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第11話 勇者ボルテックス 1
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「おい。どうするんだよ。」
「何がだよ?」
「お前だってわかってるだろ?新しく現れた魔王の事だよ。レイドールを殺したのはやばかったんじゃねぇか?」
「バカッ!お前。声がでけぇよ。誰かに聞かれたらどうするんだ!!」
「す、すまん。」
フォンドラ城に新しい魔王、アルフェンが現れた夜、ボルテックス、マジカルシュート、ガウラスの3人は酒場で飲んでいた。
「レイドールなんかいなくても、俺がいれば魔王ぐらい余裕だろ。なんといっても俺は勇者だぞ。」
(魔王を倒して、ミュラを手に入れたと思ったの最悪だな。それにローズマリーも大聖堂に帰っちまうし。)
「うむ。たしかに勇者と言えば、英雄譚でも魔王を倒すのが王道ではあるな。」
「だろ?」
「だが、魔王ファーラミスト戦で一番活躍したのはレイドールだ。これも又事実だぞ。」
(くそ。レイドール・・・俺は勇者だぞ。人気実力ともにNo. 1の勇者だ。それなのにレイドールのヤツ。俺よりも目立ってて、ローズマリーやミュラとも仲良くしてて、前々からムカついてたんだ。あんなヤツ死んで当然だろ。俺より目立つヤツ、俺よりモテるヤツなんていたらダメだろ。勇者は俺なんだから。)
「アイツが活躍したのは聖獣がいたからだろ?アイツの聖獣達は今は俺達の手の内だ。これを持ってれば更に強くなるんだろ?」
「レイドールは聖獣と契約したら、能力が1.5倍になると言っていた。まだ調べきれていないが聖獣の力を封じた珠にも同じような力はあると思う。」
「なら早く調べてくれマジカルシュート。今度の会議ではきっと俺達が魔王討伐に行く話になる。逆に言えばレイドールがいないメンバーで魔王を倒せば名実共に俺達が英雄だ。魔王の一人や二人サクッと行こうぜ。」
「そうだな。ボルテックスに俺、マジカルシュートにローズマリーが入れば楽勝だよな。」
「それそれ。ローズマリーには戻ってくるように手紙を出してるから合流次第、魔王をぶっ倒そうぜ。」
(そうだ。レイドールがいないからって何を焦ってるんだ。魔王ぐらいサクッと倒せばいい話じゃないか。ちょっと予定が狂っただけだ。レイドールはもういないんだし、ゆっくりミュラもローズマリーも攻略していけばいいんだ。)
⭐︎⭐︎⭐︎
そして魔王討伐会議では、ミュラ王女の奮闘もあり、魔王アルフェンの居場所を探る為、中央大陸を調べる事になった。
聖獣の珠の力を調べる時間が欲しかったボルテックス達の事情ともマッチしたので会議は荒れる事なく無事に終わった。
そして・・・
「ローズマリーが来ない。なんでだ!!」
「手紙には、力不足なのとレイドールが死んで戦う気力が無くなったらしい。」
「そんなの無責任だろ!今から大聖堂に行くぞ!」
「それは無理だろう。中央大陸に行く準備は着々と進んでいる。今から大聖堂のある北大陸には行く時間がない。」
「くそっ!!」
(レイドールが死んでから予想外の事が立て続けに起こってる。どう言う事だ?新たな魔王?ローズマリーが来ない?ミュラもなんか態度がそっけなかったし・・・)
「言っても仕方がないだろう。今回は魔王と戦う訳じゃないんだ。適当に二人ぐらい新しいメンバーを見つければいいだろう。」
「!?それもそうだな。」
(別にローズマリーにこだわらなくたって、俺は勇者だ。俺とパーティを組みたい女なんて腐る程いるか。よし、なら早速物色開始だ。)
「そういやマジカルシュート。聖獣の珠は何かわかったのか?」
「ああ。とりあえず現時点では、持ってるだけで1割程能力が上がるみたいだ。」
「たったの1割かよ!」
「いや、ガウラス。1割でもすごいぞ。俺達はレベルがカンストしてるからこれ以上レベルが上がらない。それを考えると持ってるだけで1割は魅力的だな。」
「そう言うもんか。」
(それに最悪、マジカルシュートとガウラスの聖獣の珠も俺が持てば上昇率は3割だ。レベル130と同意だろ。他にも聖獣持ちが入れば封印して俺が手に入れるのも一興だな。)
⭐︎⭐︎⭐︎
早速ボルテックス達は、中央大陸に行く為に人員を集めた。
名のある武道家、Sランクの冒険者、大魔導士と呼ばれる魔術師など、勇者の名前は思った通りに有名でパーティを組みたい人は大勢集まった。
最終的に、ボルテックスが好みの、スタイルが良い治癒術士のマチルダ、ガウラスが好みのスラっとしたボーイッシュなシーフのサリーが加わった。
マジカルシュートは女には興味がないので、二人の好みの女性をパーティに加えた形だ。
「よし。メンバーも揃って準備も整った。中央大陸に行くぞ!」
「「「「おー!」」」」
(魔王なんてサクッと倒してすぐに戻ってくるぞ。ミュラにローズマリー待ってろよ。これが終われば俺は魔王を二人倒した大英雄だ。二人もすぐに俺に近寄ってくるだろう。ああ、今から楽しみだ。いや先にマチルダを美味しく頂くのも悪くないな。船旅は長いし。)
ボルテックス達を乗せた船は、西大陸を出発して中央大陸に向かったのだった。
「何がだよ?」
「お前だってわかってるだろ?新しく現れた魔王の事だよ。レイドールを殺したのはやばかったんじゃねぇか?」
「バカッ!お前。声がでけぇよ。誰かに聞かれたらどうするんだ!!」
「す、すまん。」
フォンドラ城に新しい魔王、アルフェンが現れた夜、ボルテックス、マジカルシュート、ガウラスの3人は酒場で飲んでいた。
「レイドールなんかいなくても、俺がいれば魔王ぐらい余裕だろ。なんといっても俺は勇者だぞ。」
(魔王を倒して、ミュラを手に入れたと思ったの最悪だな。それにローズマリーも大聖堂に帰っちまうし。)
「うむ。たしかに勇者と言えば、英雄譚でも魔王を倒すのが王道ではあるな。」
「だろ?」
「だが、魔王ファーラミスト戦で一番活躍したのはレイドールだ。これも又事実だぞ。」
(くそ。レイドール・・・俺は勇者だぞ。人気実力ともにNo. 1の勇者だ。それなのにレイドールのヤツ。俺よりも目立ってて、ローズマリーやミュラとも仲良くしてて、前々からムカついてたんだ。あんなヤツ死んで当然だろ。俺より目立つヤツ、俺よりモテるヤツなんていたらダメだろ。勇者は俺なんだから。)
「アイツが活躍したのは聖獣がいたからだろ?アイツの聖獣達は今は俺達の手の内だ。これを持ってれば更に強くなるんだろ?」
「レイドールは聖獣と契約したら、能力が1.5倍になると言っていた。まだ調べきれていないが聖獣の力を封じた珠にも同じような力はあると思う。」
「なら早く調べてくれマジカルシュート。今度の会議ではきっと俺達が魔王討伐に行く話になる。逆に言えばレイドールがいないメンバーで魔王を倒せば名実共に俺達が英雄だ。魔王の一人や二人サクッと行こうぜ。」
「そうだな。ボルテックスに俺、マジカルシュートにローズマリーが入れば楽勝だよな。」
「それそれ。ローズマリーには戻ってくるように手紙を出してるから合流次第、魔王をぶっ倒そうぜ。」
(そうだ。レイドールがいないからって何を焦ってるんだ。魔王ぐらいサクッと倒せばいい話じゃないか。ちょっと予定が狂っただけだ。レイドールはもういないんだし、ゆっくりミュラもローズマリーも攻略していけばいいんだ。)
⭐︎⭐︎⭐︎
そして魔王討伐会議では、ミュラ王女の奮闘もあり、魔王アルフェンの居場所を探る為、中央大陸を調べる事になった。
聖獣の珠の力を調べる時間が欲しかったボルテックス達の事情ともマッチしたので会議は荒れる事なく無事に終わった。
そして・・・
「ローズマリーが来ない。なんでだ!!」
「手紙には、力不足なのとレイドールが死んで戦う気力が無くなったらしい。」
「そんなの無責任だろ!今から大聖堂に行くぞ!」
「それは無理だろう。中央大陸に行く準備は着々と進んでいる。今から大聖堂のある北大陸には行く時間がない。」
「くそっ!!」
(レイドールが死んでから予想外の事が立て続けに起こってる。どう言う事だ?新たな魔王?ローズマリーが来ない?ミュラもなんか態度がそっけなかったし・・・)
「言っても仕方がないだろう。今回は魔王と戦う訳じゃないんだ。適当に二人ぐらい新しいメンバーを見つければいいだろう。」
「!?それもそうだな。」
(別にローズマリーにこだわらなくたって、俺は勇者だ。俺とパーティを組みたい女なんて腐る程いるか。よし、なら早速物色開始だ。)
「そういやマジカルシュート。聖獣の珠は何かわかったのか?」
「ああ。とりあえず現時点では、持ってるだけで1割程能力が上がるみたいだ。」
「たったの1割かよ!」
「いや、ガウラス。1割でもすごいぞ。俺達はレベルがカンストしてるからこれ以上レベルが上がらない。それを考えると持ってるだけで1割は魅力的だな。」
「そう言うもんか。」
(それに最悪、マジカルシュートとガウラスの聖獣の珠も俺が持てば上昇率は3割だ。レベル130と同意だろ。他にも聖獣持ちが入れば封印して俺が手に入れるのも一興だな。)
⭐︎⭐︎⭐︎
早速ボルテックス達は、中央大陸に行く為に人員を集めた。
名のある武道家、Sランクの冒険者、大魔導士と呼ばれる魔術師など、勇者の名前は思った通りに有名でパーティを組みたい人は大勢集まった。
最終的に、ボルテックスが好みの、スタイルが良い治癒術士のマチルダ、ガウラスが好みのスラっとしたボーイッシュなシーフのサリーが加わった。
マジカルシュートは女には興味がないので、二人の好みの女性をパーティに加えた形だ。
「よし。メンバーも揃って準備も整った。中央大陸に行くぞ!」
「「「「おー!」」」」
(魔王なんてサクッと倒してすぐに戻ってくるぞ。ミュラにローズマリー待ってろよ。これが終われば俺は魔王を二人倒した大英雄だ。二人もすぐに俺に近寄ってくるだろう。ああ、今から楽しみだ。いや先にマチルダを美味しく頂くのも悪くないな。船旅は長いし。)
ボルテックス達を乗せた船は、西大陸を出発して中央大陸に向かったのだった。
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