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第三章 アルプス王国のお姫様
第122話 帝国の皇子『クリフトマン』
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スズがしゃべれるようになって3カ月が経った。スズの戦闘力は相変わらず低いままだが、銀色スライムを安定して倒せるようになったことで、レベリングがスムーズにいくようになった。今まではキュキュキュと言っていたスズも言葉を発して連携を行うので、安全度は飛躍的に上がっていた。
「僕に任せるっす。」
今も、青いスライムに向かって突撃していた。スズが体当たりしてラックが追撃する。それでも倒せなかったらカインが更に追撃する。最近はこのパターンで魔物を倒していた。
今は、地下30階のボスと対峙していた。地下30階のボスはお馴染みの青、赤、黄の信号機スライムトリオだ。カインが鑑定すると、信号機スライムトリオ(母)と出てきた。きっと地下40階のボスは父だろうと容易に予想が出来た。
3カ月前に地下29階で銀色スライムを倒してから黄亀ダンジョンの攻略が全く進んでいないのは、スズが言葉を発する事ができた事でダンジョン以外のギルドの依頼を受けたり、地下21階から地下29階を行き来して銀色スライムを倒してレベリングをしながら戦闘の経験を積んでいたからだ。
ダンジョンの攻略は進んでいないが、カイン達のレベルはそれぞれカインが55、ラックが51、スズが40まで上がっていた。銀色スライムの魔石をスズが取り込めばもっとレベルが上がっていたのかもしれないが、銀色スライムの魔石はけっこうな金額で売却できる事がわかったので、スズが取り込まずに売却していた。
ギルドの依頼も積極的に受けていたので、お金も結構溜まった。金貨300枚程は・・・ちなみに次の神の奇跡の開放に必要な金貨の枚数は1600枚だ。帝都で依頼を受けていた時は、毎日のように依頼終わりに教会に通って女神様に謝っていた。次の神の奇跡の開放はまだまだ先になりそうだからだ。
「カイン。残りは赤スライムだけにゃ。」
「まかせろ。」
カインは刀を振って斬撃を飛ばした。カインの飛ばした斬撃は赤スライムに直撃し赤スライムは魔石を残して消えて行った。信号機スライムトリオ(母)は3体のスライムで出てくるが、落とす魔石は一つだけだった。
「カイン様。魔石を拾ってきたっす。」
「この魔石はスズが取り込んでくれ。」
「僕が取り込んでいいんすか?ボスの魔石なら結構な金額で売却できるっすよ?」
「スズにはもっと強くなってほしいからな。スズが強くなればダンジョンの先にも進めるしな。」
「そう言う事ならありがたく頂くっす。」
「カイン、今日はここまでで戻るのかにゃ?」
「ああ。予定通り地下30階のボスは倒したから次回から地下31階から下に進むつもりだ。スズとの連携も大分良くなってきたし、スズが体当たり以外の攻撃方法を覚えたのも大きいからな。」
スズのレベルが40に上がった時に、新たなスキルを覚えた。それが火の息というスキルだ。名前の通り口から火を吹く事ができるというモノなのだが、これによってスズが遠距離攻撃の手段を得た。遠距離と言っても火の息の射程は3メートル程なので、そこまで遠くの敵に使う事はできないが、今まで体当たりした攻撃手段がなかった事を考えると大きな進歩だった。
スズは身体を変形する事ができるので、体当たり以外に武器を持っての攻撃も練習させたのだが、剣、槍、斧、弓、どれを使っても思うように扱えなかった為、攻撃手段は体当たりが火の息の二種類だけだった。
「もっとレベルを上げてカイン様とラック様の役に立つっす。」
これが最近のスズの口癖だった。
☆☆☆
ダンジョン攻略を終えた翌日、いつものようにジェーンとメアリーとカフェで近況報告をしていると・・・
「最近、帝国の皇子が何かにつけて絡んでくるからちょっと困ってるのよね。」
ジェーンがトラブルの予感を感じさせる事を話しだした。
「帝国の皇子・・・」
(学校生活、王国の王女にちょっかいかける皇子・・・トラブルの予感しかしないぞ。だけど話を聞かないって選択肢はないもんな~。ああ~聞きたくない。聞きたくないけど・・・)
「皇子様っすか?偉い人っすよね?そんな人とジェーン様は仲が良いんすか?すごいっす。」
「全然すごくないのよ。逆に困ってるのよ。」
「何があったんだ?」
すると、ジェーンは最近の学校生活について話だした。話をまとめると、ジェーンの通っている学校には現在、帝国の皇子と帝国の皇女がジェーンと同学年にいるらしい。皇子はクリフトマン・サウザント、皇女はアリーナ・サウザントといい、双子の兄妹との事だ。
ジェーンは帝国の皇女とは仲が良いみたいだが、皇子は苦手のようだった。皇子は成績も良くて見た目もよい、ザ王子様というような感じらしいのだが、いかんせん自分のする事は全て正しい。自分が一番で、自分を中心に世界が回っていると本気で思っているナルシスト野郎みたいだ。そんな皇子は、ジェーンが皇子の事を好きだと勝手に思っていて事ある事に絡んでくるのだという。皇女と一緒に居る時は、皇女が対応してくれるが、最近は皇女がいないときを狙って絡んでくるから困っているという話だった。
「それは・・・困ったな。」
「そうなのよ。皇子様だから強く拒否する事もできなくてね~。」
そして、そんな話をしているとフラグがたったのか、仲良くカフェで話している所にジェーンを呼ぶ声が聞こえてきたのだった。
「僕に任せるっす。」
今も、青いスライムに向かって突撃していた。スズが体当たりしてラックが追撃する。それでも倒せなかったらカインが更に追撃する。最近はこのパターンで魔物を倒していた。
今は、地下30階のボスと対峙していた。地下30階のボスはお馴染みの青、赤、黄の信号機スライムトリオだ。カインが鑑定すると、信号機スライムトリオ(母)と出てきた。きっと地下40階のボスは父だろうと容易に予想が出来た。
3カ月前に地下29階で銀色スライムを倒してから黄亀ダンジョンの攻略が全く進んでいないのは、スズが言葉を発する事ができた事でダンジョン以外のギルドの依頼を受けたり、地下21階から地下29階を行き来して銀色スライムを倒してレベリングをしながら戦闘の経験を積んでいたからだ。
ダンジョンの攻略は進んでいないが、カイン達のレベルはそれぞれカインが55、ラックが51、スズが40まで上がっていた。銀色スライムの魔石をスズが取り込めばもっとレベルが上がっていたのかもしれないが、銀色スライムの魔石はけっこうな金額で売却できる事がわかったので、スズが取り込まずに売却していた。
ギルドの依頼も積極的に受けていたので、お金も結構溜まった。金貨300枚程は・・・ちなみに次の神の奇跡の開放に必要な金貨の枚数は1600枚だ。帝都で依頼を受けていた時は、毎日のように依頼終わりに教会に通って女神様に謝っていた。次の神の奇跡の開放はまだまだ先になりそうだからだ。
「カイン。残りは赤スライムだけにゃ。」
「まかせろ。」
カインは刀を振って斬撃を飛ばした。カインの飛ばした斬撃は赤スライムに直撃し赤スライムは魔石を残して消えて行った。信号機スライムトリオ(母)は3体のスライムで出てくるが、落とす魔石は一つだけだった。
「カイン様。魔石を拾ってきたっす。」
「この魔石はスズが取り込んでくれ。」
「僕が取り込んでいいんすか?ボスの魔石なら結構な金額で売却できるっすよ?」
「スズにはもっと強くなってほしいからな。スズが強くなればダンジョンの先にも進めるしな。」
「そう言う事ならありがたく頂くっす。」
「カイン、今日はここまでで戻るのかにゃ?」
「ああ。予定通り地下30階のボスは倒したから次回から地下31階から下に進むつもりだ。スズとの連携も大分良くなってきたし、スズが体当たり以外の攻撃方法を覚えたのも大きいからな。」
スズのレベルが40に上がった時に、新たなスキルを覚えた。それが火の息というスキルだ。名前の通り口から火を吹く事ができるというモノなのだが、これによってスズが遠距離攻撃の手段を得た。遠距離と言っても火の息の射程は3メートル程なので、そこまで遠くの敵に使う事はできないが、今まで体当たりした攻撃手段がなかった事を考えると大きな進歩だった。
スズは身体を変形する事ができるので、体当たり以外に武器を持っての攻撃も練習させたのだが、剣、槍、斧、弓、どれを使っても思うように扱えなかった為、攻撃手段は体当たりが火の息の二種類だけだった。
「もっとレベルを上げてカイン様とラック様の役に立つっす。」
これが最近のスズの口癖だった。
☆☆☆
ダンジョン攻略を終えた翌日、いつものようにジェーンとメアリーとカフェで近況報告をしていると・・・
「最近、帝国の皇子が何かにつけて絡んでくるからちょっと困ってるのよね。」
ジェーンがトラブルの予感を感じさせる事を話しだした。
「帝国の皇子・・・」
(学校生活、王国の王女にちょっかいかける皇子・・・トラブルの予感しかしないぞ。だけど話を聞かないって選択肢はないもんな~。ああ~聞きたくない。聞きたくないけど・・・)
「皇子様っすか?偉い人っすよね?そんな人とジェーン様は仲が良いんすか?すごいっす。」
「全然すごくないのよ。逆に困ってるのよ。」
「何があったんだ?」
すると、ジェーンは最近の学校生活について話だした。話をまとめると、ジェーンの通っている学校には現在、帝国の皇子と帝国の皇女がジェーンと同学年にいるらしい。皇子はクリフトマン・サウザント、皇女はアリーナ・サウザントといい、双子の兄妹との事だ。
ジェーンは帝国の皇女とは仲が良いみたいだが、皇子は苦手のようだった。皇子は成績も良くて見た目もよい、ザ王子様というような感じらしいのだが、いかんせん自分のする事は全て正しい。自分が一番で、自分を中心に世界が回っていると本気で思っているナルシスト野郎みたいだ。そんな皇子は、ジェーンが皇子の事を好きだと勝手に思っていて事ある事に絡んでくるのだという。皇女と一緒に居る時は、皇女が対応してくれるが、最近は皇女がいないときを狙って絡んでくるから困っているという話だった。
「それは・・・困ったな。」
「そうなのよ。皇子様だから強く拒否する事もできなくてね~。」
そして、そんな話をしているとフラグがたったのか、仲良くカフェで話している所にジェーンを呼ぶ声が聞こえてきたのだった。
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