ガチャからは99.7%パンが出るけど、世界で一番の素質を持ってるので今日もがんばります

ベルピー

文字の大きさ
上 下
35 / 178
第1章 ゼンパンの素質とデイリーガチャスキル

第35話 シルフィード改めシルフィーと・・・

しおりを挟む
「それでラッキー?なんで素質は剣術だけって言ったの?」

リスボン辺境伯とシルフィードを助けたお礼の話をした後、シルフィードの部屋に入ったラッキーはシルフィードから衝撃の事実を聞いた。

それは・・・シルフィードの素質が森の魔導士というもので、森の魔導士は風魔法、土魔法、人物鑑定の素質があるという事だった。

ラッキーはリスボン辺境伯との話で、ゼンパンの素質を授かってから、いつも間にか剣術の素質が表れていた。と説明していた。

だが実際はゼンパンに剣術、気配察知に料理に踊りに掃除と6つも素質を持っていた。その事がシルフィードにバレてラッキーはどう話したらよいかわからず無言でシルフィードを見つめる。

「・・・。」

「別に答えたくないなら構わないわよ。」

「えっ!?」

「単純に興味があったから聞いただけだもの。隠しておきたい理由があると思ったからお父様がいる前では言わなかったでしょ。」

「たしかに。」

「だから無理には聞かないわよ?」

「シルフィード・・・。」

「あと私のことはシルフィーって呼んでくれて構わないわよ。だって、と、と、友達でしょ。」

(鑑定なんか持ってたらやっぱり興味あるよな。どうしようか。リスボン辺境伯の前で言わなかったって事はここだけの秘密になりそうだし、シルフィードなら話してみても大丈夫か。)

「わかったよ。シルフィー。それで俺の素質の事なんだけど・・・」

ラッキーはゼンパンの素質の事をシルフィーに話した。一日一回デイリーガチャスキルが使える事。魔物を倒せば、モンスターガチャスキルが使える事。確率でパンではなく素質やアイテムが手に入る事。そして、今までに5つの素質がスキルから出た事を。

ラッキーの話を聞いたシルフィーは、

「すごいじゃない!?それって今後も素質が増えていくって事よね?」

「うん。めったにでないけどね。素質がどんどん増えていくのは隠した方がいいと思ったから隠してたんだ。」

「いいえ。謝らなくていいわ。素質を隠すのは当然よ。私だって、ラッキーの素質が多い事には気づいたけど自分の素質の事を話すかどうか迷ったもの。」

この世界では、天職の儀を迎えると、神より素質を授かることがある。素質を得た人間はステータスの上昇はもちろんの事、素質によってスキルが使えるようになるので、その後の人生に大きく影響する。

そして、素質はあまりおおっぴらに公表しないのが常識だ。

例えば、シルフィーの持つ人物鑑定のスキルだが、シルフィーが人物鑑定のスキルを持ってると周りに伝わった場合、シルフィーの周りには人が集まらなくなるだろう。そればかりか、特定の人の素質を調べる為に利用される可能性もある。

冒険者などの仕事をしていく上で素質を公表する必要性がある場合もあるが、そういうのはだいたい20歳を超えてからする場合が多い。天職の儀を終えたばかりの15歳の少年、少女はその為、基本的には家族以外には素質を教えないのが常識だった。

「そうなんだ。教えてくれてありがとう。」

「かまわないわ。友達でしょ。」

「うん。」

「それよりもラッキーの事が心配だわ。私みたいに人物鑑定の素質を持った人がいたらラッキーが異常な事がバレちゃうわ。どうにかしないと!」

(たしかにシルフィーのいう通りだ。今までは気をつけなきゃと思ってたけど、俺が言わなくても素質がバレる可能性があるんならどうにかしないとな。運よく隠ぺいの素質が手に入ればいいんだけど・・・)

「そうだね・・・。でもどうすればいいか全然見当もつかないよ。」

「そんなことないわ。魔道具屋にいけば隠ぺいの魔道具が売ってると思うわ。かなり高いとは思うけど・・・。」

「そうか!魔道具があったね。お金なら多分大丈夫だよ。リスボン辺境伯からシルフィーを助けたお礼にもらえるし。それがあれば・・・。」

「そうね。じゃあお父様からお金をもらったら早速見に行きましょう。私もついて行ってあげるわ。」

(ついてきてくれるのは助かるな。それに・・・。シルフィーは魔法使いで今はソロで魔物を討伐してる。もしかしたら・・・。)

「ありがとう。助かるよ。それでシルフィーがもしよかったらなんだけど、その後、一緒に森に魔物の討伐に行かない?」

「えっ!?いいの?」

「うん。シルフィーって素質3つ持ちの魔法使いなんでしょ。で、一人で魔物を倒してるって言ってたじゃん。俺もだいたい一人で魔物討伐の依頼受けてるし、どうかな?って。って言っても俺もまだFランクだから駆け出しもいいとこだけどな。」

「行く行く!!。私だって冒険者ランクはFだから気にしないわ。それにラッキーは剣を使うから前衛でしょ。ならバランスも良いわ。」

「だよね。俺も一人じゃ限界かもって思ってたから仲間がほしいな。って思ってたんだよ。でも俺の素質って特殊だからどうしようかと思って。」

「なるほどね。たしかにラッキーの場合、気軽にパーティなんか組めないわね。」

「そうなんだよ。だからシルフィーが仲間になってくれてすごく助かったよ。」

「私も一人じゃダンジョンは難しいと思ってたから丁度よかったわ。」

「ダンジョン?」

「ええ。知らない?リスボンの街の近くにあるダンジョン?」

「知ってるよ。でもEランクからじゃないと入れないんだろ?」

「ええそうよ。だから今は魔物討伐依頼をひたすらこなしてランクを上げるの。そしてEランクに上がったらダンジョン攻略よ!」

ダンジョン攻略にやる気をだしているシルフィー。なぜそんなにダンジョンが気になるのかラッキーは聞いてみた。

すると・・・。

話を聞いて、ラッキーはシルフィーと協力してダンジョン攻略を目指すことを決めたのだった。
しおりを挟む
感想 52

あなたにおすすめの小説

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

愛されない皇妃~最強の母になります!~

椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』 やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。 夫も子どもも――そして、皇妃の地位。 最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。 けれど、そこからが問題だ。 皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。 そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど…… 皇帝一家を倒した大魔女。 大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!? ※表紙は作成者様からお借りしてます。 ※他サイト様に掲載しております。

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う

たくみ
ファンタジー
 圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。  アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。  ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?                        それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。  自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。  このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。  それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。 ※小説家になろうさんで投稿始めました

他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!

七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?

勝手にダンジョンを創られ魔法のある生活が始まりました

久遠 れんり
ファンタジー
別の世界からの侵略を機に地球にばらまかれた魔素、元々なかった魔素の影響を受け徐々に人間は進化をする。 魔法が使えるようになった人類。 侵略者の想像を超え人類は魔改造されていく。 カクヨム公開中。

お前じゃないと、追い出されたが最強に成りました。ざまぁ~見ろ(笑)

いくみ
ファンタジー
お前じゃないと、追い出されたので楽しく復讐させて貰いますね。実は転生者で今世紀では貴族出身、前世の記憶が在る、今まで能力を隠して居たがもう我慢しなくて良いな、開き直った男が楽しくパーティーメンバーに復讐していく物語。 --------- 掲載は不定期になります。 追記 「ざまぁ」までがかなり時間が掛かります。 お知らせ カクヨム様でも掲載中です。

どうも、死んだはずの悪役令嬢です。

西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。 皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。 アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。 「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」 こっそり呟いた瞬間、 《願いを聞き届けてあげるよ!》 何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。 「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」 義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。 今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで… ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。 はたしてアシュレイは元に戻れるのか? 剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。 ざまあが書きたかった。それだけです。

処理中です...