1枚の金貨から変わる俺の異世界生活。26個の神の奇跡は俺をチート野郎にしてくれるはず‼

ベルピー

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第三章 アルプス王国のお姫様

第84話 トラブルを越えて王都到着⁉

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錬金術を使えば見張りを立てる事なく野営ができる事がわかったカイン達は、翌日から王都までの道中を楽しんだ。魔物が出ればラックが狩り、錬金術でできそうな事を話し合いながらピクニック気分で歩き続けた。

走って移動していないので、一日に移動できる距離はそれ程長くないが、カインもラックもレベルが高く、体力の能力値も高い為、一日中歩いていてもそこまで疲労は溜まらなかった。

移動しながらもカインが気配察知で魔物を探し、その日のご飯を考えていく。ラックは食べる専門で料理は全くできなかったので料理はカインの担当だ。料理の能力はまだ神の奇跡からは開放されていない為、前世の知識を総動員して料理をしていくが、料理が特段うまいわけでもなく普通だった。

ラックは美味しいと食べてくれるが、手の込んだ料理は作れないし、立ち寄った村や町で食べる料理の方がはっきり言って美味しかった。カインにできるのは、焼く、炒める、煮込むぐらいだからだ。前世では一人暮らしだったし、特に料理に味を求めていなかったカインはここに来て前世でもっと料理の腕を磨いていればと後悔していた。錬金術を使っても素材から料理を作る事は出来なかった。

「ようやく王都に着いたな。」

「長かったにゃ。でも意外に楽しかったにゃ。お風呂も入れたしカインの料理もおいしかったにゃ。」

「そう言ってくれると助かるよ。」

(たしかにラックは俺が作った料理を美味しいにゃ。美味しいにゃって食べてくれてたもんな~。手軽な料理しか作れず逆に俺が申し訳なく思ったぐらいだし。)

「夜営だと宿代もかからないからお得だったにゃ。」

「まあなだけど、さすがにベッドは宿の方がよかっただろ?いくら簡易的に錬金術で作っても固かったしな。」

「それはたしかにそうにゃ。だけどゆっくり旅してお金が貯まって行くのはよかったにゃ。」

道中に狩った魔物は、食料として確保した以外は、立ち寄った村や町で売却していた。ギルドのある街ではギルドに、ギルドの村では、村長や商人に買い取ってもらっていた。魔物以外の食料のパンや野菜は町や村で購入する必要があったので、お金を払って購入したが、それ以外には特にお金を使う事はなかった。パンや野菜の食料代も道中に狩る魔物の素材で十分に払う事ができたので、シフォンを出て王都に来るまでに所持金はわずかだが増えていた。

それほど積極的に魔物を倒してきていないのでカイン達のレベルは上がってはいないが、今までは各エリアやダンジョンで魔物狩りをメインに行動していたカイン達にとってこの1カ月はある意味、ゆっくりと二人の時間を楽しんだのだった。

ただ、道中にトラブルが全くなかったわけではなかった。大量の魔物が出てきた訳でもなく、立ち寄った村でトラブルに巻き込まれたわけでもなく、盗賊にも襲われたわけでもない。ラックがある果実を食べすぎて1週間寝込んでしまったのだ。

事の発端は丁度シフォンと王都の真ん中ぐらい、シフォンを出て2週間程経ち、立ち寄った村を出ていつものように歩いていた時だった。ラックが美味しそうなにおいがするといい街道を外れて森へと入って行った。カインは森の中を進むラックを追いかける。追いつくとラックはすでに両手に果実を持っていた。紫色をしたあきらかに毒リンゴですと言っているような見た目のリンゴだった。

カインは、見た目からしてヤバいのでラックに食べるのを止めたが、ラックは美味しそうな匂いに今にもかぶりつきそうだった。そこでカインは紫色のリンゴを鑑定してラックにそれを伝えようとした。急いで鑑定し、細部までみなかったカインも悪かったのだが、鑑定結果は毒性はあるが人には作用しないという内容だった。その時、但し書きまで見ていればラックが紫色のリンゴを食べて一週間も寝込む事はなかったのだが、その時のカインは、人には作用しないの部分を見て、大丈夫みたいだ。とラックに伝えてしまったのだ。

そこからラックは、木に実っているリンゴを食べつくす勢いで、リンゴを食べた。美味しかったフロリダの町のリンゴを思い出したのだろう。何十個と一人でむしゃむしゃと食べたラックは、満足した後そのまま倒れたのだ。

食べすぎだろうとカインは思い、近くの村まで移動したが、そこからラックは1週間苦しんだのだ。回復魔法を掛けても一向によくならないラックに、カインが再度、紫色のリンゴを鑑定した時に理由がわかったのだ。

それは・・・

毒性を持つが人には作用しない。但し、猫には強い毒性を示す。死ぬことは無いが口にすると、長期間痛みと苦しみが襲う。回復魔法も効果がないため、口にした場合は、痛みと苦しみが引くまで耐えるしかない。

という内容だったからだ。そこでラックは死を意識し、カインはラックに付きっきりで看病した。死ぬことはないと鑑定にはあったが、今にも死にそうな程ラックが苦しんでいたため、一週間気が気でなかったのだ。

あれ以来カインは、鑑定する場合は必ず詳細まで確認しようと心に決めたのだった。

「ラック。リンゴで死にかけたのに普通にリンゴ食べてるけど、トラウマとかないのか?」

「紫色してないリンゴは大丈夫にゃ。アタシは学んだにゃ。紫色はダメにゃ。」

そんなトラブルを乗り越えて、カインとラックは王都に到着したのだった。
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