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第十章 家族の時間
第324話 グランと7人の魔王 3
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魔王ラミクイの元へ向かった翌日、朝から次の魔王のスケキンの元へは向かわずにクリフとグランとエメラルドの3人は、地上にある大きな町へと来ていた。目的は転移魔法陣を完成させるために、今いる世界の事を知る為だ。
「久しぶりに来てみたが賑わってるのぉ。」
「グランはあまり地上には行かなかったの?」
「あまり興味がなかったものでな。昔はよく行ってたんじゃが、召喚される前は地上に知り合いもおらなんだからのぉ。」
「私は時々情報収集に来ますよ。やはり料理なんかは地上の方が格段に美味しいですから。」
「そりゃそうだよね。スライム族は基本水があれば食事を必要としないって言ってたもんな?」
「ええ。だけどやっぱり美味しいモノを食べたいじゃない?うちの種族は料理するヤツなんていないから地上に降りるしかないのよね。」
「そういや他の魔王達はどうしてるんだ?」
「地上で魔物を狩ったり、島の動物を狩ったりしてると思うぞ。奴らだって料理と呼べるような事はしとらんじゃろ。精々捕まえた魔物や動物を火で炙るぐらいじゃと思うぞ。まあ島にいる魔物達は人化を使える者が多い。人族に紛れて地上にいる魔物はけっこう多いと思うぞ。」
(ここは王都って言ってたから城があるんだよな~。さすがに国に関わる気はないから、街をグルっと回ったら帰るか。それにしてもギルドに食事処、屋台で串焼き売ってる感じとか俺の異世界と全く変わらないな。俺って今の世界に転生したけど、この世界に転送する可能性もあったのかな?そういや神様とかってこの世界はどうなってるんだろ?もしかして創造神様はこの世界の事を知ってるのかな?)
クリフ達は、屋台で串焼きを買ったり、鍛冶屋で武器や防具を見たり、食事処で食事をしたりしながら街を楽しんだ。ちなみにギルドは、クリフの場合はテンプレが発動して絡まれる確率が非常に高いので、今回は近くにすら寄らなかった。
一通り町を観光したクリフ達は、スケルトン族の島へと向かった。お姫様抱っこで行くと駄々をこねたグランだったが、うまくなだめて転移魔法を使っての移動だ。
「さあ早く行くのじゃ。さっさと終わらせて城に帰るのじゃ。」
スケルトン島に到着したクリフ達は、グランが先頭を切って城へと移動した。グランに転移魔法を使う条件として、一緒にお風呂に入る事になったからだ。早く城に入ってイチャイチャしたいグランは、スケキンへの連絡をすぐに終わらせるべく張り切っていた。
「そんなに急がなくても大丈夫だろ?それよりスケキンには会ってエメラルドの事を話せば終わりなのか?」
「うむ。アヤツはバカじゃからな。基本何も考えておらん。わかった。と言って終わるはずじゃ。」
「そうだね。スケキン様は基本何もしないから、すぐに終わると思うわ。」
そうして、城に到着しスケキンが座る間へと到着すると、玉座にガリガリのいかにも顔色の悪そうなヒョロヒョロの男性が座っていた。
(あれが魔王?すごい弱そうだけど・・・それに人化してるからなんだろうけど、スケルトンが人化ってそれ骨に肉がついただけじゃん。)
「相変わらず今にも倒れそうじゃのう。生きてるかスケキンよ?」
「君は・・・誰だっけ?」
「マスターよ。わかるじゃろ?こやつは我の名前すら覚えておらん。毎回来るたびにこのやり取りじゃ。」
「思い出したよグリコだよね。久しぶり。一週間ぶりかな?」
「マスターよ。我の言った意味がわかったじゃろ?こやつは普段から何も考えておらんじゃ。」
「でも魔王なんだよな?」
「うむ。強さはスケルトン族の中でも一番じゃからな。」
「後の二人は・・・あーーわかったネイルとネネだよね?二人も久しぶり。」
(いやいや初対面だし。ネイルとネネって誰だよ!?しかもグランの名前だって違ってるし・・・この魔王ヤバいな。さっきからグランとエメラルドが言っている意味がわかったよ。長居しても無駄なのも・・・挨拶だけして帰るのが吉だな。)
「よくわかったじゃろマスターよ。こいつに話は無駄じゃ。おいスケキン。我は魔王の座をエメラルドに渡す。今日はその挨拶にきただけじゃ。側近どもも安心せえ。この馬鹿は今日の事はすぐに忘れるだろうからお前らにも言っておくぞ。」
グランはそう言って、玉座の間を後にした。クリフとエメラルドもその後を追って城を出たのだった。
「おいグラン。本当にあんな感じでよかったのか?たしかにグランの言うように今日の事もすぐに忘れるだろうけど・・・」
「いいのじゃ。あそこは側近どもに伝われば種族全体に伝わる。いつもはスケキンの言動に我が切れて戦闘になるのじゃが、すぐに帰ったから側近どもも安心しておるはずじゃ。そんな事より早く帰ってお風呂に入るのじゃ。我がマスターの背中を流すのじゃ。」
(まっ・・・いっか。)
その後、グランと仲良く二人でお風呂に入った後に、滞っていた転移魔法陣も完成した。これでいつでもスライム城とエターレインの屋敷が行き来できるようになったのだった。
クリフとグランは抱き合って喜び、グランと別れなくてすむとわかったエメラルドも両手を上げて喜んだのだった。
「久しぶりに来てみたが賑わってるのぉ。」
「グランはあまり地上には行かなかったの?」
「あまり興味がなかったものでな。昔はよく行ってたんじゃが、召喚される前は地上に知り合いもおらなんだからのぉ。」
「私は時々情報収集に来ますよ。やはり料理なんかは地上の方が格段に美味しいですから。」
「そりゃそうだよね。スライム族は基本水があれば食事を必要としないって言ってたもんな?」
「ええ。だけどやっぱり美味しいモノを食べたいじゃない?うちの種族は料理するヤツなんていないから地上に降りるしかないのよね。」
「そういや他の魔王達はどうしてるんだ?」
「地上で魔物を狩ったり、島の動物を狩ったりしてると思うぞ。奴らだって料理と呼べるような事はしとらんじゃろ。精々捕まえた魔物や動物を火で炙るぐらいじゃと思うぞ。まあ島にいる魔物達は人化を使える者が多い。人族に紛れて地上にいる魔物はけっこう多いと思うぞ。」
(ここは王都って言ってたから城があるんだよな~。さすがに国に関わる気はないから、街をグルっと回ったら帰るか。それにしてもギルドに食事処、屋台で串焼き売ってる感じとか俺の異世界と全く変わらないな。俺って今の世界に転生したけど、この世界に転送する可能性もあったのかな?そういや神様とかってこの世界はどうなってるんだろ?もしかして創造神様はこの世界の事を知ってるのかな?)
クリフ達は、屋台で串焼きを買ったり、鍛冶屋で武器や防具を見たり、食事処で食事をしたりしながら街を楽しんだ。ちなみにギルドは、クリフの場合はテンプレが発動して絡まれる確率が非常に高いので、今回は近くにすら寄らなかった。
一通り町を観光したクリフ達は、スケルトン族の島へと向かった。お姫様抱っこで行くと駄々をこねたグランだったが、うまくなだめて転移魔法を使っての移動だ。
「さあ早く行くのじゃ。さっさと終わらせて城に帰るのじゃ。」
スケルトン島に到着したクリフ達は、グランが先頭を切って城へと移動した。グランに転移魔法を使う条件として、一緒にお風呂に入る事になったからだ。早く城に入ってイチャイチャしたいグランは、スケキンへの連絡をすぐに終わらせるべく張り切っていた。
「そんなに急がなくても大丈夫だろ?それよりスケキンには会ってエメラルドの事を話せば終わりなのか?」
「うむ。アヤツはバカじゃからな。基本何も考えておらん。わかった。と言って終わるはずじゃ。」
「そうだね。スケキン様は基本何もしないから、すぐに終わると思うわ。」
そうして、城に到着しスケキンが座る間へと到着すると、玉座にガリガリのいかにも顔色の悪そうなヒョロヒョロの男性が座っていた。
(あれが魔王?すごい弱そうだけど・・・それに人化してるからなんだろうけど、スケルトンが人化ってそれ骨に肉がついただけじゃん。)
「相変わらず今にも倒れそうじゃのう。生きてるかスケキンよ?」
「君は・・・誰だっけ?」
「マスターよ。わかるじゃろ?こやつは我の名前すら覚えておらん。毎回来るたびにこのやり取りじゃ。」
「思い出したよグリコだよね。久しぶり。一週間ぶりかな?」
「マスターよ。我の言った意味がわかったじゃろ?こやつは普段から何も考えておらんじゃ。」
「でも魔王なんだよな?」
「うむ。強さはスケルトン族の中でも一番じゃからな。」
「後の二人は・・・あーーわかったネイルとネネだよね?二人も久しぶり。」
(いやいや初対面だし。ネイルとネネって誰だよ!?しかもグランの名前だって違ってるし・・・この魔王ヤバいな。さっきからグランとエメラルドが言っている意味がわかったよ。長居しても無駄なのも・・・挨拶だけして帰るのが吉だな。)
「よくわかったじゃろマスターよ。こいつに話は無駄じゃ。おいスケキン。我は魔王の座をエメラルドに渡す。今日はその挨拶にきただけじゃ。側近どもも安心せえ。この馬鹿は今日の事はすぐに忘れるだろうからお前らにも言っておくぞ。」
グランはそう言って、玉座の間を後にした。クリフとエメラルドもその後を追って城を出たのだった。
「おいグラン。本当にあんな感じでよかったのか?たしかにグランの言うように今日の事もすぐに忘れるだろうけど・・・」
「いいのじゃ。あそこは側近どもに伝われば種族全体に伝わる。いつもはスケキンの言動に我が切れて戦闘になるのじゃが、すぐに帰ったから側近どもも安心しておるはずじゃ。そんな事より早く帰ってお風呂に入るのじゃ。我がマスターの背中を流すのじゃ。」
(まっ・・・いっか。)
その後、グランと仲良く二人でお風呂に入った後に、滞っていた転移魔法陣も完成した。これでいつでもスライム城とエターレインの屋敷が行き来できるようになったのだった。
クリフとグランは抱き合って喜び、グランと別れなくてすむとわかったエメラルドも両手を上げて喜んだのだった。
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