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第二章 シフォン子爵領とダンジョン事情

第48話 ハニービーの蜜と作戦会議

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「やったにゃ。金貨6枚になったにゃ。」

ハニービー30体を倒したカインとラックは、ギルドで報酬を受け取っていた。ちなみに29体はラックが倒していた。

(金貨6枚か・・・まずまずだな。それにラックは獣人の特性なのか戦うのがうまい。戦えば戦う程より強くなってる感じがする。どこぞの戦闘民族かよ!?って言いたくなるぐらいだ。それにパーティの事もシルさんに教えてもらったし今日は収穫の多い一日だったな。)

「とりあえず、今日の仕事は終わりだ。教会に行って宿に戻ろう。昨日は教会に行ってなかったからな。やっぱり一日の終わりは教会にお祈りしに行かないと。」

「寄付はどうするんにゃ?」

「いや今日は止めておくよ。宿に戻ったらお互いのステータスを確認してから今後の作戦を立てよう。」

「作戦会議にゃ。楽しみにゃ。それにアタシのレベルも上がってるはずにゃ。体感でも強くなった感じがするにゃ。」

カインとラックは、日課の教会へのお祈りを終えて宿に戻った。宿に戻るとすぐに食事をする事にした。宿の食事はステーキやビーフシチュー、肉炒めなどが日替わりで出るのと、食後に名物のリンゴを使ったデザートが出るのが特徴だった。そして、今日のリンゴを使ったデザートはリンゴをそのまま絞ったリンゴジュースだった。

「このリンゴジュースおいしいにゃ。さすが本場のリンゴにゃ。」

「ああそうだな。リンゴをそのまましぼっただけなのに鮮度が違うのかメッチャおいしいな。売ってたらいくつか欲しい所だ。」

「喜んでもらえてよかったです。毎日違う種類のリンゴ料理を出すのは、フロリダでもここだけなんですよ。」

カインとラックが食事を楽しんでいると、その声を聞きつけて、給仕してくれた女性が話しかけてきた。

「そうなんですね。このリンゴジュースとてもおいしかったです。この宿を選んでよかった。」

「アタシが今まで食べて料理の中で一番おいしいにゃ。正直ミルクよりもこっちの方がおいしいにゃ。」

(ラックがミルクよりおいしいって言うなんてよっぽどなんだな。)

「ふふふ。リンゴはこの町の名物ですからね。でもこの町で一番おいしいのは実はリンゴじゃないんですよ?」

「そうなんですか?」

「ええ。冒険者さんならハニービーを知ってますよね?」

「もちろんにゃ。今日は30体も倒してきたにゃ。」

「それはすごいですね。そのハニービーなんですけど、森の中で巣を作っていて、その蜜はリンゴのうまみを凝縮していてとても美味しいらしいんです。聞いた所によるとそれは、この町のリンゴ以上の味だとか」

(なるほど。リンゴを使った蜂蜜って訳か。そりゃ美味しいに決まってるな。ハニービーの蜜・・・狙ってみてもいいかもしれないな。これも冒険者の醍醐味だし。)

「本当かにゃ?これ以上においしいのかにゃ?カイン!ハニービーの巣にゃ。ハニービーの蜜を取りに行くにゃ。」

「取れたら私にも一口下さいね。私も食べた事ないんですから。」

「もちろんにゃ。教えてくれたお礼はちゃんとするにゃ。」

「待て待て。まだこの町に来たばかりなんだから、まずは色々調べてからだ。それも含めてこの後作戦会議をするんだろ?」

「そうだったにゃ。」

カインとラックは食事を終えると部屋に戻り、ベッドに腰かけて作戦会議を始めた。ちなみに宿は、二部屋ではなく一部屋を借りていた。お金を節約する。という面もあったが、単純に人気宿の為空きがなかったのだ。別に同部屋でも問題ないとラックが言った為、一週間部屋は借りていた。延長するかどうかは作戦会議の内容によってとなるだろう。

作戦会議に当たって、まずは2人のステータスを確認した。

名前:カイン
年齢:12歳
種族:人
神の祝福:アルファベット(寄付金額980,000ガル)
※次回1,024,000ガルで神の奇跡解放
神の奇跡:A『如月花院君』、B『名探偵君』、C『戦闘民族君』、D『未来の猫ロボット君』、E『世紀末覇者君』、F『動く城君』、G『美少女戦士君』
H『戦闘民族君Ⅱ』、I『天空の城ラ君』、J『ゲゲゲの鬼君』

能力:B
成長率:SS

レベル:30
体力:B
魔力:B
筋力:C
知力:B
敏捷力:C
耐久力:B
精神力:C
運:B

名前:ラック
年齢:12歳
種族:猫の獣人

能力:D
成長率:S

レベル:5
体力:D
魔力:E
筋力:D
知力:D
敏捷力:C
耐久力:E
精神力:E
運:S

カインのレベルは上がっていなかったが、ラックはレベルを5まで上げていた。

「とりあえずステータスを見てみたが、44000寄付すれば神の奇跡は開放される。それぐらいならいつでも開放できるから、とりあえず保留にする。さっき聞いたハニービーの蜜は是非とも手に入れたい。だけどその為には、ラックのレベル上げが必要だ。ギルドで聞いたけど、やっぱりパーティを組むと経験値は分散されるみたいだ。だけどそれは戦闘への貢献度で上下するらしい。詳しくはわかってないみたいだったけどね。まあこの世界にはレベルはあるけど、確認する手段が俺以外い今の所いないから体感とか経験でそんな感じになってるんだと思う。」

「なるほどにゃ。つまり明日からもハニービーを倒すって事だにゃ。」

「簡単に言えばそういう事。ラックはレベル5ですでに敏捷力がCもある。多分魔法とかが使えない分、他の能力値が上がりやすいんだと思う。あと100体ぐらい倒せばレベル10ぐらいまでは行くと思うから、レベルが10になったら森へ行ってみよう。そこからは俺と連携して更にキラービー狩りだ。巣にはきっとキラービークイーンがいるはずだ。いないときを狙うっていう方法もあるけど、確実じゃないからな。それなりに戦えるようになるまではレベル上げだ。宿も1週間借りてるし、とりあえずそれでやってみようと思う。」

「わかったにゃ。明日からも頑張るにゃ。」

そうして、作戦会議と言える程の事なのかと疑問もあるが、明日からの予定が決まったので、お楽しみのベットタイムに突入したのだった。
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