辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー

文字の大きさ
上 下
206 / 248
第十章 家族の時間

第328話 サラサ&ライシャとの時間 1

しおりを挟む
ジャンヌとソフィア、両方に子供が生まれ落ち着いてきたのでクリフは、セリーヌやユーナ達と二人で過ごしたように残っている嫁達との時間を作った。

順番的には、次はジャンヌかソフィアなのだが二人とも子供を産んだばかりなので、先にサラサとライシャからになった。クリフが、どちらが先に一緒に過ごすか聞くと、二人は二人同時でお願いしますと言ってきていた。

クリフとしては、サラサとライシャは同時期に仲良くなってから嫁になったので、それもありかと思い了承したのだ。

サラサとライシャとは、クリフがセリーヌ達にウェディングドレスをプレゼントする為の素材を入手する時に知り合った。サラサがエルフでライシャがダークエルフだ。

サラサとライシャは、クリフのいる王国でも、帝国でも、聖国でもない場所に住んでいた。ウェディングドレスの素材は、サラサとライシャが住んでいた世界樹のある大陸にいるプラチナスパイダーという魔物の糸を使う事にしたクリフが、神様に転移させてもらってサラサ達のいる世界樹の大陸に移動したのだ。

ちなみに世界樹の大陸がこの世界のどこにあるかは未だによくわかっていない。

クリフが世界樹の大陸に向かった時、世界樹がなくなるという大きな問題が起きており、そのせいでエルフとダークエルフは対立していた。クリフがその問題を解決する時に仲良くなったのがサラサとライシャだ。

今では、世界樹の素材を使った武器や防具を中心に販売する商会のトップ2だ。エターレインは各国を転移魔法陣で繋いでいるので、二人の作ったレイン商会は世界で一番有名な商会と言われていた。

そんな二人との時間は、クリフが思っていたプランとは全く違っていた。

クリフは、サラサとライシャとは世界樹の大陸で出会い、その後エターレイン領へと来たので、二人と王都だったり、帝国、聖国をゆっくり回った事がなかったので、それぞれの国を見て回ろうと思っていた。

だが、ふたを開けてみると二人は世界樹の大陸でやりたい事があるというのだ。世界樹の大陸の場所は転移魔法か転移魔法陣でしか行けないので、今回はお姫様抱っこ&飛行魔法は使わずに転移魔法で移動した。そして、お姫様抱っこ&飛行魔法で移動しなかったのでテンプレの盗賊とも出会わなかった。

そもそも世界樹の大陸には、エルフとダークエルフしか住んでいないのだ。盗賊など出るはずもなかった。

「それで?今回は3人だけど、世界樹の大陸に来てやりたい事ってなんなの?」

「ライシャとも話したんだけど、私達のレイン商会は大きく発展して知らない人がいないぐらいの大きな商会になったわ。だけど、大きくなるに連れて、この島に問題が起こったの。クリフには一緒にその解決をしてほしいの。」

「問題だって!?そんなの初めて聞いたよ・・・大丈夫なの?」

「そんなに慌てなくて大丈夫よ。問題って言っても悪い問題じゃないのよ。実は、レイン商会が大きくなった事によってグリーンランドとダークランド、そしてセンターランドが人材不足なのよ。あっちからは人を受け入れてないでしょ?だけどエルフやダークエルフは私達みたいに王国とか他の国に興味深々で、王国に行ったっきりで戻ってこない人も多いの。私達がどうこう言える立場じゃないのはわかってるんだけど、このままじゃ世界樹も守っていけないし、私達の大陸から人がいなくなってしまうかもしれないわ。だからクリフお願い。私達と一緒にこの島をなんとかしてほしいの。」

(成程・・・そんな事考えた事もなかったけど、たしかによくよく考えてみれば起こりうる問題だな。転移魔法陣での移動はある程度制限してるから、エターレインと世界樹の大陸を繋いでる転移魔法陣はエルフとダークエルフしか使っていない。たしかに始めてみる世界だ。今までいた大陸を飛び出して生活したいと思うエルフやダークエルフは多いだろう。多分若い者程そうなんだろうな~。しばらくグリーンランドにもダークランドにもセンターランドにもいってなかったけど、もしかして年配者ばっかりになってるのかも・・・まあ年配と言ってもエルフは若く見えるから見た目じゃわからないかもしれないけど・・・。だけど人口減少は大きな問題だな。エルフとダークエルフ以外の人達を世界樹の大陸に呼ぶようにして、ほかにもこっちで働いてくれる人を探すしかないか?だけど世界樹が心配だよな~。世界樹に危害が及ばないように移動は制限してたんだし・・・久々に精霊リンに会いに行ってみるか。しばらく来てないから怒られる未来しか見えないけど・・・)

「なるほど。わかったよ。こっちにも人が来て生活したり働けるようにすれば良いって事だね。でもこれってサラサとライシャだけの問題じゃないんだし、この機会を使ってやらなくてもいいのに。」

「私達の大陸だから、私達の手でどうにかしたいのよ。この機会を使わなかったらみんな手伝ってくれるでしょ?それはそれでありがたいんだけど、丁度いいタイミングでクリフとの時間を作れる事になったからライシャと話して、これに決めたのよ。二人分だから時間も二人分使っていいってセリーヌから許可ももらったしね。」

「そっか。わかった。せっかく3人で久々に来たんだ。この大陸をどうにかするのも大事だけど、できるだけ楽しく過ごそう。」

「そうね。賛成よ。」
「私も。」

そうして、世界樹の大陸にきたクリフ達は行動を開始するのだった。
しおりを挟む
感想 119

あなたにおすすめの小説

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!

八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。 『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。 魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。 しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も… そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。 しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。 …はたして主人公の運命やいかに…

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。

【完結】公爵家の末っ子娘は嘲笑う

たくみ
ファンタジー
 圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。  アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。  ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?                        それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。  自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。  このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。  それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。 ※小説家になろうさんで投稿始めました

【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】  最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。  戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。  目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。  ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!  彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!

ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく  高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。  高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。  しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。  召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。 ※カクヨムでも連載しています

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

異世界召喚されたら無能と言われ追い出されました。~この世界は俺にとってイージーモードでした~

WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
 1~8巻好評発売中です!  ※2022年7月12日に本編は完結しました。  ◇ ◇ ◇  ある日突然、クラスまるごと異世界に勇者召喚された高校生、結城晴人。  ステータスを確認したところ、勇者に与えられる特典のギフトどころか、勇者の称号すらも無いことが判明する。  晴人たちを召喚した王女は「無能がいては足手纏いになる」と、彼のことを追い出してしまった。  しかも街を出て早々、王女が差し向けた騎士によって、晴人は殺されかける。  胸を刺され意識を失った彼は、気がつくと神様の前にいた。  そしてギフトを与え忘れたお詫びとして、望むスキルを作れるスキルをはじめとしたチート能力を手に入れるのであった──  ハードモードな異世界生活も、やりすぎなくらいスキルを作って一発逆転イージーモード!?  前代未聞の難易度激甘ファンタジー、開幕!

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。