68 / 248
第七章 帝国へ ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ ~
第190話 奈落の底ダンジョン1階層~10階層
しおりを挟む
クリフ、セリーヌ、ユーナ、ナリアの4人は帝国最古のダンジョンで、史上最恐のダンジョンといわれる奈落の底ダンジョンへ足を踏み入れた。
「とりあえず、ナリアが20階層まで行ってるからそこまでは問題ないと思う。今日は4人の実力と連携の確認、ダンジョンに慣れるっていう意味で10階層まで行ってみようか?」
「はい。私は王国のダンジョンにクリフ様と行った事がありますから大丈夫だと思います。」
「あそこはDランクダンジョンでたしか30階層までだったよね?」
「はい。」
「ユーナはダンジョンって来た事あったの?」
「いいえ。私は初めて来ました。聖国にもダンジョンはあるんですが、行った事はなかったです。」
「大丈夫よ。ユーナ。20階層まではそんなに強い魔物は出ないわ。それに前衛は私が務めるし、クリフがサポートしてくれるわよ。」
「そうですね。がんばります。」
クリフ達はダンジョンの1階層を探索していった。
「それにしても1日毎に中身が変わるって、大変だね。だいたいダンジョンってこう攻略した階層は地図があって、次来るときとかはそれを見ながら進めばすぐに下に降りれるのに、ここじゃそれが通用しないんだもんな。」
「ええ。一応私は20階層までなら攻略してるから一人だったら21階層からスタートすることもできるんだけど、攻略してない人が一緒だと転移できないから。」
奈落の底ダンジョンが最恐と言われている理由の一つに階層毎の地図が無い事が挙げらえていた。このダンジョンは深夜0時になると、中の構造が変わるのだ。
地図を作っても、1日経てば使い物にならなくなる。もちろん10階層毎に転移魔方陣があるのでそれを利用すれば行きも帰りもスムーズに進めるが、そこまで行くのにも地図がなければ時間がかかる。
そして、魔物が近寄らない安全地帯はボスを倒した後のボス部屋しかない。なので、道中で一夜を過ごす場合は見張りを立てる必要がある。
普通のダンジョンはだいたい3階層~5階層毎、もしくは各階層のどこかに安全地帯が用意されている。更に、一度攻略した階層は地図を作り、次回からの攻略がスムーズになるようにしているが、奈落の底ではそれが通用しなかった。
そして転移魔方陣も奈落の底ダンジョンは普通のダンジョンとは違っていた。通常はだれか一人でも攻略していれば、転移魔方陣を使って、ショートカットができるのだが、奈落の底では攻略してない者は転移魔方陣を使うことができなくなっている。
ようは非常にめんどくさいダンジョンなのである。
「これは今日中に10階層まで行くのも難しいかもしれないね。地図がないとこんなに時間がかかるもんなんだね。それに周りの気配を探っても階段の場所まではわからないし、さすが史上最恐のダンジョンって言われてるだけはあるな。」
「今までに誰も攻略した事のないダンジョンだもの。」
「でもクリフ様。出てくる魔物は他のダンジョンと同じみたいですね。」
「たしかにその点はそうだね。これで出てくる魔物も特殊だったらいやになるけどね。」
順調に下に降りる階段を見つけて、先に進んでいくクリフ達、ようやく7階層まで来ていた。
ここにくるまでに出てくる魔物は他のダンジョンでも出てくるような、ゴブリンやコボルト、オークにスライムやウルフといった比較的弱い魔物ばかりだった。
ダンジョンの道はわからなかったが、出てくる魔物に苦労しないで済んだおかげでクリフ達はスムーズに階層を進むことができた。もちろん、運が良くて、6階層に降りた時、すぐに7階層に降りる階段があったことも非常に大きかった。
途中、休憩を挟みながら、順調に攻略を進めていくクリフ達。1日で10階層まで行けないかと思っていたが気づけば10階層のボスの間まで到着していた。
「よし、なんとか今日中10階層まで来ることができたな。ナリア。10階層のボスはたしかゴブリン10体だったよね?」
「ええ。ボスは固定だからまちがいないわ。」
「ならさくっと倒して安全地帯で休もうか?どうする僕がやってもいいけど?」
「いいえクリフ様。ここまでのようにしばらくは私とナリアとユーナでやってみます。ゴブリン10体なら苦戦する事なく、倒せると思いますし。」
「はい。セリーヌの言う通り私たちだけで大丈夫です。」
「そうね。ここでしっかり経験を積んでおかないと深層に行ったときにつらいものね。セリーヌ、ユーナ。準備は大丈夫?私が前でゴブリンを攻撃するわ。セリーヌとユーナは後方から魔法で援護ね。」
「わかったわ。」
「わかりました。」
クリフ達はボス部屋に突入した。すると、事前の情報通りそこには、ゴブリンが10体待ち構えていた。
ゴブリンを捉えると、ナリアは構えていた槍を握り、ゴブリンに向かっていく。ゴブリンに近づいて槍を薙ぎ払う。ナリアの槍を受けたゴブリンは上半身と下半身が分かれて瞬殺だった。
薙ぎ払った後は、突きを放って、次々とゴブリンを瞬殺していくナリア。セリーヌとユーナが魔法を使ってゴブリンを倒そうとするが、気づいた時にはナリア一人で全てのゴブリンを倒していた。
「お疲れナリア。瞬殺だったね。」
「まあゴブリン程度なら問題ないわ。あっでもごめんなさい。セリーヌとユーナと連携しないといけないのに一人で全員倒しちゃったわ。」
「大丈夫ですよ。まだ連携を意識するような魔物は出てきてませんから。」
10階層のゴブリン10体を難なく倒したクリフ達は、倒したゴブリンが消えた後の安全地帯で休む事にしたのだった。
「とりあえず、ナリアが20階層まで行ってるからそこまでは問題ないと思う。今日は4人の実力と連携の確認、ダンジョンに慣れるっていう意味で10階層まで行ってみようか?」
「はい。私は王国のダンジョンにクリフ様と行った事がありますから大丈夫だと思います。」
「あそこはDランクダンジョンでたしか30階層までだったよね?」
「はい。」
「ユーナはダンジョンって来た事あったの?」
「いいえ。私は初めて来ました。聖国にもダンジョンはあるんですが、行った事はなかったです。」
「大丈夫よ。ユーナ。20階層まではそんなに強い魔物は出ないわ。それに前衛は私が務めるし、クリフがサポートしてくれるわよ。」
「そうですね。がんばります。」
クリフ達はダンジョンの1階層を探索していった。
「それにしても1日毎に中身が変わるって、大変だね。だいたいダンジョンってこう攻略した階層は地図があって、次来るときとかはそれを見ながら進めばすぐに下に降りれるのに、ここじゃそれが通用しないんだもんな。」
「ええ。一応私は20階層までなら攻略してるから一人だったら21階層からスタートすることもできるんだけど、攻略してない人が一緒だと転移できないから。」
奈落の底ダンジョンが最恐と言われている理由の一つに階層毎の地図が無い事が挙げらえていた。このダンジョンは深夜0時になると、中の構造が変わるのだ。
地図を作っても、1日経てば使い物にならなくなる。もちろん10階層毎に転移魔方陣があるのでそれを利用すれば行きも帰りもスムーズに進めるが、そこまで行くのにも地図がなければ時間がかかる。
そして、魔物が近寄らない安全地帯はボスを倒した後のボス部屋しかない。なので、道中で一夜を過ごす場合は見張りを立てる必要がある。
普通のダンジョンはだいたい3階層~5階層毎、もしくは各階層のどこかに安全地帯が用意されている。更に、一度攻略した階層は地図を作り、次回からの攻略がスムーズになるようにしているが、奈落の底ではそれが通用しなかった。
そして転移魔方陣も奈落の底ダンジョンは普通のダンジョンとは違っていた。通常はだれか一人でも攻略していれば、転移魔方陣を使って、ショートカットができるのだが、奈落の底では攻略してない者は転移魔方陣を使うことができなくなっている。
ようは非常にめんどくさいダンジョンなのである。
「これは今日中に10階層まで行くのも難しいかもしれないね。地図がないとこんなに時間がかかるもんなんだね。それに周りの気配を探っても階段の場所まではわからないし、さすが史上最恐のダンジョンって言われてるだけはあるな。」
「今までに誰も攻略した事のないダンジョンだもの。」
「でもクリフ様。出てくる魔物は他のダンジョンと同じみたいですね。」
「たしかにその点はそうだね。これで出てくる魔物も特殊だったらいやになるけどね。」
順調に下に降りる階段を見つけて、先に進んでいくクリフ達、ようやく7階層まで来ていた。
ここにくるまでに出てくる魔物は他のダンジョンでも出てくるような、ゴブリンやコボルト、オークにスライムやウルフといった比較的弱い魔物ばかりだった。
ダンジョンの道はわからなかったが、出てくる魔物に苦労しないで済んだおかげでクリフ達はスムーズに階層を進むことができた。もちろん、運が良くて、6階層に降りた時、すぐに7階層に降りる階段があったことも非常に大きかった。
途中、休憩を挟みながら、順調に攻略を進めていくクリフ達。1日で10階層まで行けないかと思っていたが気づけば10階層のボスの間まで到着していた。
「よし、なんとか今日中10階層まで来ることができたな。ナリア。10階層のボスはたしかゴブリン10体だったよね?」
「ええ。ボスは固定だからまちがいないわ。」
「ならさくっと倒して安全地帯で休もうか?どうする僕がやってもいいけど?」
「いいえクリフ様。ここまでのようにしばらくは私とナリアとユーナでやってみます。ゴブリン10体なら苦戦する事なく、倒せると思いますし。」
「はい。セリーヌの言う通り私たちだけで大丈夫です。」
「そうね。ここでしっかり経験を積んでおかないと深層に行ったときにつらいものね。セリーヌ、ユーナ。準備は大丈夫?私が前でゴブリンを攻撃するわ。セリーヌとユーナは後方から魔法で援護ね。」
「わかったわ。」
「わかりました。」
クリフ達はボス部屋に突入した。すると、事前の情報通りそこには、ゴブリンが10体待ち構えていた。
ゴブリンを捉えると、ナリアは構えていた槍を握り、ゴブリンに向かっていく。ゴブリンに近づいて槍を薙ぎ払う。ナリアの槍を受けたゴブリンは上半身と下半身が分かれて瞬殺だった。
薙ぎ払った後は、突きを放って、次々とゴブリンを瞬殺していくナリア。セリーヌとユーナが魔法を使ってゴブリンを倒そうとするが、気づいた時にはナリア一人で全てのゴブリンを倒していた。
「お疲れナリア。瞬殺だったね。」
「まあゴブリン程度なら問題ないわ。あっでもごめんなさい。セリーヌとユーナと連携しないといけないのに一人で全員倒しちゃったわ。」
「大丈夫ですよ。まだ連携を意識するような魔物は出てきてませんから。」
10階層のゴブリン10体を難なく倒したクリフ達は、倒したゴブリンが消えた後の安全地帯で休む事にしたのだった。
94
お気に入りに追加
5,047
あなたにおすすめの小説
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。