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第1章 ゼンパンの素質とデイリーガチャスキル
第15話 今日は一日お休みだ・・・午後は・・・
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ギルドで素質について調べたラッキーは、午後からは武器屋に向かっていた。といっても武器屋はギルドの隣にある。
ラッキーは武器屋に向かう前にスキルを使うために近くのベンチに座り、お昼ご飯のパンを目当てにデイリーガチャスキルを使った。
「さて今日はなんのパンが出るかな。」
ラッキーはデイリーガチャスキルに関してはどんなパンが出るかを楽しむようにしていた。
元々、300回に1回の確率でしか素質が手に入らないのだ。毎回毎回素質を期待すると精神が持たない。
ラッキーのその前向きな性格は【全般】のスキルととても相性がよかった。
スキルを使うとお馴染みの白く輝く光が現れ、光が消えるとそこには予想通りのパンがあった。
「今日は焼きそばパンか。パンの中でも当たりの部類だな。」
ラッキーの好みのパンは焼きそばパンとカレーパンだ。逆にあまり好きじゃないのは食パンとジャムパンだった。
ラッキーはデイリーガチャスキルで出たパンを食べて武器屋に向かった。
後払いで購入した鉄の剣と皮の鎧、ショートナイフの代金を支払うためだ。
武器屋に入ると、
「いらっしゃい。おっ。この前の坊主じゃねぇか。今日はどうしたんだ?武器のメンテナンスか?」
「メンテナンス?いえ、お金が貯まったので後払いにしてた代金を支払いに来ました。」
「おお。もうそんな時期か。」
ラッキーは武器屋のおやっさんに代金を渡す。
「毎度あり。それでどうだい?使い心地は?」
「はい。どれも使いやすくて気に入ってます。」
「そりゃよかったぜ。メンテナンスはちゃんとしておけよ。長く使うコツは毎日ちゃんと手入れすることだからな。」
「えっ・・・」
(メンテナンスってどうやるんだ?全くやってないぞ。)
「なんだ?手入れしてないのか?」
「え~っと・・・はい。やり方がわからなくて・・・」
「なんだよ。じゃあ見てやるから出してみろ。」
ラッキーは今日は休みにしていたので、鉄の剣も皮の鎧もショートナイフも持っていなかった。
「すいません。持ってきてなかったので急いでとってきます。」
ラッキーはそう言って宿に向かった。
「ヤベー!!手入れしないといけないなんて知らなかったーー。家に居た頃は狩りの度に武器を受け取って、終わったら戻してたからな~。きっと使用人がメンテナンスはしてくれてたんだろ・・・。メンテナンスしてないって言って時のおやっさんの顔やばかったな・・・」
ラッキーは宿屋で剣と鎧とナイフを持って、先ほどの武器屋に再度むかった。もちろん超急ぎでだ。
「はあはあ。すいません。お待たせしました。武器持ってきました。」
「おう。じゃあここに出してくれ。」
ラッキーは言われるままに、武器と防具を店主であるおやっさんの前に置いた。
おやっさんは置かれた武器を入念にチェックした。
剣を鞘から抜いて、「これはひどい。」とか、「なんだこりゃ。」とか「これほどとは。」と、ブツブツと言いながらも武器と防具を入念にチェックしていく。
その様子をラッキーは小さくなって見つめていた。
「坊主。名前は?」
ドスの利いた声でそう聞かれたラッキーは直立して、
「はい。ラッキーです。ラッキー15歳です。」
「そうか・・・。ラッキー。ちょっとこっちに来い。」
「はい!」
ラッキーはおやっさんの後について店の奥へと入っていく。
「おいラッキーそこに座れ!」
ラッキーは言われたままに席に座った。おやっさんは裏から新しい剣とナイフを持ってきてラッキーの使ってる剣とナイフの横に並べた。
「これがラッキーの持ってきた武器だ。それでこっちが売った時の状態の剣だ。違いがわかるか?」
ラッキーは二つを見比べた。それは誰が見てもわかるほど違っていた。
「はい・・・。俺が持ってきた剣は血が黒く固まってるし、鞘も黒く変色しています。剣も所々欠けてるようにも見えます。」
「そうだ。ラッキーよ。剣はなちゃんとメンテナンスしてやらんとすぐに使い物にならなくなる。そして切れ味も落ちるんだ。今日魔物を倒せたからと言って明日も同じように倒せるとは限らねぇんだ。わかるか?」
「はい。メンテナンスの大事さがよくわかりました。すいませんでした。」
「まあ駆け出しだからしょうがねぇのかもしれねぇが、一歩間違えれば剣が折れてたかもしれん。剣が使い物にならなくなったら魔物に殺されるかもしれん。武器や防具は命を預ける装備だ。大事にしないといけねぇ。」
「はい・・・。」
「まあ手遅れになる前に気づけてよかった。これだったら俺がメンテナンスすれば元に戻る。」
「本当ですか!?」
「ああ。だけど今回限りだ!今後はラッキーが自分でちゃんとメンテナンスしろ!もちろんお前の手に負えないと思ったら俺の所にもってこい!」
「はい。わかりました!今回はすいませんでした!」
「わかればいいんだ。俺も武器を大事にしないヤツには装備品を売りたくねぇしな。」
その後、メンテナンスの仕方をおやっさんに教わり、武器と防具はメンテナンスの為、おやっさんに預けた。
「ふうー。おやっさん怖かったな。でも当然か・・・作った武器を粗末にされたら誰だって怒るよな。気を付けよう。それにしても元に戻るのに3日か・・・。その間どうしよ・・・。ギルドで解体とか剣術の講習でも受けてみるか。おやっさんも言ってたけど俺はまだまだ駆け出しの冒険者だ。もっとがんばらないと。」
武器が壊れる前にメンテナンスの事が分かったラッキーは運がよかったのかもしれない。これも、この世界で一番高い運の数値を持つラッキーの豪運によるものなのか・・・
それは神様、いや神界でラッキーを見守る女神ミラのみぞ知る。
ラッキーは武器屋に向かう前にスキルを使うために近くのベンチに座り、お昼ご飯のパンを目当てにデイリーガチャスキルを使った。
「さて今日はなんのパンが出るかな。」
ラッキーはデイリーガチャスキルに関してはどんなパンが出るかを楽しむようにしていた。
元々、300回に1回の確率でしか素質が手に入らないのだ。毎回毎回素質を期待すると精神が持たない。
ラッキーのその前向きな性格は【全般】のスキルととても相性がよかった。
スキルを使うとお馴染みの白く輝く光が現れ、光が消えるとそこには予想通りのパンがあった。
「今日は焼きそばパンか。パンの中でも当たりの部類だな。」
ラッキーの好みのパンは焼きそばパンとカレーパンだ。逆にあまり好きじゃないのは食パンとジャムパンだった。
ラッキーはデイリーガチャスキルで出たパンを食べて武器屋に向かった。
後払いで購入した鉄の剣と皮の鎧、ショートナイフの代金を支払うためだ。
武器屋に入ると、
「いらっしゃい。おっ。この前の坊主じゃねぇか。今日はどうしたんだ?武器のメンテナンスか?」
「メンテナンス?いえ、お金が貯まったので後払いにしてた代金を支払いに来ました。」
「おお。もうそんな時期か。」
ラッキーは武器屋のおやっさんに代金を渡す。
「毎度あり。それでどうだい?使い心地は?」
「はい。どれも使いやすくて気に入ってます。」
「そりゃよかったぜ。メンテナンスはちゃんとしておけよ。長く使うコツは毎日ちゃんと手入れすることだからな。」
「えっ・・・」
(メンテナンスってどうやるんだ?全くやってないぞ。)
「なんだ?手入れしてないのか?」
「え~っと・・・はい。やり方がわからなくて・・・」
「なんだよ。じゃあ見てやるから出してみろ。」
ラッキーは今日は休みにしていたので、鉄の剣も皮の鎧もショートナイフも持っていなかった。
「すいません。持ってきてなかったので急いでとってきます。」
ラッキーはそう言って宿に向かった。
「ヤベー!!手入れしないといけないなんて知らなかったーー。家に居た頃は狩りの度に武器を受け取って、終わったら戻してたからな~。きっと使用人がメンテナンスはしてくれてたんだろ・・・。メンテナンスしてないって言って時のおやっさんの顔やばかったな・・・」
ラッキーは宿屋で剣と鎧とナイフを持って、先ほどの武器屋に再度むかった。もちろん超急ぎでだ。
「はあはあ。すいません。お待たせしました。武器持ってきました。」
「おう。じゃあここに出してくれ。」
ラッキーは言われるままに、武器と防具を店主であるおやっさんの前に置いた。
おやっさんは置かれた武器を入念にチェックした。
剣を鞘から抜いて、「これはひどい。」とか、「なんだこりゃ。」とか「これほどとは。」と、ブツブツと言いながらも武器と防具を入念にチェックしていく。
その様子をラッキーは小さくなって見つめていた。
「坊主。名前は?」
ドスの利いた声でそう聞かれたラッキーは直立して、
「はい。ラッキーです。ラッキー15歳です。」
「そうか・・・。ラッキー。ちょっとこっちに来い。」
「はい!」
ラッキーはおやっさんの後について店の奥へと入っていく。
「おいラッキーそこに座れ!」
ラッキーは言われたままに席に座った。おやっさんは裏から新しい剣とナイフを持ってきてラッキーの使ってる剣とナイフの横に並べた。
「これがラッキーの持ってきた武器だ。それでこっちが売った時の状態の剣だ。違いがわかるか?」
ラッキーは二つを見比べた。それは誰が見てもわかるほど違っていた。
「はい・・・。俺が持ってきた剣は血が黒く固まってるし、鞘も黒く変色しています。剣も所々欠けてるようにも見えます。」
「そうだ。ラッキーよ。剣はなちゃんとメンテナンスしてやらんとすぐに使い物にならなくなる。そして切れ味も落ちるんだ。今日魔物を倒せたからと言って明日も同じように倒せるとは限らねぇんだ。わかるか?」
「はい。メンテナンスの大事さがよくわかりました。すいませんでした。」
「まあ駆け出しだからしょうがねぇのかもしれねぇが、一歩間違えれば剣が折れてたかもしれん。剣が使い物にならなくなったら魔物に殺されるかもしれん。武器や防具は命を預ける装備だ。大事にしないといけねぇ。」
「はい・・・。」
「まあ手遅れになる前に気づけてよかった。これだったら俺がメンテナンスすれば元に戻る。」
「本当ですか!?」
「ああ。だけど今回限りだ!今後はラッキーが自分でちゃんとメンテナンスしろ!もちろんお前の手に負えないと思ったら俺の所にもってこい!」
「はい。わかりました!今回はすいませんでした!」
「わかればいいんだ。俺も武器を大事にしないヤツには装備品を売りたくねぇしな。」
その後、メンテナンスの仕方をおやっさんに教わり、武器と防具はメンテナンスの為、おやっさんに預けた。
「ふうー。おやっさん怖かったな。でも当然か・・・作った武器を粗末にされたら誰だって怒るよな。気を付けよう。それにしても元に戻るのに3日か・・・。その間どうしよ・・・。ギルドで解体とか剣術の講習でも受けてみるか。おやっさんも言ってたけど俺はまだまだ駆け出しの冒険者だ。もっとがんばらないと。」
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