ガチャからは99.7%パンが出るけど、世界で一番の素質を持ってるので今日もがんばります

ベルピー

文字の大きさ
上 下
21 / 178
第1章 ゼンパンの素質とデイリーガチャスキル

第21話 草原無双⁉レベルアップと新たな素質⁉

しおりを挟む
『おめでとうございます。レベルが上がりました。ステータスを確認してください。』
『気配察知の素質を獲得しました。』

あれから10日間、ラッキーは草原で魔物を狩り続けた。草原を走り回って魔物を見付け、見つけたら剣を握って向かって行く。疲れたらデイリーガチャスキルを使ってパン休憩をはさむ。休憩が終わると又、魔物狩り。

3日魔物討伐依頼を受けたら1日休みのローテイションを繰り返す事3回目、ようやくラッキーに新たな素質が現れた。しかもレベルアップのオマケつきだった。

「やったぞ!新しい素質だ。しかも気配察知だ。ちょうどあったら便利だなって思ってた素質だ。」

草原での魔物狩りはラッキーにとっては簡単な作業になっていた。草原に出る魔物はゴブリンにスライム、スモールラビットにイモムシしか出ない。もちろん森からオークやウルフなどが出てくる事もあるが、基本的には初心者冒険者でも倒せる魔物だ。

ラッキーにとっても魔物は全て1撃で倒せるので、もはや草原では無双状態だった。そんな中でラッキーが苦労したのは魔物を見つける事だった。障害物がない草原だったので、遠くにいても魔物を発見する事はできたのだが、周囲を見渡して魔物が居ないときは勘を頼りに草原を走りまわるしかなかった。

魔物を倒しながら、魔物の位置が分かればもっと楽に倒せるのに。とラッキーは何度も思っていた。そんな時にこの素質を手に入れたのだ。ラッキーは神に感謝した。

「しかもレベルも3に上がった。これってレベルが上がる時に素質も手に入るのか?」

レベルが2に上がった時に剣術の素質を手に入れて、今回レベルが3に上がった時には気配察知の素質を手に入れたので、ラッキーがそう思うのは無理はなかった。

だが・・・

気のせいである。

「だいたいモンスターガチャスキルから、素質が出るのが10%前後ってところか。アイテムがだいたい30%ぐらいの確率って所だな。」

モンスターガチャスキルから素質かアイテムが出るのは10%の確率である。ラッキーの場合は運の数値が500を超えている。この世界の人間の中で運の数値が一番高い者でも数値は99だ。この世界で一番運の数値が高いラッキーだからこそ、通常10%の当たりがでるモンスターガチャスキルから素質とアイテム合わせて40%の確率で当たりが出るのだった。

「まあ10%の確率で素質が出るならこのモンスターガチャスキルは凄すぎるな。アイテムはポーションとか薬草とかあまりパッとしないけど、これは多分Fランクなのが関係してるんだろうな・・・。森でオークとかコボルトとかのEランククラスを倒すともっと良いアイテムがもらえるんだろうか・・・。もしかして素質ももっと良いモノがでるのか・・・。楽しみしかないな。あっ!!そういえばレベルアップしたんだった。ステータスを確認しないと。」

ラッキーは自分のステータスを確認した。

力  :  30 → 40
体力 :  28 → 38
敏捷 :  25 → 35
器用 :  23 → 33
魔力 ;  22 → 32
運  :  510

【素質】:ゼンパン(デイリーガチャ・モンスターガチャ)
【素質】:剣術(剣術がうまくなる。)
【素質】:気配察知(人や魔物の気配をがわかるようになる。)

「おお!!ステータスが全て10上がってるぞ。どうやらレベルが上がるとステータスが10ずつ上がるみたいだな。それに・・・剣術と気配察知の素質もちゃんと出てきてるな。まあ説明はかなりおおざっぱだけど・・・」

繰り返しになるが、レベルアップによって上昇するステータスは1~10である。そして、一般的なステータス値の上昇値は平均して5だった。ラッキーはその事をまだ知らなかった。

「ステータスは上がったけど、素質持ちに追い付くのはまだまだ遠いな。素質持ってるヤツだってレベルは上がるだろうし、そうしたらステータスも上がる。初めのステータスボーナスが大きいよな~・・・。メルトは剣聖だから300アップしてる事を考えると・・・。はあ~。調子に乗ったけど俺ってまだまだだったわ。」

天職の儀を行い素質をもらったモノはステータスが総合で100~300程増える。基本は運以外の数値が増えるので仮に公爵家の養子になったメルトだと、ステータス平均が70程ある計算になる。

ちなみにラッキーの素質は超激レアなのだが、ステータスの上昇は全て運だった。

「でもとりあえず、目標にしてた新たな素質もレベルアップもした。明日は休みにしてギルドで資料見たりライアン教官やドガンさんやガンテツさん、あとナンシーさんに今後の事相談してみるのもいいかもな。」

ラッキーは草原で、新しく素質を手に入れるか、レベルアップしたら、草原での魔物討伐を卒業して、森へ移動しようと決めていた。

それは、より強い魔物を倒せばよりレア度の高いモンスターガチャスキルが使えると思った事。より強い魔物は魔石や素材を売却すればより多くの報酬を得る事ができる事。それによって冒険者ランクがあがり、ダンジョンへの道が開けると思っていたからだ。

ラッキーはレベルアップして、新しく手に入れた素質が書かれたステータスをニヤニヤ顔で何度も見つめながら本日の依頼を終了するのだった。

ちなみにここまでのデイリーガチャスキルは・・・

安定のパンラッシュだった。
ジャムパン、食パン、食パン、ピザパン、アンパン、クリームパン、フランスパン・・・

さて、確率0.3%のデイリーガチャスキルから素質が現れる日はいつになるのだろうか・・・。
それは神様、いや女神様にもわからないのだった。
しおりを挟む
感想 52

あなたにおすすめの小説

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う

たくみ
ファンタジー
 圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。  アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。  ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?                        それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。  自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。  このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。  それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。 ※小説家になろうさんで投稿始めました

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

【完結】婚約を解消して進路変更を希望いたします

宇水涼麻
ファンタジー
三ヶ月後に卒業を迎える学園の食堂では卒業後の進路についての話題がそここで繰り広げられている。 しかし、一つのテーブルそんなものは関係ないとばかりに四人の生徒が戯れていた。 そこへ美しく気品ある三人の女子生徒が近付いた。 彼女たちの卒業後の進路はどうなるのだろうか? 中世ヨーロッパ風のお話です。 HOTにランクインしました。ありがとうございます! ファンタジーの週間人気部門で1位になりました。みなさまのおかげです! ありがとうございます!

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です

しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました

ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。

【完結】英雄様、婚約破棄なさるなら我々もこれにて失礼いたします。

ファンタジー
「婚約者であるニーナと誓いの破棄を望みます。あの女は何もせずのうのうと暮らしていた役立たずだ」 実力主義者のホリックは魔王討伐戦を終結させた褒美として国王に直談判する。どうやら戦争中も優雅に暮らしていたニーナを嫌っており、しかも戦地で出会った聖女との結婚を望んでいた。英雄となった自分に酔いしれる彼の元に、それまで苦楽を共にした仲間たちが寄ってきて…… 「「「ならば我々も失礼させてもらいましょう」」」 信頼していた部下たちは唐突にホリックの元を去っていった。 微ざまぁあり。

処理中です...