ゲームの世界に転生したら、バットエンドの後だった!?バットエンドをハッピーエンドにする為に、俺は魔王と手を組むぜ!

ベルピー

文字の大きさ
上 下
17 / 44

第17話 激突⁉ゴーストキング

しおりを挟む
地下9階に降りた俺達は、冒険者パーティが何組も休憩してる大きな広場に向かった。途中で通りすぎていたので場所はわかっていた。

開いてる場所を探してテントを張り、食事の準備をした。マリーが食事を作っている間に『花の集い』と『銀の月』のパーティを探したが案の定いなかった。新しい出会いにワクワクするも、根が小心者だったため、自分からは話しかける事ができなかったので、渋々マリーの所へ戻った。

マリーの所に戻ると、マリーの周りには他の冒険者が集まっていた。

「レイよ。マリーが他の冒険者に絡まれておるのじゃ。」

「ああ。助けないと・・・ってあれ?」

人が大勢集まってたので、冒険者に絡まれてると思って急いでマリーの元へ戻ったレイだったが、そこには絡まれるどころか一歩離れてマリーを見つめる集団がいた。

「えっっと・・・どうしたのこれ?」

「ちょっと絡まれたから叩きのめしたのよ。そしたらこうなっちゃって・・・」

叩きのめした!?マリーが?いやまあたしかにマリーってレベルが高いから正直俺よりも強いけど・・・それにしても叩きのめしたら普通その場から離れないか?なんか宗教の教祖を称えるレベルで称えられてるんだけど・・・あの人なんか手を合わして拝んでるし。本当に叩きのめしただけなの???

「それにしてはなんというか・・・さすが聖女というか・・・マリーというか・・・」

「格の違いをわからせてあげたから、安心よ。でもそうね。せっかくレイと二人で食事できるのに落ち着かないわね。アンタ達‼邪魔だからどっかいきなさい。もう私に絡んで来ない事。今度絡んできたら・・・わかるわね。」

「「「「「はい。」」」」」

マリーの一声で蜘蛛の子を散らすように冒険者達は離れて行った。

そういえばマリーってこういう性格だったな。ゲームでは性格などはわからないが、レイの記憶からマリーは、聖女という名からは想像もできないぐらいお転婆だったようだ。

マリーの噂が他の冒険者達にも広がったのか、その日、レイ達に話しかけてくる冒険者は一人もいなかった。ゆっくり過ごせるのでよかったと言えばよかったのだが・・・翌日、広場を出る時にはこそこそとレイ達に聞こえない声量で話されてるのが気になってそそくさとその場を離れたのは言うまでもなかった。

☆☆☆

改めてレイ達はボスがいる地下10階に来ていた。

「レイ。MPは満タンよ。ゴーストキングなんて瞬殺しちゃいましょ。」

「そうだな・・・」

マリーさん。俺は昨日のマリーの姿が目に焼き付いて落ち着かないよ。忘れようと思ったら脳裏にエプロンでお玉振り回すマリーが浮かんでくるんだよ。どうしよこれ・・・

「ミストとフェニクは俺の気持ちわかるよな?」

「そうじゃな。たしかに昨日のマリーはすごく印象に残るな。」

「何言ってんだレイ。俺様はずっとお嬢の傍にいるけど、あんなのいつもの事じゃねぇか。」

いつもの事なのはわかるんだ。だけど、俺が体験したのが初めてだったから驚いてるんだ。いや受け入れろ俺。これからずっと一緒に旅するんだろ。よく言うじゃないか。付き合ってみると知らない一面を知ってしまったって。そんな感じだ。好きなんだろマリーの事が。男ならどんな一面でも受け入れる度量が必要だぞ。

レイは自分に言い聞かせて、ボス部屋の扉を開けた。2人の目の前には、テレビでよく見た白いシーツを被ったような幽霊、ゴーストキングがいた。

「私が水魔法で攻撃するから、レイは光魔法を使って。ゴーストは光魔法が弱点のはずよ。」

そう言えば、アンデット系って回復魔法でダメージを与えれるよな?もしかしてマリーの回復魔法でもゴーストやアンデットだったら攻撃できるんじゃ??いや考えるのは後だ。今はマリーに合わせて攻撃だ。

マリーがウォータージェットを発動したタイミングで、俺はライトボールの魔法を使った。光魔法の中でも最弱の魔法で、消費MPは5だ。ゴーストキングのレベルは10だし、光魔法が弱点って言ってたから大丈夫だろ。

レイのライトボールとマリーのウォータージェットがゴーストキングに命中する。

「やったかしら?」

「マリー。それは・・・」

レイの心配をよそに、ゴーストキングは跡形もなく消え去った。

あれ??倒したか?はフラグだろ?生きてると思ったけど跡形もなく消え去るとは・・・リアルはよくわからんな。まあ敵のHP以上の攻撃をしたらフラグ有る無しに倒すのは当然なんだろうけど・・・

苦戦する事もなく魔法2発で地下10階のボスを倒したレイ達は、ドロップ品の死者の杖を手に入れ地下11階へと進んでいった。

ちなみに死者の杖は通常ドロップで、珍しくもなんともない。今のマリーが装備している杖よりも格段に弱いが、装備品は売却する事でお金になるので、レイの収納魔法で収納されていった。

レイ達は、その日順調にダンジョンを進み、地下15階まで足を進めた。魔物が弱い事もあったが、レイはレベルを25まで上げていた。ちなみにマリーはレベル80のままだ。

レベルの上がらないマリーに悪いと思いながらも順調にレベルが上がり、使える魔法が増えて行く事にニヤニヤしながら休むレイであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

りんねに帰る

jigoq
ファンタジー
人間の魂を回収し、輪廻に乗せる仕事を担う下級天使のルシア。ある日、バディのフーガと魂の回収に向かった先で死神の振るう大鎌に殺されそうになる。それを庇ったフーガが殺されたかに思えた。しかし大鎌は寸前で止められる。その時ルシアの耳朶を打ったのは震える声。――死神は泣いていた。

【完結】おじいちゃんは元勇者

三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話… 親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。 エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…

貞操逆転世界の男教師

やまいし
ファンタジー
貞操逆転世界に転生した男が世界初の男性教師として働く話。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

異世界災派 ~1514億4000万円を失った自衛隊、海外に災害派遣す~

ス々月帶爲
ファンタジー
元号が令和となり一年。自衛隊に数々の災難が、襲い掛かっていた。 対戦闘機訓練の為、東北沖を飛行していた航空自衛隊のF-35A戦闘機が何の前触れもなく消失。そのF-35Aを捜索していた海上自衛隊護衛艦のありあけも、同じく捜索活動を行っていた、いずも型護衛艦2番艦かがの目の前で消えた。約一週間後、厄災は東北沖だけにとどまらなかった事を知らされた。陸上自衛隊の車両を積載しアメリカ合衆国に向かっていたC-2が津軽海峡上空で消失したのだ。 これまでの損失を計ると、1514億4000万円。過去に類をみない、恐ろしい損害を負った防衛省・自衛隊。 防衛省は、対策本部を設置し陸上自衛隊の東部方面隊、陸上総隊より選抜された部隊で混成団を編成。 損失を取り返すため、何より一緒に消えてしまった自衛官を見つけ出す為、混成団を災害派遣する決定を下したのだった。 派遣を任されたのは、陸上自衛隊のプロフェッショナル集団、陸上総隊の隷下に入る中央即応連隊。彼等は、国際平和協力活動等に尽力する為、先遣部隊等として主力部隊到着迄活動基盤を準備する事等を主任務とし、日々訓練に励んでいる。 其の第一中隊長を任されているのは、暗い過去を持つ新渡戸愛桜。彼女は、この派遣に於て、指揮官としての特殊な苦悩を味い、高みを目指す。 海上自衛隊版、出しました →https://ncode.syosetu.com/n3744fn/ ※作中で、F-35A ライトニングⅡが墜落したことを示唆する表現がございます。ですが、実際に墜落した時より前に書かれた表現ということをご理解いただければ幸いです。捜索が打ち切りとなったことにつきまして、本心から残念に思います。搭乗員の方、戦闘機にご冥福をお祈り申し上げます。 「小説家になろう」に於ても投稿させて頂いております。 →https://ncode.syosetu.com/n3570fj/ 「カクヨム」に於ても投稿させて頂いております。 →https://kakuyomu.jp/works/1177354054889229369

処理中です...