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第33話 ミュラの話と聖獣と神獣様の行方
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「一先ず安心しました。お父様が認めて下さいましたから。」
「ああ。でも転移魔法と収納魔法は可能性の話が出た時にもすでに使えたからなんか複雑だな。」
「やっぱりダンジョンのドロップ品が効いたんじゃない?最下層更新って伝えてないけど、気づいてたと思うよ。」
「そうですね。東の大陸のダンジョンは有名ですから、攻略階数はお父様もご存じだったと思います。」
「それで、ボルテックス達は今どうしてるんだ?王様も言ってたが魔王城を見つけたって?」
「はい。勇者方は1週間程前に帰ってきました。そこでの報告は、中央大陸の南に魔王のいる城を発見したそうです。前に倒した魔王城と同じような城と言っていましたのでまず間違いないかと思います。」
「言ってたのはそれだけか?」
(ボルテックスの性格なら、魔王城発見で帰るとは思えないんだよな~。俺なら今すぐでも魔王を倒せるぜ。とか言って乗り込んでそうだけど・・・)
「そうですね。魔王城周辺の魔物が全く相手にならなかったから、魔王も次の討伐で倒して見せると豪語してました。そして、倒した暁には私を嫁にしたい。とも・・・」
「アイツ!!・・・どういうつもりだ!!」
「お父様は魔王を倒したなら喜んで私を勇者に与えるといいましたわ。」
「!?それで・・・それでミュラ王女はよかったのか?」
「よくはありません。ですが、私はレイを信じています。レイなら勇者よりも先に魔王を倒してくれると。だから私はその時も焦る事なく冷静でいられました。」
(さっきの王様の言葉はそういう事だったのか。まいったな~。だけど、ミュラが俺を好いてくれてるのは知ってる。マリーともその事は話し合い済みだ。)
俺は隣のマリーを見た。マリーは静かに頷いてくれた。
「ミュラ王女、いやミュラ。俺が必ずボルテックスよりも先に魔王を倒して見せる。だから、魔王を倒したら・・・その・・・」
「はい。待っています。魔王を倒したら私もお嫁さんにしてくださいね。」
(私も・・・か。とっくにミュラは俺達の関係に気付いてるんだな。それもそうか。隣でニコニコして俺の手を握ってるマリーを見れば誰だってわかるわな。)
「ああ。まかせておけ。といいたい所だけど、今の俺じゃまだ魔王には勝てないらしい。ボルテックス達はどうしてるんだ?もう魔王討伐に向かいそうなのか?」
「いえ。今はパーティメンバーを集めてるみたいです。魔王討伐メンバーになれるぞ。と言っているので多数の希望者がいるみたいです。」
(メンバーを更に集めてる?ミュラの話じゃ今は5人のはずだ。何のために?何かあった時の捨て駒か?それとも新しい女か?アイツは昔っから気に入った女は手にかけてたから。)
「なら魔王討伐までは時間がかかりそうだな。聖獣と神獣様の情報はどうだった?」
「はい。まずは神獣様ですが、この大陸の南の山脈をご存じですか?」
「ああ。霊峰ホワイトマウンテンだろ?まさか?そこに?」
「はい。間違いないかと。あそこは人が近づかない場所ですから。」
「レイよ。この大陸にいる神獣様は白虎様だ。俺様は会った事ないが虎の姿をしておられるぞ。」
(白虎か。たしか四獣には方角があったな。青龍が東、白虎が西、玄武が北、朱雀が南だったかな?という事は各大陸に神獣様がいるって感じだな。ホワイトマウンテンには行った事がないから移動は徒歩にはなるが、場所がわかってるなら行く価値ありだな。)
「そういやフェニクは神獣様と会った事があるって言ってたな?もしかして居場所を知ってるのか?」
「いやもうずいぶん昔の事だし、住処は知らないな。」
「そうか・・・」
「じゃあ次はホワイトマウンテンに行ってみるか?」
「レイ。まだよ。ミュラからまだ聖獣の情報を聞いてないわ。」
「あっ。そういやそうだった。」
「はい。聖獣の件ですが、ここから更に西に行って海を渡った所に亀島という島があるそうです。そこには万年亀という聖獣がいると書かれた書物がありました。そして、東の大陸と中央大陸の間の海には海蛇という聖獣が出ると言った噂があるみたいです。」
(亀島?なんか聞いた事ある島だな。亀島?亀島?・・・!!そうだ思い出した。ゲームクリアした後にフリーシナリオでいける島じゃないか。俺は行った事ないけど、たしかそこのボスを倒すと亀の甲羅がもらえるってネットで書いてあったな。亀の甲羅なんて何に使うんだよ!?って思って行かなかったっけ。)
「そういやエンキ?お前は他の聖獣の居場所とか神獣様の居場所は知らないのか?」
「吾輩も長い事キュービで封印されていたから、他の者が今どこにいるかは検討もつきません。お役に立てず申し訳ない。」
「そりゃそうか。まああんまり気にすんなよ。もうすでに役に立ってくれてるんだからな。」
「どうするレイ?」
(ここで選べる選択肢は2つだな。南にあるホワイトマウンテンに向かって神獣白虎様に会うか。西の島に向かって聖獣万年亀に会うか。難易度的には亀島の方が低いか?ホワイトマウンテンは情報だけで開放されてない場所だったからな。一度行けば転移魔法も使えるしまずは亀島に行ってみるか。無理なら戻れば済む話だし。)
「そうだな。とりあえず亀島に行くか。聖獣万年亀と契約して、その次に南のホワイトマウンテンに行く。どちらもクリア出来たら魔王を倒しに行こう。それでどうだ?」
賛成一致となり、レイ達は準備を整えて西の島へと向かったのだった。
「ああ。でも転移魔法と収納魔法は可能性の話が出た時にもすでに使えたからなんか複雑だな。」
「やっぱりダンジョンのドロップ品が効いたんじゃない?最下層更新って伝えてないけど、気づいてたと思うよ。」
「そうですね。東の大陸のダンジョンは有名ですから、攻略階数はお父様もご存じだったと思います。」
「それで、ボルテックス達は今どうしてるんだ?王様も言ってたが魔王城を見つけたって?」
「はい。勇者方は1週間程前に帰ってきました。そこでの報告は、中央大陸の南に魔王のいる城を発見したそうです。前に倒した魔王城と同じような城と言っていましたのでまず間違いないかと思います。」
「言ってたのはそれだけか?」
(ボルテックスの性格なら、魔王城発見で帰るとは思えないんだよな~。俺なら今すぐでも魔王を倒せるぜ。とか言って乗り込んでそうだけど・・・)
「そうですね。魔王城周辺の魔物が全く相手にならなかったから、魔王も次の討伐で倒して見せると豪語してました。そして、倒した暁には私を嫁にしたい。とも・・・」
「アイツ!!・・・どういうつもりだ!!」
「お父様は魔王を倒したなら喜んで私を勇者に与えるといいましたわ。」
「!?それで・・・それでミュラ王女はよかったのか?」
「よくはありません。ですが、私はレイを信じています。レイなら勇者よりも先に魔王を倒してくれると。だから私はその時も焦る事なく冷静でいられました。」
(さっきの王様の言葉はそういう事だったのか。まいったな~。だけど、ミュラが俺を好いてくれてるのは知ってる。マリーともその事は話し合い済みだ。)
俺は隣のマリーを見た。マリーは静かに頷いてくれた。
「ミュラ王女、いやミュラ。俺が必ずボルテックスよりも先に魔王を倒して見せる。だから、魔王を倒したら・・・その・・・」
「はい。待っています。魔王を倒したら私もお嫁さんにしてくださいね。」
(私も・・・か。とっくにミュラは俺達の関係に気付いてるんだな。それもそうか。隣でニコニコして俺の手を握ってるマリーを見れば誰だってわかるわな。)
「ああ。まかせておけ。といいたい所だけど、今の俺じゃまだ魔王には勝てないらしい。ボルテックス達はどうしてるんだ?もう魔王討伐に向かいそうなのか?」
「いえ。今はパーティメンバーを集めてるみたいです。魔王討伐メンバーになれるぞ。と言っているので多数の希望者がいるみたいです。」
(メンバーを更に集めてる?ミュラの話じゃ今は5人のはずだ。何のために?何かあった時の捨て駒か?それとも新しい女か?アイツは昔っから気に入った女は手にかけてたから。)
「なら魔王討伐までは時間がかかりそうだな。聖獣と神獣様の情報はどうだった?」
「はい。まずは神獣様ですが、この大陸の南の山脈をご存じですか?」
「ああ。霊峰ホワイトマウンテンだろ?まさか?そこに?」
「はい。間違いないかと。あそこは人が近づかない場所ですから。」
「レイよ。この大陸にいる神獣様は白虎様だ。俺様は会った事ないが虎の姿をしておられるぞ。」
(白虎か。たしか四獣には方角があったな。青龍が東、白虎が西、玄武が北、朱雀が南だったかな?という事は各大陸に神獣様がいるって感じだな。ホワイトマウンテンには行った事がないから移動は徒歩にはなるが、場所がわかってるなら行く価値ありだな。)
「そういやフェニクは神獣様と会った事があるって言ってたな?もしかして居場所を知ってるのか?」
「いやもうずいぶん昔の事だし、住処は知らないな。」
「そうか・・・」
「じゃあ次はホワイトマウンテンに行ってみるか?」
「レイ。まだよ。ミュラからまだ聖獣の情報を聞いてないわ。」
「あっ。そういやそうだった。」
「はい。聖獣の件ですが、ここから更に西に行って海を渡った所に亀島という島があるそうです。そこには万年亀という聖獣がいると書かれた書物がありました。そして、東の大陸と中央大陸の間の海には海蛇という聖獣が出ると言った噂があるみたいです。」
(亀島?なんか聞いた事ある島だな。亀島?亀島?・・・!!そうだ思い出した。ゲームクリアした後にフリーシナリオでいける島じゃないか。俺は行った事ないけど、たしかそこのボスを倒すと亀の甲羅がもらえるってネットで書いてあったな。亀の甲羅なんて何に使うんだよ!?って思って行かなかったっけ。)
「そういやエンキ?お前は他の聖獣の居場所とか神獣様の居場所は知らないのか?」
「吾輩も長い事キュービで封印されていたから、他の者が今どこにいるかは検討もつきません。お役に立てず申し訳ない。」
「そりゃそうか。まああんまり気にすんなよ。もうすでに役に立ってくれてるんだからな。」
「どうするレイ?」
(ここで選べる選択肢は2つだな。南にあるホワイトマウンテンに向かって神獣白虎様に会うか。西の島に向かって聖獣万年亀に会うか。難易度的には亀島の方が低いか?ホワイトマウンテンは情報だけで開放されてない場所だったからな。一度行けば転移魔法も使えるしまずは亀島に行ってみるか。無理なら戻れば済む話だし。)
「そうだな。とりあえず亀島に行くか。聖獣万年亀と契約して、その次に南のホワイトマウンテンに行く。どちらもクリア出来たら魔王を倒しに行こう。それでどうだ?」
賛成一致となり、レイ達は準備を整えて西の島へと向かったのだった。
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