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第6章 俺は勇者じゃなかった。だけど真の勇者になった
第127話 魔王城
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「ここが魔王城・・・」
(ようやくきたか。冷静なって考えて見れば多分まだ魔王の所には行ってないだろう。さてカツヤ達は何階にいるだろうか・・・。ゲームじゃラスダンは何時間もレベル上げしないとなかなか進めなかったもんな・・・。1週間前なら15階ぐらいまでかな?)
「ユウキ。早く入りましょう。カツヤ達を探さないと。」
「ジュリア落ち着いて。俺も冷静になって考えてみたけど、多分カツヤ達はまだ魔王まで辿り着いていない。」
「どうしてそう言えるの?」
「理由は3つある。まず1つ目は、ここに出て来る魔物は強い。正直、天に一番高い塔と比べものにならないぐらいに。」
「でもマスター。魔物を避けながら進むかもしれないじゃんか。」
「それはない。雑魚に苦戦するようじゃ魔王なんて絶対倒せない。それもカツヤなら理解しているはずだ。」
「二つ目はマザードラゴンがいない事。」
「「「???」」」
「ニーチェは知ってるかもしれないけど、魔王はこの城の最上階30階にいる。カツヤ達が30階に着くとマザードラゴンが外から援護する事になってる。だけど今はどこにもマザードラゴンの姿が見えないから、まだ辿りついてないって訳だ。」
「なるほど・・・ってさっきサラッと流したけど魔王城って30階まであるの?城なのに?どう見たって5階ぐらいまでしかないじゃない?」
(たしかにそれは俺も思ったけど・・・なんでなのかは俺にもわからないし・・・)
「それは俺にもわからん。だけど魔王城が30階まであって最上階にいるのは事実だ。」
「そうだね。30階の最上階にいるのは間違いないよ。アタシは直接見てるからねぇ。」
「ニーチェが言うなら本当ね。でもマザードラゴンが援護してない可能性だってあるじゃない?」
「そこで理由の3つ目。あそこにある像の左目がまだ赤くなっていない。」
「あそこにある像って、あの気持ち悪い化け物の像よね?右目は青く光ってるわよ?」
「ああ。あれは魔王の像なんだ。それであの魔王像の両目が光らないと最上階の扉は開かないんだ。」
「そうなの?ならそれを早く言ってよ。急がなきゃって焦っちゃったじゃない。まあまだ魔王の所に着いてないのはわかったわ。だけど、モタモタしてると魔王の所に着いちゃうんじゃないの?」
「それはたしかにジュリアの言う通りだね。」
「なら早くいきましょ。」
「まあ待ってよ。」
(何も入口から追いかけなくても魔王城のギミックを俺は知ってるんだから使わなきゃ損じゃん。カツヤ達が右目を光らせて15階から進めれるんだしな。)
ゲームで何度も魔王城を攻略したユウキは魔王城の事をよくわかっていた。魔王城は入口からはいり、30階まで登っていくと、最上階には魔王がいて、魔王を倒すとゲームクリアとなる。
そして、魔王城はラストダンジョンの広さから、途中から再会できるように、15階への隠し通路が存在していた。そしてそのカギを握るのが、魔王の像の両目だ。30階の魔王の間に進む為には、魔王の像の両目を光らせなければならない。
そして、右目は15階にあるスイッチを押せば光り、左目は29階にある隠し部屋にあるスイッチを押せば光るようになる。15階にあるスイッチを押す事で、入り口から入らずに15階からスタートできるワープゾーンを使う事ができるようになるのだ。
ユウキは魔王城に来るまでその存在を忘れていたのだった。
「とりあえず俺についてきてくれ。」
そう言ってユウキは入口に入らずに魔王城の後ろに回り込んだ。そして、壁の一か所を入念に調べると・・・
「これこれ。これを押すとっと。」
ユウキは見つけた赤い丸いボタンを押す。すると、目の前の壁がゴゴゴと上に持ち上がった。
「何!?」
「ここから15階に行けるんだ。カツヤ達は15階を過ぎてるだろうから、これを使えば早めに合流できるだろ?ジュリアも言ってたようにカツヤ達は魔王城を進んでいっている。急いで合流しよう。」
「さすがユウキ様です。こんな隠し部屋があるなんて。」
「なんでユウキはこんな事知ってるんだ?アタシも知らないぞ。こんな仕掛け。」
(そりゃこのドラゴンファンタジー経験者ですからね。覚えてる限りは色々知ってるよ。あとはカツヤ達と合流して魔王を倒せばゲームクリアだな。まあ邪神がいるからゲームクリアにはならないだろうし、ゲームクリアした所でエンディングなんてないだろうけど・・・)
「まあまあ細かい事は気にせず行くよ。魔王城の魔物は強いって言ったけど、今の俺達だったら余裕で進めると思うから、道中の敵は魔法ぶっ放してカツヤ達を探そう。」
「わかったわ。」「わかりました。」「わかった。」
ユウキ達はワープゾーンを使い、魔王城の15階へ移動した。
(ゲームなら今がどの階にいるか右上に表示されてたけど、ここじゃそんなモノないから階数は覚えておかないといけないみたいだな。まあここが15階なのは間違いないし、魔王城は迷路みたいにはなってないから進んでいけばカツヤ達に会えるだろう。)
ユウキ達は15階から、急ぎながら上を目指した。16階、17階、18階、19階と昇っていくと、遠くで戦闘の音が聞こえてきた。
「あってで戦闘の音がするわ。きっとカツヤ達ね。急いでいきましょう。」
ユウキ達は音がする方へと進む。するとそこには、探していたカツヤ達が魔物と戦っている姿を見つけるのだった。
(ようやくきたか。冷静なって考えて見れば多分まだ魔王の所には行ってないだろう。さてカツヤ達は何階にいるだろうか・・・。ゲームじゃラスダンは何時間もレベル上げしないとなかなか進めなかったもんな・・・。1週間前なら15階ぐらいまでかな?)
「ユウキ。早く入りましょう。カツヤ達を探さないと。」
「ジュリア落ち着いて。俺も冷静になって考えてみたけど、多分カツヤ達はまだ魔王まで辿り着いていない。」
「どうしてそう言えるの?」
「理由は3つある。まず1つ目は、ここに出て来る魔物は強い。正直、天に一番高い塔と比べものにならないぐらいに。」
「でもマスター。魔物を避けながら進むかもしれないじゃんか。」
「それはない。雑魚に苦戦するようじゃ魔王なんて絶対倒せない。それもカツヤなら理解しているはずだ。」
「二つ目はマザードラゴンがいない事。」
「「「???」」」
「ニーチェは知ってるかもしれないけど、魔王はこの城の最上階30階にいる。カツヤ達が30階に着くとマザードラゴンが外から援護する事になってる。だけど今はどこにもマザードラゴンの姿が見えないから、まだ辿りついてないって訳だ。」
「なるほど・・・ってさっきサラッと流したけど魔王城って30階まであるの?城なのに?どう見たって5階ぐらいまでしかないじゃない?」
(たしかにそれは俺も思ったけど・・・なんでなのかは俺にもわからないし・・・)
「それは俺にもわからん。だけど魔王城が30階まであって最上階にいるのは事実だ。」
「そうだね。30階の最上階にいるのは間違いないよ。アタシは直接見てるからねぇ。」
「ニーチェが言うなら本当ね。でもマザードラゴンが援護してない可能性だってあるじゃない?」
「そこで理由の3つ目。あそこにある像の左目がまだ赤くなっていない。」
「あそこにある像って、あの気持ち悪い化け物の像よね?右目は青く光ってるわよ?」
「ああ。あれは魔王の像なんだ。それであの魔王像の両目が光らないと最上階の扉は開かないんだ。」
「そうなの?ならそれを早く言ってよ。急がなきゃって焦っちゃったじゃない。まあまだ魔王の所に着いてないのはわかったわ。だけど、モタモタしてると魔王の所に着いちゃうんじゃないの?」
「それはたしかにジュリアの言う通りだね。」
「なら早くいきましょ。」
「まあ待ってよ。」
(何も入口から追いかけなくても魔王城のギミックを俺は知ってるんだから使わなきゃ損じゃん。カツヤ達が右目を光らせて15階から進めれるんだしな。)
ゲームで何度も魔王城を攻略したユウキは魔王城の事をよくわかっていた。魔王城は入口からはいり、30階まで登っていくと、最上階には魔王がいて、魔王を倒すとゲームクリアとなる。
そして、魔王城はラストダンジョンの広さから、途中から再会できるように、15階への隠し通路が存在していた。そしてそのカギを握るのが、魔王の像の両目だ。30階の魔王の間に進む為には、魔王の像の両目を光らせなければならない。
そして、右目は15階にあるスイッチを押せば光り、左目は29階にある隠し部屋にあるスイッチを押せば光るようになる。15階にあるスイッチを押す事で、入り口から入らずに15階からスタートできるワープゾーンを使う事ができるようになるのだ。
ユウキは魔王城に来るまでその存在を忘れていたのだった。
「とりあえず俺についてきてくれ。」
そう言ってユウキは入口に入らずに魔王城の後ろに回り込んだ。そして、壁の一か所を入念に調べると・・・
「これこれ。これを押すとっと。」
ユウキは見つけた赤い丸いボタンを押す。すると、目の前の壁がゴゴゴと上に持ち上がった。
「何!?」
「ここから15階に行けるんだ。カツヤ達は15階を過ぎてるだろうから、これを使えば早めに合流できるだろ?ジュリアも言ってたようにカツヤ達は魔王城を進んでいっている。急いで合流しよう。」
「さすがユウキ様です。こんな隠し部屋があるなんて。」
「なんでユウキはこんな事知ってるんだ?アタシも知らないぞ。こんな仕掛け。」
(そりゃこのドラゴンファンタジー経験者ですからね。覚えてる限りは色々知ってるよ。あとはカツヤ達と合流して魔王を倒せばゲームクリアだな。まあ邪神がいるからゲームクリアにはならないだろうし、ゲームクリアした所でエンディングなんてないだろうけど・・・)
「まあまあ細かい事は気にせず行くよ。魔王城の魔物は強いって言ったけど、今の俺達だったら余裕で進めると思うから、道中の敵は魔法ぶっ放してカツヤ達を探そう。」
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「あってで戦闘の音がするわ。きっとカツヤ達ね。急いでいきましょう。」
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