上 下
19 / 26

第19話 王都に到着するヒカル

しおりを挟む
辺境の町エベレスから移動する事1カ月、ヒカルとメイリーンは王都アルムガルドに到着していた。入口で身分証のDランク冒険者証を提示し、中に入る2人。

「エベレスも大きかったけど、ここはそれ以上だね。」

「ああ。王都って言うぐらいだから一番でかいんだろうな。とりあえず宿を探そうか。」

(ようやく王都についたな。試験までは後2か月それまでは試験対策をメインにして、合格したとして、入学までの3カ月で更にお金を稼がないとな。あとは勇者の情報だな。魔法学校に入学するミッションをクリアしたら次は勇者を2年生に進級させろだったから早めに勇者を見つけて仲良くなっておかないと。)

「学校に近い所がいいかな?」

「そうだな~。先にギルドでその辺聞いてみるか。便利な所は高いだろうし、なるだけ節約したいからな。」

「そうだね。わかった。」

ギルドは盾と双剣が描かれた看板で、王都にいる人に聞けばすぐに教えてもらい、教えてもらった通りに進んで行くと、ギルドはすぐに見つかった。

「わぁ~大きいね。」

「ああ、さすが王都だな。」

(ギルドに聞けば勇者の事ってわかるのかな?いやいや下手な詮索はまだしないようがいいか。)

王都の冒険者ギルドはエベレスのギルドの3倍程の大きさがあった。中に入ると、びっしりと並ぶ受付の列。それぞれの場所には様々な冒険者が受付の人と話しているのが目に飛び込んだ。

「中も綺麗だね。」

(まるで銀行みたいだな。これで番号札なんかあったらまるっきり銀行だな。まあお金を預ける事もできるし銀行みたいな役割も兼ねてるんだろうな。異世界の不思議だな。エベレスで預けたお金を王都で引き出せるんだもんな。どんな不思議パワーだよって感じだ。)

「空いてる所に行って聞いてみようか。依頼もどんなのがあるか気になるしな。」

ヒカルとメイリーンは開いている受付の所に行って、そして・・・

「エルフ!?」

「あらっ?エルフを見るのは初めて?ふふふ。そうよ。かわいい冒険者さん。」

「ヒカル。いきなりどうしたの?」

(だってエルフだよエルフ。耳長いんだよ。そして美形!!超キレイだ。フリーダム連合国に行かないとエルフに会えないと思ってたからすげーうれしい。この分だとケモ耳さんもいるよな?ギルドの受付にはいないのかな~。気になる。気になるな~。あっ、やっぱり胸はあまりないんだな。スレンダー美人だ。いやいや全然OK。むしろドストライクだ。仲良くなりたい。)

「あの、冒険者のヒカルって言います。魔法学校に入る為にここにきたんですが、はじめてで何もわからないくて・・・その・・・色々教えてください。」

「ふふふ。良いわよ。お姉さんが教えてあげるわ。」

(もうヒカルったらあんなに目をキラキラさせて。確かにエルフのお姉さんは美人だけど私が隣にいるんですけど!!)

メイリーンはヒカルの態度が気に食わないので思いっきりヒカルの足を踏んづけた。

「痛ッ!!メイリ?」

「知らない!」

「あらあらかわいい彼女さんが怒っちゃったわよヒカル君。」

(いかんいかん。綺麗なエルフさんに心奪われてしまった。そうだそうだ。メイリと宿を聞きにきたんだった。)

「すいません。こっちはメイリーンです。俺達2人で今日王都に来たばかりなんです。おススメの宿とか、依頼の事とか教えてくれますか?」

メイリーンに謝り倒して、おススメの宿や依頼の事、魔法学校の事などを教えてもらったヒカルは、メイリーンの機嫌取りの為、美味しいケーキが売ってるお店向かった。美味しいケーキのお店は、受付をしてくれたエルフのティレスがこっそり教えてくれた。

「ヒカルはキレイな人を見るとすぐに目がキラキラするから気を付けてよね。」

「ごめんごめん。美味しいケーキおごるから許してよ。」

「それもティレスさんが教えてくれたんでしょ?」

「うん。まあそうなんだけどね。無事に王都に来たんだからお祝いも兼ねてね。」

「しょうがないからそれで許してあげるわ。」

(後でこっそりティレスさんにはお礼と、そして借家の事聞かなきゃね。ティレスさんって大人の女性って感じだからこっちの味方にしたらやりやすいかも。早めにその辺を決めておかないとね。寮より金額が安かったらヒカルもOKだすと思うし。)

魔法学校に入ると、色んな女性がヒカルにちょっかいを出す事を懸念したメイリーンは早めに動く事を決意するのだった。

ケーキがおいしくてメイリーンの機嫌は一瞬でよくなった。

(よかった。ティレスさんさすがだ。エルフとも会えたし異世界サイコーだな。やっぱり実物は違うよな~。いかんいかん。又ティレスさんの事考えてしまった。メイリに気付かれたらせっかく機嫌がよくなったのに台無しだ。)

「ヒカル?ティレスさんの事考えてたでしょ?」

(エスパーかよ!?えっ心読めるの?)

「いやいやそんなわけないじゃん。」

「そう?ならいいけど・・・」

(よかった~。ケーキ様々だな。意外な出費だけど、時々きてメイリの機嫌は取らないといけないからその分頑張ってお金稼がないとな。)

ケーキを楽しんだ二人はその後、ティレスから教えてもらった宿を取り旅の疲れをいやすのだった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる 初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。 なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています こちらの作品も宜しければお願いします [イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

クラス転移、異世界に召喚された俺の特典が外れスキル『危険察知』だったけどあらゆる危険を回避して成り上がります

まるせい
ファンタジー
クラスごと集団転移させられた主人公の鈴木は、クラスメイトと違い訓練をしてもスキルが発現しなかった。 そんな中、召喚されたサントブルム王国で【召喚者】と【王候補】が協力をし、王選を戦う儀式が始まる。 選定の儀にて王候補を選ぶ鈴木だったがここで初めてスキルが発動し、数合わせの王族を選んでしまうことになる。 あらゆる危険を『危険察知』で切り抜けツンデレ王女やメイドとイチャイチャ生活。 鈴木のハーレム生活が始まる!

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

若返ったおっさん、第2の人生は異世界無双

たまゆら
ファンタジー
事故で死んだネトゲ廃人のおっさん主人公が、ネトゲと酷似した異世界に転移。 ゲームの知識を活かして成り上がります。 圧倒的効率で金を稼ぎ、レベルを上げ、無双します。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

せっかく異世界に転生できたんだから、急いで生きる必要なんてないよね?ー明日も俺はスローなライフを謳歌したいー

ジミー凌我
ファンタジー
 日夜仕事に追われ続ける日常を毎日毎日繰り返していた。  仕事仕事の毎日、明日も明後日も仕事を積みたくないと生き急いでいた。  そんな俺はいつしか過労で倒れてしまった。  そのまま死んだ俺は、異世界に転生していた。  忙しすぎてうわさでしか聞いたことがないが、これが異世界転生というものなのだろう。  生き急いで死んでしまったんだ。俺はこの世界ではゆっくりと生きていきたいと思った。  ただ、この世界にはモンスターも魔王もいるみたい。 この世界で最初に出会ったクレハという女の子は、細かいことは気にしない自由奔放な可愛らしい子で、俺を助けてくれた。 冒険者としてゆったり生計を立てていこうと思ったら、以外と儲かる仕事だったからこれは楽な人生が始まると思った矢先。 なぜか2日目にして魔王軍の侵略に遭遇し…。

処理中です...