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第1章 ゼンパンの素質とデイリーガチャスキル
第2話 ちょっと追放されちゃったわよ?
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ラッキーが天職の儀を終えて10日経ち、公爵家から追放された頃・・・
雲の上の神界では、ラッキーの事を見守る1人の少女がいた。
「ラッキーさん・・・」
その少女の名はミラ。今回ラッキーに【ゼンパン】の素質を授けた神様だ。
「ミラ!ラッキー追放されちゃったわよ?どうするの?」
ミラの隣で下界を見守っていた女性は、ミラの姉でマイという。
「姉さん・・・。私の素質のせいで、ラッキーさんが・・・」
「人間界では【ゼンパン】の素質なんて初めてだもん。パンしか出せない素質っておもっちゃっても仕方ないわね。でも公爵家もひどい事するわね。もう少し様子を見ればよかったのに・・・」
「ラッキーさん。大丈夫かな?」
「ミラ!安心しなさい。あなたが選んだんでしょ。大丈夫よ。」
「本当?」
「もちろん。ミラも【ゼンパン】の素質の事は知ってるでしょ。今はまあ・・・運が悪かったのよ。この素質が世界で最も優れているのは私が保証するわ。そうでしょ?」
「うん。」
この世界の素質は神界にいる神より下界の人々に与えられていた。
ミラは10年程前に下界にお忍びで遊びに行った事があり、そこで道に迷っている所をラッキーに助けられていた。
ミラはその時からラッキーの事を気にかけていた。
ミラの持つ素質は【ゼンパン】で神の中で最も優れた素質を持つ神と言われていた。その絶大な力の為、ミラは今まで素質を人間に与える事をしなかった。
今回、ラッキーが天職の儀を迎えるにあたり、ミラは初めて【ゼンパン】の素質を与えたのだった。
「いつもは光魔法とか治癒魔法の素質を与えてるけど、今回は【聖女】の素質を与えたからその子にラッキーの事を気に掛けるように神託出しておくから。」
「姉さん・・・ん・・・でも大丈夫。ラッキーさんを信じる。」
ミラの姉のマイは【聖女】の素質を持つ神だ。【聖女】の素質はレアな素質な為、バンバンと授ける事はできない。いつもは【聖女】に付随する杖術や光魔法、水魔法、治癒魔法なんかを与えていた。
「それにしても剣聖か・・・。あいつの与えた素質よね。いやになるわ。」
「うん。」
神界に住む神はそれぞれがないかしらの素質を持っていて、自分の持つ素材を下界の人間に与えている。与えた人間が成果を出すとその素質を与えた神の位があがり、より偉くなっていくというシステムだ。
神の位を上げる為にポンポンと素質を与える神もいるが、ミラはその絶大な力の素質の為に、父であるゼウスよりむやみに素質を与える事を禁じられていたのだった。
「それよりラッキーに【ゼンパン】の内容を伝えなくていいの?もし神力が足りないなら私が代わりにラッキーに伝えるわよ?」
「姉さん・・・ありがとう。でもこれは父さんにも言われた事だから・・・自分で神力溜めてラッキーさんには伝える。」
「ミラ・・・・。わかったわ。でもいつでも言ってよね。何でも協力するから!」
「ありがとう姉さん。」
【ゼンパン】の素材がこの世界で最も優れていると言われる所以はガチャにある。
10日間の検証で、【ゼンパン】は【全パン】という事になったが、実際は【ゼンパン】=【全般】という意味だった。
どういう事かというと、ラッキーが1日1回使うガチャスキルはパン以外にも素質を入手する事ができるのだ。
それがどういう事かわかるだろうか?
この世界では15歳で転職の儀を受けた後に新たに素質を獲得する事はできない。そして素質を持っている人は圧倒的に良い人生を歩む事ができる。
火魔法で例えると、素質を持っていない人は、魔力操作を覚えて、魔力の放出を覚える。魔力を火属性に変換する事を覚えて、詠唱で補助してようやく火魔法が使えるようになる。
それに比べて、火魔法の素質を持つ人は、素質を得た瞬間に火魔法を使う事ができるのだ。
その差はとても大きい。火魔法が使えるようになってからもより威力の高い火魔法を習得するスピードも素質を持つ者の方が圧倒的に早い。
これを聞けばこの世界で素質がどれほど重要がわかるだろう。
【ゼンパン】の素質を得たラッキーはガチャスキルで火魔法だろうが水魔法だろうが、剣聖だろうが、聖女だろうが全ての素材を入手する事ができるのだ。
では、なぜラッキーはスキルを使っても他の素質を得る事ができずにパンばかりが出ていたのか・・・
それはガチャの確率によるものだった。
ガチャスキルの詳細は、
素材入手確率0.3%、ハズレ99.7%なのだ。
つまり、300回程引いて1回素質が出る確率なのだ。
300回⁉と驚くかもしれないが、1年に1つ新たな素質が入手できるのだ。しかもどんな素質も。更に、今回のスキルはデイリーガチャというスキルだ。それ以外にもガチャスキルは存在していた。
それを考えると最も優れた素質というのがわかるだろう。
ラッキー含め、この世界の人間は【ゼンパン】の素質の内容を知らないので、パンばかり出すガチャスキルという内容からラッキーの素質はハズレだと決めつけていたのだった。
「ラッキーさん。【ゼンパン】の素質はきっとラッキーさんの力になってくれます。どうが諦めずにガチャを引き続けてください。」
ミラは公爵家を追放されて、家を出ていくラッキーを見守りながらそうつぶやいたのだった。
雲の上の神界では、ラッキーの事を見守る1人の少女がいた。
「ラッキーさん・・・」
その少女の名はミラ。今回ラッキーに【ゼンパン】の素質を授けた神様だ。
「ミラ!ラッキー追放されちゃったわよ?どうするの?」
ミラの隣で下界を見守っていた女性は、ミラの姉でマイという。
「姉さん・・・。私の素質のせいで、ラッキーさんが・・・」
「人間界では【ゼンパン】の素質なんて初めてだもん。パンしか出せない素質っておもっちゃっても仕方ないわね。でも公爵家もひどい事するわね。もう少し様子を見ればよかったのに・・・」
「ラッキーさん。大丈夫かな?」
「ミラ!安心しなさい。あなたが選んだんでしょ。大丈夫よ。」
「本当?」
「もちろん。ミラも【ゼンパン】の素質の事は知ってるでしょ。今はまあ・・・運が悪かったのよ。この素質が世界で最も優れているのは私が保証するわ。そうでしょ?」
「うん。」
この世界の素質は神界にいる神より下界の人々に与えられていた。
ミラは10年程前に下界にお忍びで遊びに行った事があり、そこで道に迷っている所をラッキーに助けられていた。
ミラはその時からラッキーの事を気にかけていた。
ミラの持つ素質は【ゼンパン】で神の中で最も優れた素質を持つ神と言われていた。その絶大な力の為、ミラは今まで素質を人間に与える事をしなかった。
今回、ラッキーが天職の儀を迎えるにあたり、ミラは初めて【ゼンパン】の素質を与えたのだった。
「いつもは光魔法とか治癒魔法の素質を与えてるけど、今回は【聖女】の素質を与えたからその子にラッキーの事を気に掛けるように神託出しておくから。」
「姉さん・・・ん・・・でも大丈夫。ラッキーさんを信じる。」
ミラの姉のマイは【聖女】の素質を持つ神だ。【聖女】の素質はレアな素質な為、バンバンと授ける事はできない。いつもは【聖女】に付随する杖術や光魔法、水魔法、治癒魔法なんかを与えていた。
「それにしても剣聖か・・・。あいつの与えた素質よね。いやになるわ。」
「うん。」
神界に住む神はそれぞれがないかしらの素質を持っていて、自分の持つ素材を下界の人間に与えている。与えた人間が成果を出すとその素質を与えた神の位があがり、より偉くなっていくというシステムだ。
神の位を上げる為にポンポンと素質を与える神もいるが、ミラはその絶大な力の素質の為に、父であるゼウスよりむやみに素質を与える事を禁じられていたのだった。
「それよりラッキーに【ゼンパン】の内容を伝えなくていいの?もし神力が足りないなら私が代わりにラッキーに伝えるわよ?」
「姉さん・・・ありがとう。でもこれは父さんにも言われた事だから・・・自分で神力溜めてラッキーさんには伝える。」
「ミラ・・・・。わかったわ。でもいつでも言ってよね。何でも協力するから!」
「ありがとう姉さん。」
【ゼンパン】の素材がこの世界で最も優れていると言われる所以はガチャにある。
10日間の検証で、【ゼンパン】は【全パン】という事になったが、実際は【ゼンパン】=【全般】という意味だった。
どういう事かというと、ラッキーが1日1回使うガチャスキルはパン以外にも素質を入手する事ができるのだ。
それがどういう事かわかるだろうか?
この世界では15歳で転職の儀を受けた後に新たに素質を獲得する事はできない。そして素質を持っている人は圧倒的に良い人生を歩む事ができる。
火魔法で例えると、素質を持っていない人は、魔力操作を覚えて、魔力の放出を覚える。魔力を火属性に変換する事を覚えて、詠唱で補助してようやく火魔法が使えるようになる。
それに比べて、火魔法の素質を持つ人は、素質を得た瞬間に火魔法を使う事ができるのだ。
その差はとても大きい。火魔法が使えるようになってからもより威力の高い火魔法を習得するスピードも素質を持つ者の方が圧倒的に早い。
これを聞けばこの世界で素質がどれほど重要がわかるだろう。
【ゼンパン】の素質を得たラッキーはガチャスキルで火魔法だろうが水魔法だろうが、剣聖だろうが、聖女だろうが全ての素材を入手する事ができるのだ。
では、なぜラッキーはスキルを使っても他の素質を得る事ができずにパンばかりが出ていたのか・・・
それはガチャの確率によるものだった。
ガチャスキルの詳細は、
素材入手確率0.3%、ハズレ99.7%なのだ。
つまり、300回程引いて1回素質が出る確率なのだ。
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「ラッキーさん。【ゼンパン】の素質はきっとラッキーさんの力になってくれます。どうが諦めずにガチャを引き続けてください。」
ミラは公爵家を追放されて、家を出ていくラッキーを見守りながらそうつぶやいたのだった。
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