辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー

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第8章 クリフ一家と領地改革!?

第253話 ダークエルフとの遭遇

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「この先は通行止めだ!」

サラサとともに世界樹の木の中を進むクリフは、世界樹の実のあるフロアまで来ていた。フロアを上がるとすぐに、声を掛けられた。声を掛けた男は、肌の色が褐色だ。一目でダークエルフだとすぐにわかった。

「どういう事?」

「このフロアは我々ダークランドの者が占拠した。エルフの者はこれ以上通す訳にはいかない。」

(フロア全て占拠か・・・どれぐらい広いかはわからないけど、このフロアへの道ってエルフ側とダークエルフ側があるんだよな?それを考えるとここまで来るって事は相当なんだな。まあ俺には関係ないけど。)

「まあまあサラサ。ここは俺にまかせてよ。」

クリフは魔法を使って、目の前のダークエルフを眠らせた。

「何したの?」

「ん?ちょっと眠ってもらっただけだ。」

「そんなさらっと・・・」

「いや、ここで邪魔されたら世界樹の実について調べれないじゃん。運よく他にダークエルフは見えないし、ここで眠っててもらえば、とりあえず世界樹の実の事がわかるだろ。それに世界樹の実ってあの黄色い実だろ?目の前に見えるのに帰るとかありえないだろ?」

「それはそうだけど・・・」

「大丈夫だって。他のダークエルフに見つかったって今日の所は穏便に対応するつもりだから。まずは世界樹の恵みが減った原因を調べよう。それがわかればダークエルフから襲われる事だってなくなるかもしれないんだし。」

「・・・そうね。わかったわ。」

「うんうん。それで?世界樹の実はあの木の上にいっぱい成ってる実で間違いないのか?けっこうな数あると思うけど?これで実りが減ってるのか?」

「あれはまだ熟してないわ。世界樹の実はね熟すと木から落ちるの。このフロアに転がってる実は熟してるから持ち帰れるわ。それで外に落ちた実は腐っていくの。まあ腐るのは地面に落ちてからだから運よく落ちてくる実をキャッチできれば外にいても世界樹の実を手に入れる事ができるわ。」

「落ちてる実って・・・全く落ちてないんだけど・・・。それにここは落ちてもくさらないのか?」

「ええ。ここでは世界樹の実は腐らないわ。私達は定期的にこのフロアに来て、落ちている世界樹の実を拾ってるの。さっきのダークエルフだってそうよ。きっと自分達の分が確保できなかったからこっちまできたのね。」

「今木に成ってる世界樹の実は取れないのか?」

「あれは取っても食べれないわ。それに熟す前にとっちゃうとその時点で腐っちゃうの。」

(世界樹から実が落ちるのを待たないといけないって事か。直接取ろうとすると腐って使い物にならない。どうする風魔法で木を揺らして落としたらそれは熟した実って事にならないかな?サラサに聞いてその辺試してみるか。)

「世界樹の実りが減ってるっていうのは落ちてくる世界樹の実が減ってるって事なのか?」

「ええ。クリフも見てわかると思うけど、世界樹の実自体はかなりあるのよ。だけど、熟した実をなかなか落とさなくなったから実りが減ってるの。」

(普通に考えて、実が熟さないっていうのは木の栄養が足りないって事だけど、世界樹の場合ってどうなんだろ?普通の木なら太陽の光とか水とかだよな??う~ん植物の知識とか俺って全く持ってないぞ。観葉植物ですら枯らした事あるし。)

「なら落ちている実を探そうか。他のエルフのこのフロアにいるのか?」

「どうなんでしょう?入口にダークエルフがいたから今日は来てないのかもしれないわね。」

「そうか。他のダークエルフに見つかるかもしれないから姿を隠しておくか?いやまあ大丈夫か。気配がすればわかるし。」

「そうなの?」

「ああ。とりあえず落ちてる実を探そうぜ。」

クリフとサラサは世界樹の実を求めてフロア内を歩きだした。

「それにしても全然落ちてないな。定期的にってどれぐらいの頻度でここには来るんだ?」

「一週間に一回ぐらいかな?それで最近は10個ぐらい持って帰るかな。」

(1週間に10個か。1年間で約500個だから1年に一人1個の計算か・・・1年間で1個・・・少ないのか?)

「それは少ないの?」

「少ないわよ。前は一回で50個ぐらい取れたのよ。それこそ見渡せばどこにでも落ちてるぐらいだったわ。」

(以前の5分の1か。それは少ないな。徐々に減っていってるなら、今は年に1個食べれるけどこれから先、2年に1個とか3年に1個になっていく・・・か・・・)

クリフとサラサは広いフロアをダークエルフに見つからないように歩いて行く。

「やっぱりダークエルフが何人かいるな。」

「きっと世界樹の実が落ちてきたらすぐにとれるように待機してるんだわ。」

「そうだろうな。でもそれだったらエルフ側は一個も取れないんじゃないのか?」

「このままならそうね。どうにかしなきゃ。」

そうこうしているとクリフの目の前に黄色い実が落ちてきた。そしてそれを受け取るクリフ。

すると・・・

「その実をこちらへ渡せ。」

実が落ちるのを今か今かと待っていて、フロア内をうろついているダークエルフに見つかり、取り囲まれたのだった。
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