よくある転生だった!だが俺は勇者じゃなかった

ベルピー

文字の大きさ
上 下
96 / 131
第5章 この物語の主役は勇者じゃなくて…

第96話 ミランは仲間になるのか!?

しおりを挟む
土の神殿の最上階で不死身のミランを見つけたユウキ達。ミランと対峙すると、どういう訳かミランは白旗を上げてきた。

「どういう事だ?」
ユウキは困惑する。ゲームでも魔王の幹部が降参して戦闘が無くなる。何てことは無かったからだ。

「降参する。私じゃどうあがいてもあなたには勝てない。私はまだ死にたくない。ずっとここで引きこもっていたい。」

「・・・」

「どうする?ユウキ・・・」

「どうしよっか・・・」

「ミラン?降参してあなたはどうするの?私達と一緒に来る?」

「できればここでずっと過ごしたい。ここはすごく落ち着く。ここから出たくない・・・」

「マスター?ミランに戦う気はないみたいだし放って置いていいんじゃない?」

「でもニーチェ?ミランを倒さないとユウキのサブ職業のスキルが使えないわ。」

「!?そうか。たしかに・・・サブ職業につく為には4人の魔王の幹部を倒す必要があるんだった。」

ユウキはサブ職業を詳細鑑定した時の内容を思い出した。

「たしか、4人の魔王の幹部を倒したら『魔を倒した勇者の証』が手に入るからそれを持っていればサブ職業のスキルが使えて、新たなセカンド職業に付けるって話だったよな?」

「はい。そう言ってましたね。でもこの場合どうなるんでしょう・・・。ミランは降参したんですから、この場合、ユウキ様がミランを屈服させた。魔を倒したって言えるんではないでしょうか?」

(どうなんだろ・・・。でもまあ戦う必要がないならそれでもいいか。魔を倒した証に関しては風の神殿に行ってマルワイドを倒せばわかる事だし。倒した時に魔を倒した証を手に入れれなかったらその時に考えればいい事だな。)

「そうだな。とりあえず降参してるんだ。無理に戦う必要ないだろ。」

「ありがとう・・・。」

「ミラン?よかったわね。」

「うん。」

(とりあえずミランは仲間にならなかったな。いや・・・もしかして特殊なアイテムとかイベントをこなせばミランも仲間になるのか・・・。あの女神の事だ。可能性としてはありえるな。)

「そういえばミラン?私の姉、ミネルバの事何かしらない?この前、火の神殿で会ったんだけど、魔王とは別に動いてるみたいなの?」

「知らない。私はずっとここにいたから・・・。」

「そっか。」

(そういえば土の神殿には誰も襲って来なかったな。まあミランの降参っていうイレギュラーはあったが・・・)

その後、ユウキ達はミランと別れ、土の神殿を後にした。

「それじゃあ今日はアースの街で休んで、明日水の神殿に向かおうか?」

「フレイヤの街までいかなくていいの?」

「さすがにカツヤ達が来ている訳ないからね。せっかく初めての街に来たんだしゆっくりしようかなって。」

「そうね。そうしましょ。」

そうして、土の神殿を攻略したユウキ達は、ゆっくりとアースの街を楽しむのだった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

一方、転移の宝玉を使ってプラネットに移動したカツヤ達は魔法の絨毯を使い、南の大陸を更に南へ移動していた。

「おお~。この魔法の絨毯すごいな。移動スピードも速いし湖とかも気にせず進める。なんといっても楽だな。」

「本当ね。ユウキには感謝しなくちゃ。」

「そうだな。ユウキ達の為にも早くロイヤルベガスに行ってアイ達の装備を整えないとな。」

「ええ。でもカツヤ!カジノは行っちゃダメよ!」

「わかってるよ。まああれだ・・・アイ達の装備を整えてお金が余るならちょっと遊ぶぐらいはいいだろ?」

「まあ・・・それぐらいなら。」

「よっしゃーー!!そうと決まればロイヤルベガスについたら早速魔物を倒してお金を稼ごうぜ。」

「もう!!調子いいんだから。」

「まあまあアイちゃん。カツヤならちゃんとしてくれるわよ。」

「アイカ・・・」

「そうだな。なんだかんだ言ってカツヤはよくやってるよ。」

「リヨン。」

「おっ!?見てみろよ。あっちに緑色の大きな塔があるぞ?」

「あれは風の神殿だな。」

「リヨン。知ってるのか?」

「ああ。あそこには魔王の幹部が居座ってるらしい。」

「魔王の幹部!?じゃあ寄り道して倒した方がいいんじゃないのか?」

「いや。ユウキ殿からは先に装備を整えろと言われているし、ロイヤルベガスに向かった方がいいだろう。カツヤが負けるとは思わないが私達がカツヤの足を引っ張るかもしれないからな。」

「そうか・・・。わかったよ。」

「まあ風の神殿にいる魔王の幹部はあそこから動かないらしいからな。焦らなくても装備を整えてレベルを上げればすぐに迎えるさ。魔法の絨毯、転移の宝玉もある。いつでもいけるだろ?」

「そうだな。リヨンの言う通りだ。よし!!目指すはロイヤルベガス!!行くぞーーー!」

カツヤ達は風の神殿を通りすぎてロイヤルベガスに向かった。もしユウキ達が先に風の神殿に向かっていればこの時点でカツヤ達に見つかり、合同で風の神殿を攻略していただろう。そんな未来の可能性もあったが、ユウキがいち早くその可能性に気付き行動したため、お互いが一緒に冒険する未来はなくなったのだった。

はたして今後、ユウキ達とカツヤ達が一緒に冒険をする事はあるのだろうか・・・。それは神・・・いや女神のみ知る・・・。
しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが…… アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。 そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。  実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。  剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。  アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。

狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。 街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。 彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

処理中です...