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第44話 女性を助けろ
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魔王城に入ったレイ達は周囲を警戒しながら中を進んで行った。
「やっぱりボルテックス達も城の中にいるっぽいな。所々にある魔物の血の跡とかどうみてもここで戦闘があった後だろうし。」
「そうね。けっこう派手に倒しながら進んでるみたいね。どうするのレイ?この後を追っていくの?」
「そうだな。この魔物の血をたどっていけばボルテックス達、魔王アルフェンにも辿りつくだろう。だけど警戒はしていこう。先にアイツらが来ている以上、アイツらより先に魔王アルフェンに辿り着くのは無理だろう。ならミストが言ってたようにボルテックス達が魔王アルフェンに勝てないと仮定して、アイツらが逃げる時に鉢合わせない様に前方を注意しながら進んで行こう。」
ミスト・・・本当に大丈夫だよな。ボルテックス達が先に魔王を倒してるとかないよな・・・くそっ。ミストが大丈夫って言ってても不安になるな~。仮にボルテックスが魔王を倒してたら俺の努力って無駄に終わるじゃん。頼むぞ。頼むぞ魔王。ボルテックスなんかに負けんな。でも殺すのはやめてくれ。さすがに殺されると寝ざめが悪い。丁度いいぐらいに半殺しにしてポイっと城の外にでも捨ててくれたらベストなんだけど・・・
ってそもそも俺ってアルフェンを倒せるよな?封印される前より強くはなったけど大丈夫だよな?いきって魔王に挑んで俺も負けるとか王様やミュラ王女に会わせる顔がないんだけど・・・
ボルテックス達が戦闘した形跡を追いながら、城の中も探索しつつ奥へと進んで行くと、魔物に囲まれている女性が目に入った。
「マリー!あそこ!女性が魔物に囲まれてる。」
「!?本当ね。どういう事?魔王城に人がいるなんて。」
「あの女性、戦ってるが分が悪そうだ。このままだと死んでしまうぞ。助けよう。」
「わかったわ。エンキちゃんお願い。」
「まかされた。」
エンキがダッシュで魔物の群れに飛び込み、女性に向かっている魔物を吹き飛ばした。吹き飛ばされた魔物は俺が剣で処理していった。
「あなた大丈夫?」
「あ・・・はい。大丈夫です。ありがとうございます。助かりました。」
「ちょっと待ってね今回復するから」
マリーが傷だらけの女性に回復魔法をかけて傷を治していく。傷だらけの女性は、みるみるうちに傷が治っていった。
「ふー。これで大丈夫ね。それであなたは何で魔王城にいるの?」
「はい・・・実は・・・」
「マリー。こっちは片付いたよ。他の魔物が襲ってくるかもしれないから一度外に出ようか?」
「そうね。あなたもその方がいいでしょ?話は外で聞かせて頂戴。」
「わかりました。」
とりあえず、女性を助けられてよかった。それにしてもこんな所に一人でいるなんてどういう事だ?装備を見る限り戦士系の職業だと思うけど・・・勇者パーティの一員なのか?それならボルテックス達がいないのがおかしい・・・ん?この感じは・・・聖獣か?あの女性から聖獣の気配を感じるぞ。どういう事だ?まあ話を聞けばわかるか今は先にここから脱出するのが先決だな。
俺は帰還魔法を使い、魔王城より一時脱出した。魔王城から出て、前日に泊まったところまで移動し、疲れている女性のために食事を用意する事にした。マリーの回復魔法で傷は回復したが、明らかに疲れているのが目に見えていたからだ。
「じゃあ話を聞かせてもらえる?」
「はい・・・実は私は勇者パーティの一員なんです。それで、魔王アルフェンを討伐に向かったんですが、魔王アルフェンは強すぎです。私たちは6人で戦ったんですが倒す事はできませんでした。最初は私たちが優勢だと思っていたんですが、いくら攻撃を与えても魔王は平然としていました。私はタンクとして前線にいたんですが、徐々に魔王の攻撃を防げなくなっていきました。気づいた時には私たちは劣勢になってました。」
まじか・・・予想はしてたけど、魔王に勝てなくてここにその女性だけがいるって事はもしかして・・・
「劣勢になると、勇者様は私を囮にして逃げました。私が一番前で魔王の攻撃を受けていたので。その時は、勇者様を守らなきゃって無我夢中でした。そして、勇者パーティのメンバーが逃げた後も私は魔王の攻撃を防ぎ続けました。どれほど防いだか覚えていませんが、死ぬと思ったのは事実です。ですが、死ぬと思う直前、魔王は攻撃をやめてどこかに行ってしまったんです。それから私は勇者パーティに合流しようと魔王城を出ようとして、あなた方に助けていただいたんです。」
「それは・・・」
そうか。じゃあこの女性が新しく仲間に入ったタンク職か。話を聞く感じじゃ囮にされたって言っても、勇者パーティの一員として最善の行動をしたって思ってる感じだな。本来なら勇者に怒りを覚えても普通なのに・・・
「そうか・・・まあ助ける事ができてよかったよ。それで君はこれからどうするんだ?勇者の元に戻るのか?こんな事いっちゃアレだけど君は見捨てられたんだろ?」
「そうですね。正直どうしようか迷ってます。ここにくるまでは勇者様の元にもどらなきゃと思ってましたが冷静になったら、見捨てられたんだなってわかります。あの時も確実に魔王の攻撃を防ぐために私にこのアイテムを渡したんだと思います。」
「「それは!?」」
その女性が出したアイテムは聖獣が封印されている封印玉だった。
「やっぱりボルテックス達も城の中にいるっぽいな。所々にある魔物の血の跡とかどうみてもここで戦闘があった後だろうし。」
「そうね。けっこう派手に倒しながら進んでるみたいね。どうするのレイ?この後を追っていくの?」
「そうだな。この魔物の血をたどっていけばボルテックス達、魔王アルフェンにも辿りつくだろう。だけど警戒はしていこう。先にアイツらが来ている以上、アイツらより先に魔王アルフェンに辿り着くのは無理だろう。ならミストが言ってたようにボルテックス達が魔王アルフェンに勝てないと仮定して、アイツらが逃げる時に鉢合わせない様に前方を注意しながら進んで行こう。」
ミスト・・・本当に大丈夫だよな。ボルテックス達が先に魔王を倒してるとかないよな・・・くそっ。ミストが大丈夫って言ってても不安になるな~。仮にボルテックスが魔王を倒してたら俺の努力って無駄に終わるじゃん。頼むぞ。頼むぞ魔王。ボルテックスなんかに負けんな。でも殺すのはやめてくれ。さすがに殺されると寝ざめが悪い。丁度いいぐらいに半殺しにしてポイっと城の外にでも捨ててくれたらベストなんだけど・・・
ってそもそも俺ってアルフェンを倒せるよな?封印される前より強くはなったけど大丈夫だよな?いきって魔王に挑んで俺も負けるとか王様やミュラ王女に会わせる顔がないんだけど・・・
ボルテックス達が戦闘した形跡を追いながら、城の中も探索しつつ奥へと進んで行くと、魔物に囲まれている女性が目に入った。
「マリー!あそこ!女性が魔物に囲まれてる。」
「!?本当ね。どういう事?魔王城に人がいるなんて。」
「あの女性、戦ってるが分が悪そうだ。このままだと死んでしまうぞ。助けよう。」
「わかったわ。エンキちゃんお願い。」
「まかされた。」
エンキがダッシュで魔物の群れに飛び込み、女性に向かっている魔物を吹き飛ばした。吹き飛ばされた魔物は俺が剣で処理していった。
「あなた大丈夫?」
「あ・・・はい。大丈夫です。ありがとうございます。助かりました。」
「ちょっと待ってね今回復するから」
マリーが傷だらけの女性に回復魔法をかけて傷を治していく。傷だらけの女性は、みるみるうちに傷が治っていった。
「ふー。これで大丈夫ね。それであなたは何で魔王城にいるの?」
「はい・・・実は・・・」
「マリー。こっちは片付いたよ。他の魔物が襲ってくるかもしれないから一度外に出ようか?」
「そうね。あなたもその方がいいでしょ?話は外で聞かせて頂戴。」
「わかりました。」
とりあえず、女性を助けられてよかった。それにしてもこんな所に一人でいるなんてどういう事だ?装備を見る限り戦士系の職業だと思うけど・・・勇者パーティの一員なのか?それならボルテックス達がいないのがおかしい・・・ん?この感じは・・・聖獣か?あの女性から聖獣の気配を感じるぞ。どういう事だ?まあ話を聞けばわかるか今は先にここから脱出するのが先決だな。
俺は帰還魔法を使い、魔王城より一時脱出した。魔王城から出て、前日に泊まったところまで移動し、疲れている女性のために食事を用意する事にした。マリーの回復魔法で傷は回復したが、明らかに疲れているのが目に見えていたからだ。
「じゃあ話を聞かせてもらえる?」
「はい・・・実は私は勇者パーティの一員なんです。それで、魔王アルフェンを討伐に向かったんですが、魔王アルフェンは強すぎです。私たちは6人で戦ったんですが倒す事はできませんでした。最初は私たちが優勢だと思っていたんですが、いくら攻撃を与えても魔王は平然としていました。私はタンクとして前線にいたんですが、徐々に魔王の攻撃を防げなくなっていきました。気づいた時には私たちは劣勢になってました。」
まじか・・・予想はしてたけど、魔王に勝てなくてここにその女性だけがいるって事はもしかして・・・
「劣勢になると、勇者様は私を囮にして逃げました。私が一番前で魔王の攻撃を受けていたので。その時は、勇者様を守らなきゃって無我夢中でした。そして、勇者パーティのメンバーが逃げた後も私は魔王の攻撃を防ぎ続けました。どれほど防いだか覚えていませんが、死ぬと思ったのは事実です。ですが、死ぬと思う直前、魔王は攻撃をやめてどこかに行ってしまったんです。それから私は勇者パーティに合流しようと魔王城を出ようとして、あなた方に助けていただいたんです。」
「それは・・・」
そうか。じゃあこの女性が新しく仲間に入ったタンク職か。話を聞く感じじゃ囮にされたって言っても、勇者パーティの一員として最善の行動をしたって思ってる感じだな。本来なら勇者に怒りを覚えても普通なのに・・・
「そうか・・・まあ助ける事ができてよかったよ。それで君はこれからどうするんだ?勇者の元に戻るのか?こんな事いっちゃアレだけど君は見捨てられたんだろ?」
「そうですね。正直どうしようか迷ってます。ここにくるまでは勇者様の元にもどらなきゃと思ってましたが冷静になったら、見捨てられたんだなってわかります。あの時も確実に魔王の攻撃を防ぐために私にこのアイテムを渡したんだと思います。」
「「それは!?」」
その女性が出したアイテムは聖獣が封印されている封印玉だった。
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