辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー

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第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?

第287話 セントラル城奪還作戦終了!?

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無事に人質が解放された事を合図で知ったクリフはリンティアを残し、城の中へと入って行く。

リンティアを残したのは作戦通りだ。城の中にはノースとサウスの中将が残っているし、他にも手練れがいるかもしれない。リンティアでは分が悪いので、他の魔族とともに残してきた形だ。

セントラル、ノース、サウスの魔族は見た目からどのエリアの魔族かわかるわけではない。なのでクリフは他の魔族に見つからないようにミラージュの魔法で姿を隠し移動していた。

(城の中にもまだけっこうな数の魔族がいるんだな。それぞれ戦ってるけど誰が味方で誰が敵か全くわからない。不用意に姿を現すと敵認定されて攻撃されそうだ。ここは大人しく姿を隠したままで奥まで行く方がいいな。気配からフォルカスとユイも奥に向かってるみたいだし。)

駆け足で行くとミラージュの魔法が解けてしまうので、慎重にフォルカス達がいる奥の間に進んで行く。

途中、フォルテが敵の魔族と戦ってるのが見え、劣勢だったので、バレない様に魔法で援護した。フォルテの相手が敵だとわかったからだ。

城の構造もわからないので、玉座の間に着くまで時間がかかったが、無事に玉座の間の前まできたクリフはそのまま、扉を開けて玉座の間へと入った。

すると・・・

首に剣を添えられているユイとそれを眺めるフォルカス達がいたのだった。

「フォルダー、フォルカス、フォントよ。これ以上抵抗すれば魔王の命はないぞ。」

「くっ!ワイ、ルビー卑怯だぞ。」

「なんとでも言え。おいルビー。早く3人をやってしまえ。」

(おいおい、お約束と言えばお約束だけど、3人もいてユイを人質に取られるとか何やってんだよ。まあでも今ここに俺がいるからそれは意味ないけどね。)

クリフは瞬時にユイの首にあたっている剣をはじきとばし、ユイを抱き寄せワイを吹き飛ばした。

「何!?」

「クリフさん!!」

「ユイ。大丈夫か?」

「うん。ユイは大丈夫だよ。」

「ならよかった。フォルカス。こっちは俺がいるから大丈夫だ。後は大丈夫だろ?」

「ああ。感謝する。ワイにルビー。お前ら覚悟はいいか?ユイ様を傷つけた罪、死んでお詫びしろ。」

「ユイ・・・部屋の外に出てるか?」

(多分フォルカス達はワイとルビーって言う中将を殺すだろう。ユイには見せない方がいいか・・・)

「クリフさん。ユイはちゃんと見届ける。ユイは魔国の魔王。ちゃんと見届けないといけないと思う。もう守られてばっかりの子供じゃない。ユイだって。ユイだって。」

「ユイ・・・わかった。じゃあちゃんとその目で見届けろ。」

「うん。ありがとう。」

(ユイはこの戦いで成長したな。国を治めるんだ。こういう事もちゃんと目を背けず見るのは当然だ。誰も殺したくないって言うのは理想だが現実はそうはいかないからな。って俺は誰目線だよ!!!ユイの父親でもないのに・・・娘枠・・・か・・・)

フォルカスの言ってた通り、ワイとルビーの実力はフォルカスよりも劣っていた。フォルカスよりも更に実力のあるフォルダー、フォルカスより少し劣っている同じ中将のフォントの前にワイとルビーはあっけなく死んでいったのだった。

「フォンカスよ。こちらの方は?」

クリフは変化の魔法を解き、本来の姿を見せた。

「サリマン王国、エターレイン領のクリフ・エターレインと申します。この度、そちらのユイと縁がありまして魔国に来させていただきました。貴方の息子であるフォルカスとは少々縁がありましたので、こうして協力している次第であります。」

「サリマン王国のクリフと言えば、勇者で英雄のクリフ殿か。フォルカスより話は聞いている。決闘をして勝てなかったと。それにユイ様を魔の森へ転移させたのは私です。ユイ様を保護してくださったのですね。ありがとうございます。」

(勝てなかった・・・負けたって言わなかったんだな。どんな負けず嫌いだよ。)

「さすがに事情を聞けばほっとけなかったですから。それより、城の中にはまだ敵の魔族達がいて、セントラルの魔族と戦ってます。私がここに来るまでどこも戦闘中でした。早く後処理をした方が良いと思うのですが。」

「おお、そうでした。フォルカス、フォント。お前達は城の中に残ったノースとサウスの魔族を片っ端かた倒してこい。別に殺さなくてもよいが、動けないようにしておけ。」

「「はっ!」」

フォルダーの言葉にフォルカスとフォントは玉座の間を出て行った。

「あなたは行かなくて大丈夫なのですか?」

「クリフ殿。普段の言葉遣いで良いですぞ。私が行くまでもないでしょう。フォルカスとフォントも十分強いですから。」

「クリフさんのおかげで無事にみんなを助ける事ができましたし城も取り返す事ができました。ありがとうございます。」

「ああ。ユイに頼まれたからな。それにこれで終わりじゃないだろ?これからノースやサウスが又攻めてくるかもしれない。それをどうにかしないとな。」

「そうだな・・・ユイ様が力を取り戻せば・・・」

「それは無しだ。もしユイが力を取り戻して暴走でもしようものなら俺がユイを殺さないといけなくなるかもしれない。だからユイに魔王の核は渡さない。だから俺が来たんだ。ノースとサウスを滅ぼせばいいのか?それともユイを中心に魔国がうまくまとまる方法があるのか?俺も協力させてもらうよ。」

「協力感謝しますぞ。ここはクリフ殿にまかせても問題なさそうだ。俺も残党処理に行ってくる。クリフ殿。ユイ様を頼みましたぞ。」

そう言うと、フォルダーも玉座の間を出て行った。

残されたクリフとユイは・・・

「ユイの為にありがとう。」

そう言って、ユイはクリフの頬にキスをするのだった・・・



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