待った。光が収まるとそこには・・・

見たことある。いや何度も見た食パンが転がっていた。

「食パン・・・。神様に祈ったのに・・・。」

「まあ今更祈ったって遅いって事かもね。まあ今から毎回魔法を下さいってお祈りすれば素質もきっと出るわよ。」

「200回で確率3倍だったのに・・・。神様にお祈りしたのに・・・。」

「もう!落ち込むなんてラッキーらしくないわよ。ほら。ギルドに素材を売りに行きましょ。念願のマジックバッグだってそろそろ買える頃でしょ。」

「はっ!?そうだ。リザードマンのドロップアイテムを売れば新しいマジックバッグが買えるんだった。よし!シルフィー!急いでギルドに行こう。売却したら魔道具屋だ。早くいかないと閉まっちゃうじゃん。急げ!」

「もう!ラッキーったら。まあでもその明るさがラッキーの取り柄よね。待ってよーー。」

200回目のメモリアルだったが、デイリーガチャスキルからは素質が出なかった。確率3倍と言っても、普段0.3%の確率が0.9になったぐらいなので、当然といえば当然かもしれない。

まだ15歳のラッキーにとって、これから10年で3600回もデイリーガチャスキルを使う事を考えればまだまだ200回は少ないだろう。

ラッキーとシルフィーはデイリーガチャスキルよりも目先のマジックバッグを手に入れる為、ギルドへと急いで向かうのだった。
しおりを挟む
感想 52

あなたにおすすめの小説

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。

桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。 「不細工なお前とは婚約破棄したい」 この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。 ※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。 ※1回の投稿文字数は少な目です。 ※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。 表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。 ❇❇❇❇❇❇❇❇❇ 2024年10月追記 お読みいただき、ありがとうございます。 こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。 1ページの文字数は少な目です。 約4500文字程度の番外編です。 バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`) ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑) ※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

絶対に間違えないから

mahiro
恋愛
あれは事故だった。 けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。 だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。 何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。 どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。 私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

あなたがそう望んだから

まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」 思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。 確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。 喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。 ○○○○○○○○○○ 誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。 閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*) 何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?

処理中です...