20 / 26
第20話 筆記試験を受けるヒカル
しおりを挟む
「ヒカル。早くしないと遅れちゃうよ。」
「わかってるよ。ちょっと待って。」
王都に来てからヒカルとメイリーンは、図書館での勉強とギルドの依頼を平行して行い、実力とお金を着実に伸ばして行った。
ヒカルは入学試験に落ちて魔法学校に入れなかったら死亡するので、必死に勉強した。ヒカルが合格しメイリーンが落ちたら一緒に魔法学校に行く事ができないので、メイリーンの必死に勉強した。
目標がある事で勉強もとても捗った。しかも王都の図書館には、過去の魔法学校の入学試験問題集も置いてあった。最後に解いた過去問集ではヒカルもメイリーンも8割以上の正解を上げる事が出来たので、二人とも試験に自信を持っていた。
「早く早く。遅刻して入学できないなんて嫌だよ。」
「そんな急がなくても大丈夫だよ。まだ2時間もあるじゃん。」
「もう。行くまでに何があるかわからないでしょ。」
(いやいやメイリさんや。魔法学校までは歩いて20分で着くじゃん。道中に何かがあっても余裕でしょ。1時間40分前についてどうするの?30分前とかならわかるけどさすがに早すぎないですか?)
準備を終えたヒカルとメイリーンはアルカディア魔法学校に向かった。魔法学校に着くと、すでに受験者がちらほらいた。
「ほらヒカル。全然早すぎじゃなかったでしょ。試験受ける人けっこういるじゃん。」
「本当だな。」
(なんでみんなこんな早いんだ。そんなに人気なのか魔法学校って・・・。まだ1時間40分前だよ。試験始まるまで何するんだよ・・・ってまあ最後の追い込みをするんだろうけど。)
「早く行きましょ。」
(よくよく考えれば早めに来たのは正解か。ここって貴族とかも来るもんな。人が少ない内に来た方が変に絡まれたりしないもんな。さすがに貴族がこんなに早く来るとは思えないし。)
ヒカルとメイリーンは受付で名前を伝え、受験票を受け取った。試験の申込はエベレス辺境伯がしてくれていた。ヒカルは330番、メイリは329番だった。
「そう言えばスクルドも来てるんだよな?会えるかな?」
「さっき受付で聞いたけど500人ぐらい試験受ける人がいるみたいだよ。運がよかったら会えるんじゃない?」
(折角ヒカルと2人で試験受けに来たのにスクルドに邪魔されないようにしないと・・・)
「500人か・・・たしか合格するのってAクラスからEクラスで30名だったよな。って事は150人合格するのか。」
(倍率3倍ちょっとか・・・意外にハードルが高いな。)
「一緒にAクラスに入るんだからね。つまらないミスしちゃダメだよ。」
「わかってるよメイリ。」
(そりゃこの試験に俺の生死が関わってるんだから必死にもなるよ。あれっそう言えばミッションって試験に合格したらクリアになるのかな?それともやっぱり入学と同時にクリアになるのかな?俺としては合格が決まったらクリアになればありがたいんだけど・・・)
受験票を受け取ったヒカルとメイリは筆記試験の会場に向かった。筆記試験会場は100名程入る大きな会場だった。受験番号301番から400番と書かれた会場に入り、机に330番と書かれた紙の置かれた席につく。329番のメイリーンはヒカルの前の席だ。
「まだ全然席埋まってないね。」
「試験が始まるまでのこの時間を有効に使わないと、忘れる心配がないから詰め込まないとね。ヒカルもそうでしょ。」
「まあ・・・」
(参加者がドンドン入ってくるな。この中に勇者はいるんだろうか?勇者っていうぐらいだから平民でイケメンさわやか野郎だよな?ああ勇者の名前も、どんな姿かも教えてくれてないって絶対ネメシス様のミスだよな~。そもそもアルカディアの魔法学校に来るかどうかもわからないし・・・)
アルカディア魔法学校の筆記試験は、現代学、歴史学、算学、魔法学、法律学の5つの分野で行われる。その後、実技試験だ。実技試験は魔法学校なので、もちろん魔法を使った試験だ。
魔力量を測る、魔力測定と、魔法の技術を測る的当ての2つの実技試験だ。学科と実技の総合で合格者が決まるのだ。定員数150名とは言ったが、一定水準以上の者が多いと定員以上の合格者が出る事もあるし、逆ももちろんある。
ヒカルは、入ってくる受験者を見ながら試験の開始を待った。何名か気になる人がいたが、合格するかどうかもわからないので、見るだけだ。
試験が始まり、現代学、歴史学、算学を終えた。ヒカルとメイリーンは宿で用意してもらったサンドイッチを食べながら午前の試験内容を話し合った。
「午前中の試験は算学以外は簡単だったわ。あれなら8割は合ってると思うわ。ヒカルはどうだった?」
「俺は算学は問題無し。現代学と歴史学もだいたいはわかったよ。まあ多分大丈夫だと思うよ。」
試験の合格基準は5割だ。5割以上正解できれば入学できる。だが、ヒカルとメイリーンはただの合格ではなく、Aクラスでの合格を目標にしていた。Aクラスは8割以上の正解と上位30名に入らなければ行く事ができないエリートクラスだ。
昼からの魔法学、法律学を無難にこなしたヒカルとメイリーン。メイリーンは特に魔法学が得意だったので、学科試験終了後のメイリーンの表情はとても明るかった。逆にヒカルは得意なのは算学だけだったが、他の科目も不得意ではないので、合格基準は満たしたと安堵していた。
筆記試験が終わり、ヒカルとメイリーンは実技試験の会場に移動したのだった。
「わかってるよ。ちょっと待って。」
王都に来てからヒカルとメイリーンは、図書館での勉強とギルドの依頼を平行して行い、実力とお金を着実に伸ばして行った。
ヒカルは入学試験に落ちて魔法学校に入れなかったら死亡するので、必死に勉強した。ヒカルが合格しメイリーンが落ちたら一緒に魔法学校に行く事ができないので、メイリーンの必死に勉強した。
目標がある事で勉強もとても捗った。しかも王都の図書館には、過去の魔法学校の入学試験問題集も置いてあった。最後に解いた過去問集ではヒカルもメイリーンも8割以上の正解を上げる事が出来たので、二人とも試験に自信を持っていた。
「早く早く。遅刻して入学できないなんて嫌だよ。」
「そんな急がなくても大丈夫だよ。まだ2時間もあるじゃん。」
「もう。行くまでに何があるかわからないでしょ。」
(いやいやメイリさんや。魔法学校までは歩いて20分で着くじゃん。道中に何かがあっても余裕でしょ。1時間40分前についてどうするの?30分前とかならわかるけどさすがに早すぎないですか?)
準備を終えたヒカルとメイリーンはアルカディア魔法学校に向かった。魔法学校に着くと、すでに受験者がちらほらいた。
「ほらヒカル。全然早すぎじゃなかったでしょ。試験受ける人けっこういるじゃん。」
「本当だな。」
(なんでみんなこんな早いんだ。そんなに人気なのか魔法学校って・・・。まだ1時間40分前だよ。試験始まるまで何するんだよ・・・ってまあ最後の追い込みをするんだろうけど。)
「早く行きましょ。」
(よくよく考えれば早めに来たのは正解か。ここって貴族とかも来るもんな。人が少ない内に来た方が変に絡まれたりしないもんな。さすがに貴族がこんなに早く来るとは思えないし。)
ヒカルとメイリーンは受付で名前を伝え、受験票を受け取った。試験の申込はエベレス辺境伯がしてくれていた。ヒカルは330番、メイリは329番だった。
「そう言えばスクルドも来てるんだよな?会えるかな?」
「さっき受付で聞いたけど500人ぐらい試験受ける人がいるみたいだよ。運がよかったら会えるんじゃない?」
(折角ヒカルと2人で試験受けに来たのにスクルドに邪魔されないようにしないと・・・)
「500人か・・・たしか合格するのってAクラスからEクラスで30名だったよな。って事は150人合格するのか。」
(倍率3倍ちょっとか・・・意外にハードルが高いな。)
「一緒にAクラスに入るんだからね。つまらないミスしちゃダメだよ。」
「わかってるよメイリ。」
(そりゃこの試験に俺の生死が関わってるんだから必死にもなるよ。あれっそう言えばミッションって試験に合格したらクリアになるのかな?それともやっぱり入学と同時にクリアになるのかな?俺としては合格が決まったらクリアになればありがたいんだけど・・・)
受験票を受け取ったヒカルとメイリは筆記試験の会場に向かった。筆記試験会場は100名程入る大きな会場だった。受験番号301番から400番と書かれた会場に入り、机に330番と書かれた紙の置かれた席につく。329番のメイリーンはヒカルの前の席だ。
「まだ全然席埋まってないね。」
「試験が始まるまでのこの時間を有効に使わないと、忘れる心配がないから詰め込まないとね。ヒカルもそうでしょ。」
「まあ・・・」
(参加者がドンドン入ってくるな。この中に勇者はいるんだろうか?勇者っていうぐらいだから平民でイケメンさわやか野郎だよな?ああ勇者の名前も、どんな姿かも教えてくれてないって絶対ネメシス様のミスだよな~。そもそもアルカディアの魔法学校に来るかどうかもわからないし・・・)
アルカディア魔法学校の筆記試験は、現代学、歴史学、算学、魔法学、法律学の5つの分野で行われる。その後、実技試験だ。実技試験は魔法学校なので、もちろん魔法を使った試験だ。
魔力量を測る、魔力測定と、魔法の技術を測る的当ての2つの実技試験だ。学科と実技の総合で合格者が決まるのだ。定員数150名とは言ったが、一定水準以上の者が多いと定員以上の合格者が出る事もあるし、逆ももちろんある。
ヒカルは、入ってくる受験者を見ながら試験の開始を待った。何名か気になる人がいたが、合格するかどうかもわからないので、見るだけだ。
試験が始まり、現代学、歴史学、算学を終えた。ヒカルとメイリーンは宿で用意してもらったサンドイッチを食べながら午前の試験内容を話し合った。
「午前中の試験は算学以外は簡単だったわ。あれなら8割は合ってると思うわ。ヒカルはどうだった?」
「俺は算学は問題無し。現代学と歴史学もだいたいはわかったよ。まあ多分大丈夫だと思うよ。」
試験の合格基準は5割だ。5割以上正解できれば入学できる。だが、ヒカルとメイリーンはただの合格ではなく、Aクラスでの合格を目標にしていた。Aクラスは8割以上の正解と上位30名に入らなければ行く事ができないエリートクラスだ。
昼からの魔法学、法律学を無難にこなしたヒカルとメイリーン。メイリーンは特に魔法学が得意だったので、学科試験終了後のメイリーンの表情はとても明るかった。逆にヒカルは得意なのは算学だけだったが、他の科目も不得意ではないので、合格基準は満たしたと安堵していた。
筆記試験が終わり、ヒカルとメイリーンは実技試験の会場に移動したのだった。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。


転生して貴族になったけど、与えられたのは瑕疵物件で有名な領地だった件
桜月雪兎
ファンタジー
神様のドジによって人生を終幕してしまった七瀬結希。
神様からお詫びとしていくつかのスキルを貰い、転生したのはなんと貴族の三男坊ユキルディス・フォン・アルフレッドだった。
しかし、家族とはあまり折り合いが良くなく、成人したらさっさと追い出された。
ユキルディスが唯一信頼している従者アルフォンス・グレイルのみを連れて、追い出された先は国内で有名な瑕疵物件であるユンゲート領だった。
ユキルディスはユキルディス・フォン・ユンゲートとして開拓から始まる物語だ。

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる