よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった

ベルピー

文字の大きさ
上 下
129 / 131
第6章 俺は勇者じゃなかった。だけど真の勇者になった

第129話 魔王バラデミラ

しおりを挟む
「それにしてもお前らどんだけ強いんだよ!?」

魔王城の19階でカツヤ達と合流したユウキ達はそれから行動を共にし、魔王を倒す為魔王城を駆け上がった。20階、21階とドンドン先に進んで行き、今は30階の魔王の間の手前まで来ていた。

道中に出てきた魔物はほとんどをユウキとジュリアが倒していた。それもそうだろう。プラチナの森を攻略してからというもの、正直ユウキ達は強くなりすぎていた。

ユウキのプレイしていたゲームで言うと、魔王城はゲームにおけるラストダンジョンだ。ここに出てくる魔物達はラストダンジョンと言うだけあってそれなりに強い。

だがそれはアイ、リヨン、アイカの3人にとってはいう意味だ。カツヤは勇者の職業の恩恵もあり、3人よりも1.5倍~2倍程強い。一人では魔王城の魔物を倒すのも苦労するが倒せないわけではない。

そして、ユウキ達だが、全員がカツヤの2倍以上の強さを持っていた。今のユウキ達にとって、魔王城に出てくる魔物達は序盤で出てくるスライムとなんら変わらない感じなのだ。そりゃ魔物にむ苦戦しないし、ドンドン進むのも当たり前だった。

「まあ俺達は職業2つ持ってるからな。」

「それにしてもだよ。ユウキ達のお陰で俺もここまでで大分レベルが上がったけどよ~。ユウキには追い付ける気がしないぞ。この調子なら魔王も楽勝っぽいな。」

「いやカツヤは魔王はやっぱりレベルが違うだろう。気を抜いたらやられるぞ。それよりカツヤは魔王を倒したらどうするんだ?」

「そうだな~。全然決めてないけど、アイとアイカと最果ての村に帰ってゆっくり過ごすのもいいだろうし、世界を旅をしながら過ごすのも悪くないな~。お前はどうなんだ?ジュリアもいるし、ポルートで王様でもするのか?」

「いや王様なんて柄じゃないよ。4人でゆっくり世界を周ると思うな。」

再会した直後は、まだ距離があった2人だが、ここまで進む中でお互いに元々の関係に戻って行っていた。今は魔王城にいるというのに、リラックスして会話できるまでになっていた。そしてそれは他のメンバーも同じだった。

アイ&ジュリアサイドでは、

「アイは魔王を倒したらカツヤと一緒になるの?」

「そうね。ジュリアは?やっぱりユウキと?」

(ユウキの方がカツヤより強いと知ってからユウキの事がすごく気になるけど、ユウキとジュリア達との仲は入り込める余地がないわ。は~。私もはじめっからユウキ狙いにしてればな~。まあカツヤが悪いってわけじゃないんだけど・・・)

「そうね。私はずっとユウキについて行くって決めてるから。これから先も一緒よ。」

「それは・・・うらやましいわね。」

「アイとカツヤだってお似合いよ。」

(お似合いって言ってくれるのはうれしいけど・・・。)

リヨン&リーネサイドでは、

「リーネ。とても強くなりましたね。」

「兄さんも強くなってるわ。カツヤさんと一緒に旅したお陰ね。」

「ああ。でもまだまだだ。リーネはこの戦いが終わったら集落に戻るのか?」

「いいえ、兄さんには悪いけど私は戻れないわ。あそこはもう私の居場所じゃないの。それは兄さんもわかってるでしょ。」

「でもそれは過去の事だ。今なら・・・」

「いいの。私はユウキ様とこれからも行動を共にすると決めているの。そこが私の居場所で、それがとても楽しいの。」

「リーネ・・・」

アイカ&ニーチェサイドでは・・・

「ニーチェはユウキと付き合ってるんだろ?どんな感じなの?ジュリアともリーネとも付き合ってるんでしょ。」

「ああ。アタシはユウキ達の仲間になったのが一番遅かったが仲良くやれてるよ。マスターとも、ジュリアともリーネともな。アイカは違うのか?」

「あたいもカツヤは良くしてくれてるよ。ただ・・・アイの方がカツヤと仲がいいように思うんだ・・・」

「カツヤとアイは幼馴染なんだろ?だからじゃないのか?それに、そんなの今からどうにでもできるだろ?アタシもガツガツ行ったぞ?」

「そうなの?ニーチェはどんな風にガツガツいったの?」

「それはな・・・」

それぞれが魔王とは関係の無い話で盛り上がっていた。ここは魔王城、凶悪な魔物が多数いるダンジョンの中というのに・・・

だがそれはユウキ達の余裕を現していた。しばらく休憩した後に・・・

「そろそろ魔王を倒しに行くか。」

ユウキがみんなにそう伝える。カツヤ達と合流してからこのパーティのリーダーはユウキに変わっていた。

「おお。サクッと倒してこの世界に平和を取り戻そうぜ。」

(カツヤ達の旅はここで終わる。俺達はまだ邪神がいるから旅を終える事は出来ないけど、カツヤ達には幸せになってもらいたいもんだ。カツヤをプレイヤーとして操っていた身としては、魔王を倒した後のカツヤ達がどうなったのかも気になるし・・・)

そうして、ユウキ達は魔王の待つ魔王の間へと足を進めた。

するとそこには・・・

ドラゴンファンタジーのラスボスである、魔王バラデミラが1人、玉座に座っていた。ユウキの知るラスボスだ。

だが・・・

その姿はユウキの知るものと違ったものだった・・・
しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが…… アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。 そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。  実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。  剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。  アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

処理中です...